事業内容
ペイクラウドホールディングス株式会社は、「アイディアとテクノロジーで世界をもっとハッピーに」をミッションに掲げる純粋持株会社(2024年3月移行)。完全子会社3社を通じ、スーパーマーケット・飲食店等向けに独自Pay・電子マネーをSaaS提供する「キャッシュレスサービス事業」(株式会社バリューデザイン)、多店舗展開企業・商業施設・オフィス向けにデジタルサイネージをワンストップ提供する「デジタルサイネージ関連事業」(株式会社クラウドポイント)、高速メール配信SaaS「アララメッセージ」等を提供する「ソリューション事業」(アララ株式会社)の3事業を展開。
主要顧客はBtoB・BtoBtoCの法人で、エンドユーザー数は2026年2月末時点で236,354千人に達する。東京証券取引所グロース市場上場。
ビジネスモデル
キャッシュレスサービス事業では月額利用料・決済手数料がリカーリング売上の75.8%を占め、顧客契約継続に伴い安定収益が積み上がる。デジタルサイネージ関連事業は機器販売・施工工事等スポット売上が89.8%を占めるが、Cloud Exa利用料・機器保守料のリカーリング収益も積み上げる構造。
ソリューション事業はリカーリング比率93.6%と最も高く、安定収益の柱として機能している。3事業の共通顧客基盤を活用したクロスセルも推進している。
企業の強み
2025年8月期における独自Pay決済取扱高は約1.45兆円に達し、顧客数1,131社・累計エンドユーザー数226,186千人を確保。決済取扱高の増加に連動して決済手数料(リカーリング売上)が積み上がる構造であり、キャッシュレスサービス事業のセグメント利益は前年同期比30.0%増の802百万円を達成した。
キャッシュレスサービス事業とデジタルサイネージ関連事業は、多店舗展開する飲食チェーン・スーパーマーケット・コンビニエンスストア等の共通顧客セグメントを対象としており、2024年3月のクラウドポイント完全子会社化を機に統合シナジーを活用したクロスセル営業を開始。個別非効率な営業を排し、グループ一体での顧客深耕を推進している。
アララ株式会社が運営するメッセージングサービスは、2025年8月期の月次平均解約率0.6%、取引社数395社を維持。リカーリング比率93.6%と極めて高く、航空会社・証券会社・銀行・地方自治体等の業務インフラとして組み込まれており、安定収益事業として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期1,461百万円→2025期10,234百万円と5期で約7倍に拡大。ただし2026年8月期第3四半期累計の前年同期比成長率は5.4%と、前年同期(58.8%増)から大幅に鈍化した。
営業利益は2022期の赤字(△161百万円)から黒字転換後、2025期731百万円まで改善し、2026年8月期第3四半期累計も662百万円(前年同期比6.2%増)と改善基調を維持。通期予想は売上高11,500百万円・営業利益800百万円(前期比9.4%増)で修正なし。
外部要因として訪日外客数の高水準推移がデジタルサイネージ・キャッシュレス需要を下支えしている一方、物価上昇による消費者マインドへの影響等の景気下押しリスクは残存する。調整後EBITDAは1,056百万円(前年同期比2.0%増)と安定的に推移している。
成長戦略
3事業の共通顧客基盤深耕と独自Pay取扱高拡大、アジア展開を並行推進
既存顧客での独自Pay決済割合増加と新サービス(オンラインチャージ決済・コード決済・インスタントウィン等)の追加により、決済手数料収入(リカーリング売上)の自律的拡大を図る。2026年8月期第3四半期累計の独自Pay決済取扱高は1,178,071百万円と堅調に増加しており、施策は着実に進捗している。
多業種向けデジタルサイネージのワンストップ提供を継続し、累計設置面数・設置箇所数の増加に伴うCloud Exa利用料・機器保守料等のリカーリング売上を積み上げる。2026年8月期第3四半期累計の累計設置面数は73,104面・設置箇所32,246箇所と順調に増加。
年度末・新年度の旺盛な導入需要を背景に受注が堅調に推移し、セグメント利益は前年同期比1.5%増を確保した。
アウトバウンド営業・Webマーケティング強化による新規法人顧客獲得を推進しつつ、既存顧客の解約率を低位に抑制することでリカーリング売上の安定的な積み上げを図る。旧サービス導入顧客の解約が発生したものの、新規顧客獲得が順調に進み、解約率1.0%・取引社数422社を維持。
リカーリング売上は前年同期比5.1%増を確保した。
各事業会社が共通顧客基盤に対してアプローチを積極的に行うことで、顧客獲得コストを抑制しながら事業規模の拡大を図る。キャッシュレスサービス事業とデジタルサイネージ事業の顧客重複を活用したクロスセルが進捗しており、全社費用(調整額)の効率的な活用が課題となっている。
アジア現地法人において代理店活用による新規顧客開拓を継続し、現地企業との提携・M&Aを視野に入れた事業拡大を図る。その他の事業セグメントの売上高は9百万円(前年同期比106.6%増)と小規模ながら増加しているが、セグメント損失△50百万円が継続しており、収益化には至っていない。
最終更新: 2026年7月17日

