事業内容
PCIホールディングス株式会社は純粋持株会社として、連結子会社6社(うち孫会社3社)を通じて情報サービス事業を展開する。主要事業は、自動車・産業機器向け組込みソフトウェア開発および官公庁・金融向け業務システム開発を担う「エンジニアリング事業」、組込みPCや半導体設計・テストを手掛ける「プロダクト/デバイス事業」、AI・クラウド・IoTを活用したソリューション提供を行う「ICTソリューション事業」の3セグメントで構成される。
主要顧客にはキヤノン(旧キヤノンメディカルシステムズ)をはじめとする自動車・医療機器・半導体・官公庁等が含まれ、2024年8月に株式会社レスターの連結子会社となった。
ビジネスモデル
エンジニアリング事業では顧客からの受託開発・SES(システムエンジニアリングサービス)により人月型収益を得る。プロダクト/デバイス事業では組込みPCや半導体テスト受託による製品・サービス販売収益が主体。
ICTソリューション事業ではAI・クラウドを活用した自社ソリューションのシステム構築・保守・ライセンス提供により高付加価値収益を獲得する。3事業合計の売上高は26,835百万円(2026年3月期)で、ICTソリューション事業の利益率が15.3%と最も高い。
企業の強み
ISO26262(機能安全規格)やAUTOSAR準拠の車載AD/ADASソフトウェア開発、組込みPCの設計・製造・保守、半導体設計・テストにわたる豊富な実績を有する。2026年3月期においてもSDV化進展に伴う車載関連案件が堅調に推移し、エンジニアリング事業売上高14,953百万円の主要ドライバーとなった。
キヤノン(旧キヤノンメディカルシステムズ)への販売実績は2026年3月期に2,611百万円(総売上の9.7%)に達する。自動車関連業界や半導体業界をはじめとした長期的な顧客リレーションを保有し、プラットフォーマー・パッケージベンダー・エレクトロニクス商社等との幅広いパートナーネットワークも構築している。
2026年3月末時点で現金及び現金同等物4,594百万円に対し有利子負債は317百万円と実質無借金状態。自己資本比率は60.8%(前期末56.5%から改善)、インタレスト・カバレッジ・レシオは343.1倍に達する。
営業CFを主要資金源とする自己資金経営を維持しており、M&A等の機動的な投資余力を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高の推移は2021期21,249百万円→2022期25,170百万円→2023期28,491百万円とピークを迎えた後、2024期25,085百万円に落ち込み、2026期(初の通期3月決算)は26,835百万円と回復。営業利益は2023期1,710百万円のピークから2024期1,055百万円へ急落後、2026期1,558百万円まで回復した。
外部環境としてDX・AI投資需要の堅調継続が追い風となる一方、急激な為替変動・部材価格高騰がプロダクト/デバイス事業の原価を押し上げ、半導体テスト分野の工数超過が収益性を圧迫した。自己資本比率は60.8%に改善し、財務健全性は一段と向上している。
成長戦略
PCI-VISION2027でAI・SDV・クラウドに集中投資し高収益体質へシフト
中期経営計画「PCI-VISION2027」の基本コンセプトの一つ。高付加価値ソリューションへの経営資源集中とコストマネジメントの徹底により、2026年3月期の営業利益率は5.8%に改善。2027年3月期は売上微減でも営業利益+16.0%を目指す計画で、収益構造の転換が進行中。
ISO26262・AUTOSAR準拠の車載AD/ADASソフトウェア開発案件の需要拡大を取り込み、エンジニアリング事業の収益基盤を強化。2026年3月期は自動車関連が堅調に推移し、生成AIツールの開発工程活用による生産性向上も推進。市場環境としてSDV化の加速が継続的な追い風となる見込み。
AI活用自社ソリューション、AWS等クラウドプラットフォーム、ノーコード開発プラットフォームを活用したシステム構築案件を拡大。花き市場・水産市場向けソリューションなど独自顧客基盤の深耕も継続。
2026年3月期セグメント利益率15.3%と高収益を維持しており、成長ドライバー事業として経営資源を積極投入。
2024年12月の決算期変更(3月決算への移行)によりレスターとの経営サイクル同期化が完了。レスターグループの広範なデバイス供給網・グローバル顧客基盤を活用した協業案件の拡大を推進。プリバテックへのRST経営リソース直接投入による事業基盤再構築も含め、グループ全体での企業価値向上を目指す。
IT人材不足が常態化する中、先端IT人材の確保とリスキリングによる技術力向上を経営課題として位置付け。中期経営計画において「人的資本投資の強化・人的資本経営の再構築」を5つの基本戦略の一つとして掲げ、専門人材の育成・確保に重点投資を継続。
最終更新: 2026年7月19日

