事業内容
シリコンスタジオ株式会社は1999年設立のリアルタイムグラフィックス専門企業。YEBIS・Enlighten等の自社ミドルウェア開発・販売、ゲームエンジンを活用した受託開発・デジタルツイン構築支援、オンラインソリューションを提供する「開発推進・支援事業」と、ゲーム・映像・CG業界特化の人材紹介・派遣サービスを提供する「人材事業」の2セグメントで構成される。
主要顧客は任天堂株式会社(売上高の17.1%)をはじめとするゲームメーカーに加え、自動車・土木建築・製造業等の産業界へ事業領域を拡大中。2025年12月には東証グロース市場からスタンダード市場へ移行した。
ビジネスモデル
開発推進・支援事業(売上高2,661百万円)では、ミドルウェアのライセンス販売・カスタマイズ、ゲームエンジン活用の受託開発、24時間365日体制のオンラインソリューションをワンストップで提供し対価を得る。人材事業(売上高1,641百万円)では、約30,000名の登録者データベースを活用した人材紹介手数料と派遣料金が収益源。
売上高営業利益率を重要経営指標とし、収益性重視の効率経営を基本方針とする。
企業の強み
YEBIS(ポストエフェクト)・Enlighten(グローバルイルミネーション)・Bone Dynamicsなど、ユーログラフィックス・情報処理学会等で論文発表するプログラマー集団が開発した自社ミドルウェアを複数保有。2025年8月にはYEBISの全面刷新新バージョンをリリースし、継続的な製品強化を実現している。
2003年の人材派遣開始以来、ゲーム・CG・映像・WEB制作業界に特化した人材データベースを構築。2025年11月末時点で登録者数約30,000名を擁し、2025年11月期の有料職業紹介成約実績数は277名(前年同期比4.1%増)。
業界専門知識を持つRAとCAによる高精度マッチングが競合優位性を形成している。
エンタメ業界で培ったリアルタイム3DCG・ゲームエンジン技術を自動車・土木建築・製造・航空・宇宙・防衛・医療等の産業分野へ転用。2025年11月期は大型ゲーム環境開発プロジェクト終了後も産業系案件が堅調に推移し、開発推進・支援事業のセグメント利益369百万円を確保した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は3,986百万円(2021期)→4,554百万円(2023期)→4,303百万円(2025期)と横ばい圏で推移し、営業利益は2021期の赤字から2022期に381百万円へ回復後、2024・2025期は140〜150百万円台で低位安定していた。しかし2026年11月期中間期(2025年12月〜2026年5月)は売上高1,909百万円(前年同期比13.8%減)、営業損失185百万円、中間純損失220百万円と急激に悪化。
3DCG映像制作案件の受注損失引当金計上(75百万円)、大型主要案件終了後の穴埋め未達、オンラインソリューションの大手顧客サービス終了が重なった。通期業績予想は売上高4,231百万円(前期比1.7%減)、営業損失200百万円、当期純損失228百万円(1株当たり△83.33円)と赤字転落を見込む。
現金及び現金同等物は中間期末1,177百万円と前期末比407百万円減少しており、財務的な余裕も縮小している。
成長戦略
非エンタメ産業への技術転用拡大とフィジカルAI新事業始動による収益多様化
ゲームエンジンを活用した仮想空間シミュレーション環境構築の知見を活かし、フィジカルAIシミュレーション基盤事業を新たに本格始動。自動車・土木建築・製造業等の産業界からの引き合い増加を背景に、新規収益源の確立を目指す。
ウェブサイトの充実・データ分析に基づく施策・インサイドセールス体制の拡充により、エンタメ業界以外の産業界顧客の獲得を推進。航空・宇宙・防衛・医療・警備等の新規産業分野への開拓も視野に入れる。
ゲーム企業の採用意欲減退を受け、配信系エンターテインメント業界など隣接領域への顧客開拓を推進。クライアント企業・求職者双方の満足度向上に向けたサービス品質改善にも取り組む。中間期のセグメント利益率17.5%を維持しつつ、売上規模の回復を目指す。
昨年度受注の3DCG映像制作案件について、下半期に売上を一括計上する予定。受注損失引当金75百万円を既に計上済みであり、案件完遂による損失リスクの収束と下半期業績への貢献が通期黒字化の前提条件となる。
最終更新: 2026年7月17日

