事業内容
株式会社PR TIMESは2007年にプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を開始し、現在は国内最大級のプレスリリース配信プラットフォームとして108,605社(2025年2月期末)が利用する情報インフラへと成長した。主要顧客は国内上場企業(利用率61.5%)から中小・スタートアップ企業まで幅広く、産経ニュース・朝日新聞デジタル・TBS NEWS DIGなど261媒体のパートナーメディアへの転載機能を通じて企業の情報発信を支援する。
プレスリリース配信に加え、タスク管理ツール「Jooto」・カスタマーサポートツール「Tayori」のSaaS事業、SNSマーケティング支援(NAVICUS)、システム開発(グルコース)、スタートアップメディア「BRIDGE」等を展開し、「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」をミッションに掲げる。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
主収益源は「PR TIMES」の利用料金で、従量課金(30,000円/回)と定額プラン(70,000〜80,000円/月)の二本立て。利用企業数とプレスリリース件数の増加が収益に直結するストック性の高い構造を持つ。
パートナーメディア(261媒体)への転載によりプレスリリースの到達価値を高め、新規顧客獲得と既存顧客の継続利用を促進する好循環を形成。付随収益としてPRパートナーサービス・クリッピング・SaaS(Jooto・Tayori)・広告収入等も積み上げる。
企業の強み
2025年2月期まで創業来18期連続増収を達成。売上高は2022期4,855百万円から2025期8,003百万円へ4年間で約1.6倍に拡大。利用企業数も2021年2月期末50,633社から2025年2月期末108,605社へ倍増しており、プラットフォームとしての成長持続性が数値で裏付けられている。
2025年2月期末時点で国内上場企業の61.5%が「PR TIMES」を利用。配信先媒体数10,892媒体・メディアユーザー27,521名・パートナーメディア261媒体という広大なメディアネットワークが、利用企業にとっての情報到達価値を高め、新規参入障壁として機能している。
2025年2月期末の総資産8,241百万円に対し純資産6,904百万円(自己資本比率約83.8%)、現金及び預金5,605百万円を保有。有利子負債はゼロで当座貸越契約(極度額600百万円)も未使用。内部資金のみで成長投資を賄える財務健全性を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期4,855百万円から2026期9,546百万円へ5年間で約2倍に拡大し、2027年2月期第1四半期も2,527百万円(前年同期比9.7%増)と増収基調を継続。ただし利益面では、2026期に広告費抑制で営業利益3,623百万円(前期比93.0%増)と急拡大した反動が出始めており、第1四半期の営業利益は880百万円(前年同期比0.4%減)と微減。
通期予想も営業利益3,250百万円(前期比10.3%減)と減益見通し。EBITDAは994百万円(前年同期比4.7%増)と増加しており、減価償却費の増加(前年同期38百万円→84百万円)が営業利益を圧迫している側面もある。
財政状態は総資産11,000百万円・自己資本比率85.4%と健全性を維持。
成長戦略
PR TIMES国内深耕・SaaS拡大・海外展開の三軸で「Milestone 2030」を追求
2026年5月末時点で利用企業数129,233社(前年同期比14.6%増)、国内上場企業浸透率65.8%を達成。プレスリリース月間件数は2025年10月に過去最高46,645件を記録。引き続き未開拓の中小企業・スタートアップ層への訴求と上場企業の利用深化を推進し、プラットフォームの規模拡大を図る。
Tayoriは有料利用数1,618アカウント(前年同期比10.4%増)・平均単価10,169円(前年同期比20.1%増)と好調に拡大。Jootoは2026年7月の新プラン提供開始に伴う移行期の影響で一時的に利用数・単価が低下しているが、新プラン移行完了後の回復を目指す。
SaaS収益の拡大によりプレスリリース配信事業への依存度低減を図る。
「PR TIMES」及び「PR TIMES」関連サービスの売上高は第1四半期で2,162百万円(前年同期比10.9%増)と堅調に拡大。プレスリリース配信に付随する動画・画像配信、ストーリー機能等の関連サービスを拡充し、1社あたりの利用単価向上とARPU改善を推進する。
中期経営目標「Milestone 2030」において欧米圏への海外展開を掲げているが、2027年2月期第1四半期時点では具体的な進捗は開示されていない。国内事業基盤の強化を優先しつつ、海外展開の準備を進める段階にある。
子会社株式の追加取得に伴い第1四半期に資本剰余金が173百万円減少しており、NAVICUSの完全子会社化に向けた取り組みが進行中とみられる。意思決定の迅速化とグループ内シナジー(SNSマーケティング×PR)の最大化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

