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ハビックス株式会社

3895東証スタンダードパルプ・紙

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ハビックス株式会社3895

事業内容

ハビックス株式会社は、パルプ不織布(エアレイド製法)・化合繊不織布(サーマルボンド製法)・衛生用紙の3素材を製造し、紙おむつ・ペットシーツ・クッキングペーパー・おしぼり等の中間素材として衛生材料メーカーや外食産業向けに販売する専業メーカーである。1950年創業、2005年上場。

岐阜県を拠点に伊自良・本巣・海津の複数工場を有し、不織布関連事業と紙関連事業の2セグメントで構成される。主要顧客はユニ・チャームプロダクツ株式会社(売上高の22.8%)をはじめとする衛生材料メーカーであり、医療・介護向け自社ブランド「Kireine」の展開により素材メーカーから衛生用品メーカーへの転換を進めている。

ビジネスモデル

売上高12,110百万円のうち不織布関連事業が6,773百万円(セグメント利益率15.7%)、紙関連事業が5,337百万円(同9.6%)を占める。主力は衛生材料メーカーへの中間素材供給であり、受注生産型の安定的な取引構造を持つ。

加えて、医療・介護向け自社ブランド「Kireine」の拡販とユニ・チャームプロダクツとのOEM製造委託により、素材販売より高付加価値な加工事業収益の獲得を目指している。設備投資資金は金融機関からの長期借入を基本とし、運転資金は自己資金で賄う財務方針を採る。

企業の強み

パルプ不織布・化合繊不織布・衛生用紙の3素材を自社製造できる体制を有し、紙おむつ・ペットシーツ・クッキングペーパー等の多様な用途に対応可能。伊自良・本巣・海津の複数工場で各素材を専門生産しており、顧客の多様なニーズに対応できる製品ラインアップが競争優位の基盤となっている。

ユニ・チャームプロダクツ株式会社への販売額は2,762百万円(売上高比22.8%)に達し、主要顧客との安定的な取引関係を構築している。さらに2026年2月に同社とペットケア商品の製造委託基本契約(契約期間2026年1月〜2028年12月)を締結し、2027年4月開始予定の新規OEM事業として収益源の多様化を図っている。

2026年3月期末の自己資本比率は56.0%、現金及び現金同等物は2,495百万円を確保。新工場建設(岐阜工場)向けに2,000百万円の長期借入(弁済期限2042年12月)を実施しつつも、営業キャッシュフロー2,498百万円を創出しており、投資と財務の両面で安定した資金基盤を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高は12,110百万円(前期比9.0%減)、営業利益は428百万円(同40.2%減)と大幅に悪化。外部要因として中国製安価品への代替加速・少子化によるベビー用紙おむつ市場縮小が重なっており、価格改定に伴う受注減少も継続している。

単なる一時的な調整ではなく、構造的な市場シェア喪失が進行している可能性があり、回復シナリオの蓋然性を慎重に評価する必要がある。

会社は中東情勢を背景とした原燃料価格高騰を理由に2027年3月期の業績予想を未定とした。外部要因としてホルムズ海峡封鎖リスクに伴うエネルギーコスト上昇が生産コストに直撃する構造であり、投資家にとって業績の定量的な見通しが立てられない状況が続く。

予想開示の遅延自体が不確実性の高さを示すシグナルとして受け止められるリスクがある。

当期に有形固定資産取得2,199百万円の大型投資を実施し、土地1,063百万円・建設仮勘定901百万円が増加。長期借入金も2,000百万円を新規調達し、固定負債は前期比1,629百万円増の2,760百万円に膨らんだ。

ユニ・チャームプロダクツとの製造委託(2027年4月開始予定)がこの投資の主要な回収源と推察されるが、業績予想未定の中で投資回収の確実性・時期を独立して検証することが重要。

成長戦略

製造委託受託・環境対応設備・自社ブランド強化で素材メーカーからの脱却を図る

2027年4月開始予定の製造委託契約により、既存製造設備を活用した安定的な受託収益を確保。当期の大型設備投資(有形固定資産取得2,199百万円)はこの事業立ち上げに向けた先行投資と推察される。稼働率向上による固定費吸収と新規収益源の獲得が期待される。

高齢化進展に伴う介護人口増加・在宅利用拡大という市場環境を追い風に、医療・介護向け衛生用品ブランド「Kireine」の商品ラインアップ拡充と販路拡大を推進。素材販売から最終製品販売への転換により付加価値向上と利益率改善を目指す。

「長期経営ビジョン2030」に基づき、脱炭素化に資する設備導入・グリーンエネルギー活用・再生可能エネルギーへの転換を推進。環境対応は規制リスクへの備えとともに、ESG投資家への訴求力強化にも寄与する。当期の大型設備投資の一部がこれに充当されているとみられる。

価格改定に伴う受注減少・安価代替品への切り替えが続く中、生産効率の一層の改善と良質で安価な原材料調達により収益確保を図る。2026年3月期の売上原価率は80.8%(前期80.6%)と横ばいで推移しており、コスト削減効果の顕在化が今後の課題。

最終更新: 2026年7月19日