事業内容
南海化学は1906年創業の老舗化学品メーカーで、2023年4月に東京証券取引所スタンダード市場に上場。「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」を企業理念に掲げ、苛性ソーダ・次亜塩素酸ソーダ等の基礎化学品、酢酸ナトリウム・グルコサミン等の機能化学品、土壌殺菌剤クロルピクリンのアグリ、廃硫酸リサイクルの環境リサイクル、天日塩加工・販売の各種塩の5事業を展開する。
主要顧客は化学工業・鉄鋼・製紙・食品・農業関連メーカーで、関西地方を中心に供給網を構築。連結子会社3社・持分法適用関連会社2社を含むグループで売上高21,063百万円(2026年3月期)を計上する。
ビジネスモデル
塩水電気分解による苛性ソーダ等の製造を基盤に、硫黄・水素等の原料を自社製造できるコスト競争力を活かした製造・販売モデルを採る。製品特性上、輸送コストが競争力を左右するため関西地方を中心とした地域密着型の販売体制を構築。
廃硫酸リサイクルでは廃棄物処理フィーと再生硫酸販売の双方から収益を得る循環型モデルを持つ。各種塩事業では輸入原塩を加工し食品・凍結防止剤向けに販売する。
企業の強み
苛性ソーダ製造の副産物として塩素・水素・硫黄を自社製造できる一貫生産体制を保有。これにより原料調達コストを内製化し、外部調達に依存する競合に対してコスト面での優位性を確保している。2026年3月期の売上原価は前期比2.0%減の15,083百万円となり、価格是正と原価削減の効果が数値に表れている。
青岸工場を拠点に廃硫酸リサイクル事業を長年運営し、石油精製業者等からの廃硫酸受入・精製・再販の循環モデルを確立。2023年10月には土佐工場で脱塩素セメント原料リサイクル(脱塩事業)を開始し、環境リサイクル領域を拡張。
研究開発費276百万円を投じ、次世代電池廃棄物を含む含硫黄廃棄物への処理拡大技術を開発中。
土佐工場で製造するクロルピクリンについて、液剤を特殊な方法で固形化した錠剤タイプを独自開発。農業従事者の安全性向上ニーズに対応した差別化製品であり、1948年のたばこ向け実用化以来、野菜・花き等へ用途を拡大。適用作物のさらなる拡大に向けた普及活動を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期19,601百万円→2024期19,987百万円→2025期20,900百万円→2026期21,063百万円と緩やかな増収基調が継続。営業利益は2024期1,564百万円をピークに2025期1,306百万円へ反落したが、2026期は1,700百万円と回復。
採算性重視の販売方針と原価削減が奏功し、売上総利益率は前期5,512百万円から5,980百万円へ改善した。当期純利益は富士アミドケミカルの土地売却益(固定資産売却益2,519百万円)計上により2,776百万円と急増したが、一過性要因を除いた実力値は限定的。
外部環境として原材料価格の高止まりや海外安価化学品の流入が引き続き収益圧迫要因となっている。2027年3月期は売上高21,700百万円・営業利益2,300百万円・当期純利益1,260百万円を予想。
成長戦略
収益基盤強化・環境リサイクル拡大・サステナブル経営の3本柱で2027年3月期最終年度へ
事業ポートフォリオの最適化と業務効率化による筋肉質な体質強化を推進。基礎化学品を中心に採算性重視の販売に注力し、製造原価・一般管理費の削減を継続。2026年3月期の営業利益率8.1%は前期6.2%から改善しており施策の効果が数値に表れている。
廃硫酸リサイクル事業の新規顧客獲得を積極推進するとともに、2023年10月開始の土佐工場脱塩事業の拡大に注力。自社の強みを活かした新たなリサイクル事業の創出にも取り組む。化学品事業全体のセグメント利益は2026年3月期に2,472百万円(前期比17.3%増)と拡大中。
BCP対応を念頭に置いた安心・安全な持続的製販体制の強化、人材育成・DE&I施策推進による人的資本投資の拡充を図る。2026年4月に出資を実行した株式会社高知物流との戦略的パートナーシップを通じて地域経済の活性化にも貢献する方針。
エヌシー環境を2025年4月1日付で吸収合併、富士アミドケミカルは2025年12月24日付で清算結了。不動産譲渡完了により有利子負債を大幅圧縮し、自己資本比率を37.4%から56.5%へ改善。グループ資源を中核事業に集中させる体制整備が完了した。
最終更新: 2026年7月19日

