事業内容
メディカル・データ・ビジョン株式会社は、医療機関向け経営支援システムの提供を通じて医療・健康データを収集・蓄積し、そのデータを製薬企業や研究機関向けに提供する医療データネットワーク事業を単一セグメントで展開する。主要サービスは、病院経営支援システム(MDV Act・EVE・Medical Code)を中心とするデータネットワークサービス、製薬企業向けデータ分析ツール(MDV analyzer)・アドホック調査を中心とするデータ利活用サービス、医療動画配信等のその他サービスの3区分で構成される。
主要顧客は急性期病院、製薬企業、研究機関であり、PHRシステム「カルテコ」を通じた患者・生活者向けサービスも展開している。2025年12月期の売上高は6,539百万円。
ビジネスモデル
医療機関に経営支援システム(MDV Act等)を提供することでDPCデータ等の医療情報を収集・蓄積し、5,500万人超の大規模診療データベース「さくらDB」を構築する。このデータベースを活用し、製薬企業・研究機関向けにMDV analyzerやアドホック調査サービスを提供することで収益を得る。
データ収集基盤の拡大がデータ利活用サービスの価値向上に直結する循環型モデルであり、2025年12月期のデータ利活用サービス売上高は4,622百万円と全体の約71%を占める。
企業の強み
急性期病院を中心に全国から収集したDPCデータを核とする「さくらDB」は5,500万人超の診療データを保有し、日本最大級の規模を誇る。加えてDeNA・日本システム技術とのアライアンスで構築した保険者データベースも2,500万人超に達しており、データの規模・多様性において競合が短期間で模倣困難な差別化優位性を形成している。
DPC分析ベンチマークシステム「EVE」は2025年12月末時点で579病院に導入されており、全国の急性期病院との強固な信頼関係に基づくネットワークを構築している。このネットワークがデータ提出病院の確保とデータ収集基盤の維持に直結しており、新規参入者が短期間で構築困難な参入障壁となっている。
当社グループは銀行借入に依存しない経営を継続しており、設備投資・運転資金ともに内部資金で賄っている。2025年12月期末の純資産残高は3,111百万円、現金及び現金同等物残高は1,713百万円であり、財務の安全性を維持しながら配当(連結配当性向20%以上を目途)を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期5,672百万円から2023期6,419百万円まで成長したが、2024期は5,907百万円に落ち込み、2025期は6,539百万円と過去最高を更新した。営業利益は2021〜2023期に1,594〜1,771百万円と高水準を維持していたが、2024期に4百万円へ急落し、2025期は349百万円に回復した。
2024期の悪化要因は広告宣伝費・研究開発費等の先行投資拡大と営業外損失の拡大であり、2025期は販管費削減(前期比2.9%減)と売上増収の組み合わせで改善した。ただし売上高経常利益率は5.5%にとどまり、2023期の26.5%からの回復途上にある。
成長戦略
さくらDB拡充・データ一元化・新規事業推進とM&Aアライアンスによる医療データ市場でのシェア拡大
MDV ActのDPC病院以外へのターゲット拡大により顧客基盤・データ獲得基盤を強化。急性期病院以外の医療機関や様々な機関との連携により情報ソースを多様化し、5,500万人超のデータベースのさらなる規模拡大とリアルタイム性向上を目指す。
急性期病院の診療データに加え、健康診断データ、診療所データ、院外薬局データ、介護データ、画像・バイタルデータ等を連携・蓄積し、高セキュリティ環境下での統合的なデータベース運用環境を整備する。
クラウド型健診システム「アルファ・サルース」の導入設置体制を再構築し、2025年12月期第4四半期より売上計上を開始。健診施設への展開を通じて健診データの収集基盤を構築し、データネットワークサービスの収益基盤強化を図る。
営業人員の増強・戦力化により、製薬企業・研究機関向けのMDV analyzerおよびアドホック調査サービスの売上をオーガニックに拡大。2025年12月期にデータ利活用サービス売上高が過去最高額を達成した。
データベース拡充・データ一元化・新規事業推進をドラスティックに進めるため、M&A・アライアンス戦略の立案・実行を積極的に推進するとともに、AIをはじめとした最新情報処理技術の活用を進める。SBIホールディングスや株式会社センシングとの連携等が既存の取り組みとして存在する。
最終更新: 2026年7月17日

