事業内容
日本曹達株式会社は1920年創業の総合化学メーカーで、当社・子会社29社・関連会社7社(2026年3月末)で構成される。事業はケミカルマテリアル(工業薬品・化成品・機能材料・医薬品等)、アグリビジネス(農薬製造・販売)、トレーディング&ロジスティクス(化学品商社・物流)、エンジニアリング(プラント建設・土木)、エコソリューション(産業廃棄物処理・資源リサイクル)の5セグメントで構成される。
国内4工場(二本木・高岡・千葉・郡山)を主要生産拠点とし、NISSO AMERICA・NISSO CHEMICAL EUROPEを通じたグローバル販売網を有する。主要顧客は製薬・農業・電子材料・化学品流通など多岐にわたる。
ビジネスモデル
中核の製造セグメント(ケミカルマテリアル・アグリビジネス)で独自技術に基づく高付加価値製品を製造し、国内外の顧客に直販・販売委託で収益を得る。日曹商事が化学品商社機能、三和倉庫が物流機能、日曹エンジニアリングがグループ内設備投資需要を取り込む。
IHARABRAS・Novus Internationalなど持分法適用会社からの投資利益も収益に貢献し、営業利益を超える経常利益・純利益を実現する構造となっている。
企業の強み
殺菌剤「ピシロック」「ミギワ」、殺ダニ剤「ダニオーテ」、医薬品添加剤「NISSO HPC」、樹脂添加剤「NISSO-PB」、KrFフォトレジスト材料「VPポリマー」など自社開発製品を複数保有。研究開発費は7,098百万円(連結売上高比4.7%)を投じており、アグリビジネスだけで4,600百万円を計上するなど継続的な製品パイプラインの充実を図っている。
2026年3月期末の自己資本比率は66.6%、純資産は206,094百万円に達する。資金調達は主として営業キャッシュフローと自己資金で賄い、取引銀行2行との総額4,500百万円のコミットメントライン契約も保有。
財務健全性の高さが積極的な設備投資(当期10,706百万円)と株主還元(配当金支払8,193百万円・自己株取得5,009百万円)の両立を可能にしている。
1986年設立のNISSO AMERICA INC.と1992年設立のNISSO CHEMICAL EUROPE GmbHを通じ、ケミカルマテリアル・アグリビジネスの海外向け製品を販売委託する体制を構築。欧州向け農薬は2026年3月期に流通在庫が適正水準に回復し需要が回復。
IHARABRAS(ブラジル)・Novus International(米国)の持分法適用会社も収益に貢献し、持分法投資利益は6,055百万円に達した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高152,091百万円・営業利益14,970百万円・純利益18,271百万円(過去最高)。2027年3月期第1四半期は売上高34,248百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益3,734百万円(同18.3%増)と好調に始動したが、通期予想は営業利益14,200百万円(前期比5.1%減)、純利益15,800百万円(同13.5%減)と減益を見込み、四半期の勢いと通期見通しに温度差がある。
成長戦略
新中期経営計画「Stage Ⅲ」始動、高付加価値製品拡販とグループ内投資回復でROE改善を目指す
NISSO HPC・NISSO-PB等の機能材料、モスピラン・パンチョ等の輸出農薬の拡販を継続。第1四半期はアグリビジネスが21.8%増収と成果が出ているが、ケミカルマテリアルは医薬品原体減少・終売影響で5.5%減収と課題も残る。
長期経営ビジョンの最終ステージとして企業価値向上策を推進。エンジニアリングのグループ内内部売上高が前年同期比5倍以上に急増し、グループ内設備投資の再加速が始動段階で確認された。
自己資本比率66.0%の高水準を維持しつつ、持分法投資利益や有価証券評価差額の活用を通じ資本効率の改善を図る。2026年3月期は特殊要因で純利益が過去最高を記録したが、通期予想では減益を見込み、持続的なROE改善が今後の評価軸となる。
最終更新: 2026年8月7日

