事業内容
勤次郎株式会社は、中堅・大企業向けHRMプラットフォーム「Universal 勤次郎」と中小企業向けクラウド型HRMソリューション「JOBEE」を中核に、就業・勤怠管理、人事管理、給与管理、健康管理を一体的に提供するHRMソリューションベンダーである。クラウドおよびオンプレミスの両形態で製品・サービスを展開し、5,000を超える企業・団体への導入実績を持つ。
主要顧客は中堅・中大規模企業であり、大塚商会を主要パートナーとするパートナー販売チャネルを活用している。ベトナム子会社(勤次郎ベトナム有限会社)を開発拠点として活用し、自社クラウド設備によるサービス提供を行っている。
ビジネスモデル
クラウドライセンス売上(月額課金)とオンプレミス向けプレミアムサポート売上(年額・月額課金)の2本柱でリカーリングレベニューを構築する。2025期のリカーリングレベニューはHRM事業売上の70.4%を占め、クラウドライセンス売上単体で59.8%に達する。
クラウドサービスは自社設備で運営し、導入時のコンサルサポートや就業情報端末販売も収益源とする。大塚商会(売上高の38.3%)を筆頭とするパートナー販売チャネルが顧客獲得を担う。
企業の強み
2025期末のクラウドサービス解約率は0.22%(前期0.24%)と極めて低水準を維持。就業・健康・人事・給与データを統合管理するHRMプラットフォームの高い業務依存度と顧客満足度向上施策が、スイッチングコストを高め安定的なリカーリングレベニューの積み上げを支えている。
クラウドサービス利用者数は2016年末の72,226人から2025年末の803,020人へ約11倍に拡大。契約社数も381社から2,599社へ増加。2025期単年で169,772人(前期末比+26.8%)の純増を達成しており、継続的な新規顧客獲得力を実証している。
2025期の売上原価は1,715百万円(前期比0.6%減)と横ばいに抑制された一方、売上高は5,370百万円(前期比22.7%増)に拡大。その結果、売上総利益は3,655百万円(前期比37.9%増)となり、クラウドライセンス売上の高成長が売上ミックスを改善し、利益率の構造的向上をもたらしている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2021期から2025期にかけて売上高は3,324百万円→5,370百万円、営業利益は262百万円→1,521百万円と5期連続増収増益を達成。特に2025期は営業利益が前期比2倍超に急拡大し、営業利益率は28.3%に達した。
しかし2026年12月期第1四半期(2026年1月〜3月)は売上高1,332百万円(前年同期比6.3%増)と増収を維持した一方、売上原価の増加(前年同期比19.7%増)と為替差損の拡大(前年同期1百万円→当期8百万円)により、営業利益326百万円(同7.0%減)、経常利益319百万円(同8.6%減)、四半期純利益207百万円(同11.3%減)と全利益項目で前年同期を下回った。減価償却費は前年同期比24.9%増の255百万円であり、ソフトウエア投資の先行が利益を圧迫している。
通期予想は変更なく、売上高6,000百万円・営業利益1,601百万円を維持している。
成長戦略
クラウドライセンス拡大とリカーリングレベニュー積み上げによる持続成長
市場ニーズの高まりを背景にクラウドライセンス売上は2026年12月期第1四半期に前年同期比28.4%増の901百万円を計上。低解約率に支えられた積み上げ型収益の拡大により、安定的な収益基盤の強化を図る。
既存オンプレミス顧客のクラウド移行を推進し、リカーリングレベニュー比率の向上を図る。2026年12月期第1四半期のオンプレミス事業は前年同期比19.2%減と縮小が続いており、移行は着実に進行中。
「Universal 勤次郎 人材管理」「同 給与管理」を通じた既存顧客へのクロスセルによりARPU向上を目指す。就業・健康管理情報の一元化ニーズの高まりが追い風となっているが、給与・人事領域での実績蓄積は引き続き課題。
従来の大企業・中堅企業向け製品に加え、中小企業向け新製品「JOBEE」のリリースにより対象顧客層を拡大。新たな市場セグメントへのアクセスによる売上高の底上げを図る。
大塚商会との販売パートナーシップを活用した顧客獲得を継続。広範な販売網を通じた新規顧客の獲得により、クラウドライセンス売上の拡大を支援する。依存度の高さはリスクとして認識されている。
2027年度以降に予定される労働基準法改正を見据えた企業の先行投資需要を確実に捉え、高度で柔軟な労務管理体制の構築を支援するシステムとしての採用拡大を図る。
最終更新: 2026年7月17日

