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株式会社トクヤマ

4043東証プライム化学

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株式会社トクヤマ4043

事業内容

株式会社トクヤマは1918年創業の総合化学メーカーで、山口県周南市の徳山製造所を中核拠点とする。化成品(苛性ソーダ・塩化ビニル等)・セメント・電子先端材料(多結晶シリコン・乾式シリカ・窒化アルミニウム)・ライフサイエンス(体外診断・歯科器材・レンズ材料)・環境事業(イオン交換膜・廃石膏ボードリサイクル)の5セグメントを展開。

子会社55社・関連会社33社を擁し、アジアを中心に海外製造・販売拠点を持つ。主要顧客は半導体メーカー・電子部品メーカー・医療機関・建設業界等に広がり、売上高349,476百万円(2026年3月期)を計上する。

ビジネスモデル

徳山製造所の電解・化学プロセスを基盤に、苛性ソーダ等の基礎化学品から半導体用多結晶シリコン・ICケミカル・放熱材等の高付加価値電子材料まで垂直統合的に製造・販売する。セメント事業は太平洋セメントへの譲渡を進め、「電子」「健康」「環境」の成長3分野に経営資源を集中。

研究開発費17,706百万円・設備投資額32,759百万円(2026年3月期)を投下し、技術優位性を収益に転換するモデルを採る。

企業の強み

多結晶シリコン・乾式シリカ・ICケミカル・窒化アルミニウムを一社で供給できる電子先端材料セグメントは、2026年3月期に売上高91,675百万円・営業利益15,681百万円(前期比63.6%増)を達成。ベトナム新工場建設・マレーシアOCIグループとの合弁設立により、半導体用多結晶シリコンの国際的な供給体制を構築している。

トクヤマデンタルが開発した構造色活用歯科充填用コンポジットレジン「オムニクロマ®」は全国発明表彰「特許庁長官賞」を受賞。ライフサイエンスセグメントは2026年3月期に売上高49,387百万円(前期比17.7%増)を達成し、歯科器材の海外向け出荷増加が収益を牽引。

特許に裏付けられた技術優位性が海外展開の競争力となっている。

1918年創業以来、アンモニア法ソーダ・電解苛性ソーダ・多結晶シリコン(1984年製造開始)等の製造技術を自社内で蓄積。世界最高水準の省エネ性能を目指す大型食塩電解槽の製作や高圧AWE開発にも応用されており、競合が短期間で模倣困難な固有技術基盤を有する。

研究開発費は2026年3月期に17,706百万円を投下している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の電子先端材料セグメント営業利益は15,681百万円(前期比63.6%増)と急回復し、全社営業利益37,017百万円(同23.5%増)を牽引した。ただし中期経営計画2025の最終年度目標(売上高4,000億円・営業利益450億円・ROE11%以上)に対し、実績は売上高349,476百万円・営業利益37,017百万円・ROE8.2%といずれも未達。

半導体市場の先端分野への需要集中が原材料への波及に遅れたことや化成品市況悪化が主因であり、外部環境の変動が計画達成を阻んだ形となった。

トクヤマライフサイエンス取得に伴い発生したのれん60,139百万円(暫定値、20年均等償却)が今後の費用負担となる。当期は法人税等調整額8,355百万円(繰延税金資産の見積変動等)を計上した結果、税引前利益が前期比16.4%増にもかかわらず親会社株主帰属純利益は22,205百万円(同5.1%減)にとどまった。

取得原価の配分が未完了であり、最終的なのれん額・無形資産計上額が確定次第、償却負担の規模が明確化される点に留意が必要。

セメント・固化材の国内販売事業を2026年10月に太平洋セメントへ譲渡予定(製造事業は2028年度停止検討)であり、当期営業利益9,536百万円を稼ぐセグメントの喪失が翌期以降の収益構造を大きく変える。加えて2027年3月期の連結業績予想は中東情勢に起因する原燃料調達の不透明さ等を理由に「未定」とされており、配当予想も未定。

先端半導体向け需要の追い風が期待される一方、地政学リスク・関税政策・原燃料コスト上昇という外部要因が下振れリスクとして残存しており、次期中期経営計画(2026〜2030年度)の内容開示が投資判断の重要な材料となる。

成長戦略

「電子・健康・環境」3分野への重点投資とセメント事業売却による資源再配分で構造転換を加速

ベトナムに建設中の多結晶シリコン製造販売拠点と、韓国OCIグループとのマレーシア合弁OCI Tokuyama Semiconductor Materials Sdn. Bhd.を連携させ、半導体用多結晶シリコンの生産・供給体制を構築。先端半導体向け需要の伸長を取り込む中核施策。

JSRより取得した体外診断用医薬品事業(取得原価80,637百万円)を2025年10月より連結化。㈱エイアンドティーとのクロスセルや粒子・抗体免疫試薬の製品化能力補完により高収益試薬ビジネスの早期構築を目指す。のれん60,139百万円(暫定)を20年均等償却。

セメント・固化材の国内販売事業および一部連結子会社株式を新設完全子会社に承継後、2026年10月1日付で太平洋セメントへ譲渡予定。製造事業は2028年度停止を検討。譲渡対価を成長3分野へ再配分し、事業ポートフォリオの転換を一段と加速させる。

「使用済太陽光パネル資源循環推進・北海道コンソーシアム」参画による低温熱分解リサイクル技術の事業化、水素化マグネシウム用途開拓を目指す「株式会社H2ほっかいどう」への資本参加、バイオマス混焼設備の改造・運転開始等を推進。2030年度カーボンニュートラル達成に向けた中長期施策。

中期経営計画2025(最終年度実績:売上高349,476百万円・営業利益37,017百万円・ROE8.2%)が主要目標未達で終了。2026年度から2030年度を対象とする次期中期経営計画において成長分野に注力し企業価値向上を目指す方針を表明。具体的な数値目標・施策は未公表。

最終更新: 2026年7月19日