チエル株式会社 logo

チエル株式会社

3933東証スタンダード情報通信業

チエル株式会社 logo
チエル株式会社3933

事業内容

チエル株式会社は「子供たちの未来のために世界中の先生の授業をICTで支える」を経営理念に掲げる教育ICT専業企業。1997年設立、2016年東証上場。

連結子会社8社・関連会社2社を含むグループ11社体制で、小学校・中学校向け授業支援システム・デジタル教材・セキュリティソリューション、高校・大学向け語学学習システム・統合ID管理・進路支援サービス、企業・官公庁向けICTソリューションの3セグメントを展開。GIGAスクール構想を主要な事業環境として、全国の教育委員会・学校・大学を主要顧客とする。

ビジネスモデル

自社開発の授業支援・セキュリティ・ID管理ソフトウェアを中核に、ハードウェア機器・デジタル教材・クラウドサービスをパッケージで提供。販売は全国の販売パートナー(SIer・販売代理店)経由の入札参加が主体。

「InterCLASS Cloud Advance」「InterCLASS Console Support」等のサブスクリプション型サービスで継続収益を積み上げる一方、M&Aによりトラストコミュニケーション社・オキジム社を連結化し、企業・官公庁向け事業を急拡大させている。

企業の強み

無線通信可視化・安定化ソリューション「Tbridge」、クラウド型授業支援「InterCLASS Cloud Advance」、Google管理コンソール支援「InterCLASS Console Support」など、GIGAスクール第2期(2024〜2028年度)の端末・ネットワーク整備需要に直結する製品群を自社開発・保有しており、政策追い風を直接享受できる製品ラインナップを構築している。

2024年6月にトラストコミュニケーション株式会社、2024年12月に株式会社オキジム(持株比率51.6%)を子会社化。オキジム連結化により総資産が6,119百万円から10,614百万円へ約73%増加。

その他セグメント売上高は前年同期比345.9%増の2,370百万円、セグメント利益は同634.8%増の120百万円となり、M&Aが業績拡大に直接貢献している。

2025年3月期の売上高は小学校・中学校部門2,034百万円、高等学校・大学部門2,493百万円、その他(企業・官公庁)2,370百万円と3セグメントがほぼ均等に分散。特定顧客・市場への過度な依存を回避しており、GIGAスクール政策の変動リスクを一定程度緩和する構造となっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高10,226百万円(前期比+48.3%)はオキジム完全連結効果が主因とみられる。外部要因としてGIGAスクール第2期需要の拡大が追い風となっているが、M&A剥落後の有機成長率や既存製品の単独成長力については引き続き精査が必要。

のれん(訂正後2025年3月期末1,015百万円→2026年3月期末863百万円)の償却負担も利益を下押しする点に留意。

2026年3月期の営業利益率は10.5%(前期9.8%)と改善し、営業利益は1,069百万円(前期比+57.7%)と大幅増益を達成した。一方、総資産12,198百万円に対し自己資本比率は27.6%(前期訂正後29.0%)と低下傾向にあり、借入金(短期523百万円・長期1,442百万円)も増加している。

M&A投資に伴う財務レバレッジの上昇は、金利上昇局面においてコスト増要因となりうる点を外部要因として注視すべきである。

2024年12月のオキジム取得に係る暫定的な会計処理が2026年3月期に確定し、前連結会計年度の比較情報が遡及修正された。訂正後の2025年3月期末総資産は10,703百万円(訂正前10,614百万円)、純資産は3,930百万円(訂正前3,841百万円)、1株当たり純資産は416.71円(訂正前413.66円)に変更されており、のれんの一部が投資有価証券・繰延税金資産等に組み替えられている。

投資家は訂正前数値との比較に際し注意が必要。

成長戦略

GIGAスクール第2期需要の取り込みとM&Aによる事業領域・地域拡大の二本柱

2024〜2028年度の全国本格整備を背景に、小中学校向け端末・ネットワーク管理・運用サービスの受注拡大を図る。契約負債が2026年3月期末に2,761百万円と増加に転じており、今後一定期間の収益貢献が見込まれる。

トラストコミュニケーション(2024年4月)・オキジム(2024年12月連結、2025年11月完全子会社化)のM&Aにより四国・九州等の地域基盤と企業・官公庁向け事業を獲得。完全子会社化により非支配株主持分が消滅し、グループ一体経営体制が整備された。

「InterCLASS Cloud Advance」等のクラウド・サブスクリプション型サービスの拡充により、ストック収益の積み上げを図る。契約負債の増加傾向が継続しており、収益の安定性・予測可能性の向上に寄与している。

最終更新: 2026年7月17日