事業内容
株式会社ラクスは「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに掲げ、経費精算システム「楽楽精算」、帳票発行システム「楽楽明細」、販売管理システム「楽楽販売」、勤怠管理システム「楽楽勤怠」等の複数クラウドサービスを自社で企画・開発・運用するSaaS企業である。主要顧客は国内中堅・中小企業を中心とした法人で、バックオフィス業務のデジタル化・効率化ニーズに応える。
2026年4月にIT人材事業(株式会社ラクスパートナーズ)を譲渡し、クラウド事業への専業体制へ移行した。東京・大阪・札幌・名古屋・福岡等9拠点(本書提出日現在10拠点)で営業活動を展開している。
ビジネスモデル
クラウドサービスを月額課金型で提供し、導入企業数の積み上げとともに安定的な継続収益を獲得するストックビジネスモデルを採用する。企画・開発・マーケティング・カスタマーサクセスをグループ内で一貫して担い、顧客要望を開発にフィードバックすることで継続的な機能改善と解約抑制を実現する。
価格改定やアップセル・クロスセルによる顧客単価向上も収益拡大の柱となっている。
企業の強み
2021年3月期を基準とする5カ年中期経営目標において、売上高CAGR31.4%(目標31〜32%)、2026年3月期当期純利益13,293百万円(目標100億円以上)、純資産26,034百万円(目標200億円以上)をいずれも達成・超過した。数値目標の確実な実行力は経営の信頼性を裏付ける。
2026年3月期の営業利益は17,345百万円(前期比70.2%増)、EBITDAマージンは31.0%(前期23.2%)と急拡大した。市場環境を踏まえた広告宣伝費の最適化と価格改定効果が重なり、売上原価・販売費の伸びを売上高の伸びが大幅に上回る構造が定着しつつある。
2026年3月期末時点で有利子負債残高はゼロであり、現金及び現金同等物は13,891百万円を保有する。営業キャッシュ・フローは13,391百万円と前期(9,006百万円)から大幅増加しており、自己資金による成長投資・株主還元・M&Aを機動的に実行できる財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高60,286百万円(前期比23.3%増)、営業利益17,345百万円(前期比70.2%増)、当期純利益13,293百万円(前期比66.1%増)と中期経営目標(純利益100億円以上・純資産200億円以上)を達成。営業利益率は20.8%(前期)から28.8%へ大幅改善。
外部要因として企業のデジタル化・業務効率化需要が継続的に追い風となった。自社要因として広告宣伝費の最適化と価格改定効果が利益率改善を牽引。
2027年3月期はIT人材事業除外で売上高は微減予想だが、事業譲渡益16,685百万円計上により純利益は大幅増益を計画。
成長戦略
クラウド専業化でRule of 50達成を目指し、成長性と高収益を両立するクオリティグロースを追求
2026年4月にIT人材事業(ラクスパートナーズ)を全株式譲渡し、クラウド専業体制へ移行。次期中期経営計画ではクラウド事業売上高のCAGR15%以上を目標とし、正社員1名当たり売上高3,000万円以上(2029年3月期)を掲げる。
売上成長率と営業利益率の合計が50%を超えるRule of 50を2028年3月期以降に達成することを目標とする。2026年3月期実績は既に52.1%(成長率23.3%+利益率28.8%)に達しており、クラウド専業化後の維持・向上が課題。
生成AIへの企業関心の急速な高まりを新たな提供価値・市場機会の創出要因と捉え、楽楽シリーズへのAI連携拡張と運用自動化の実装を加速。顧客の業務効率化ニーズに応える付加価値向上を図る。
2026年3月期は1株当たり配当7.00円(配当性向19.0%)、自己株式取得6,999百万円(全株消却)で総還元性向71.3%を実施。次期以降は総還元性向20%以上を方針とし、2027年3月期配当は8.00円(前期比1.00円増)を予定。年度内に追加還元施策を機動的に開示する方針。
最終更新: 2026年7月19日

