事業内容
株式会社岡山製紙は1907年創業、岡山本社工場を唯一の生産拠点として中芯原紙・紙管原紙を主体とした板紙と美粧段ボールの製造販売を行う。板紙事業が売上高の約88%を占める中核事業であり、段ボール製造用原紙および紙管原紙を中国地方を中心に供給する。
美粧段ボール事業では青果物・食品・家電製品等の包装箱・贈答箱を受注生産する。王子ホールディングス株式会社がその他の関係会社として筆頭株主に位置し、同社グループの販売会社を通じた製品販売も行っている。
東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
板紙事業では古紙を主原料とした中芯原紙・紙管原紙を24時間体制で見込生産し、王子ホールディングス系販売会社を含む取引先へ安定供給することで収益を確保する。美粧段ボール事業では製紙工場と加工工場を同一拠点に併設した一貫生産体制により、品質・納期管理の優位性とトータルコスト競争力を発揮しながら受注生産で付加価値を提供する。
全資金需要を自己資金で賄う無借金経営を維持している。
企業の強み
1907年創業で117年の業歴を持ち、2009年以降は王子ホールディングス株式会社が筆頭株主・その他の関係会社として資本関係を構築。同社グループの森紙販売・佐賀板紙・王子コンテナーとの販売取引により安定した販路を確保している。
岡山本社に製紙工場と加工工場を併設した一貫生産体制を構築。品質・納期管理を組織的に実施できるほか、蓄積された技術・ノウハウを活かしたトータルコスト面での優位性を発揮する。2025年5月期の設備投資額は650百万円(前期比86%増)と積極的な生産設備更新を継続している。
2025年5月期末の純資産は12,944百万円、総資産16,593百万円に対する自己資本比率は約78%。全資金需要を自己資金で賄う無借金経営を維持しており、現金及び現金同等物残高は4,466百万円を確保。財務的な安定性は高い水準にある。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年5月期の11,512百万円をピークに2期連続で減収(2026年5月期11,221百万円、前期比△2.6%)。板紙の販売数量が前期比1.0%減少し、国内板紙需要の低迷が響いた。
営業利益は2024年5月期の1,682百万円から2026年5月期940百万円へ2期で44%減少した。一方、当期純利益は821百万円(前期比+2.9%増)と小幅増益となったが、これは投資有価証券売却益34百万円の計上と法人税等調整額の逆転(△60百万円)によるもので、本業の回復を示すものではない。
外部要因として古紙価格は安定推移したが、燃料・電力コストの高止まりと人件費上昇が利益率を構造的に圧迫している。営業CFは前期の△1,569百万円から1,661百万円へ大幅回復し、キャッシュ創出力は正常化した。
成長戦略
省エネ・設備更新によるコスト低減と美粧段ボールの価格改定・デジタル拡販で収益基盤を強化
有形固定資産取得支出779百万円(2026年5月期)を実施し、機械及び装置の純額が1,556百万円から1,881百万円へ増加。省エネ・自動制御装置の導入により電力料・燃料費の削減を継続し、製造コスト低減を図る。
青果物向けをはじめ幅広い製品で価格改定を浸透させ、2026年5月期にセグメント損失44百万円から損益均衡(0百万円)へ改善。6色インクジェットプリンターを活用したデジタル印刷製品の拡販と販売先多様化(電化製品・医薬品・飲料等)により本格的な利益貢献を目指す。
国内板紙需要が力強さに欠ける環境下で、輸出販売の活用により販売数量の下支えを図るとともに、適正価格の維持と新規取引先の開拓を推進。2026年5月期第2四半期以降に輸出比率が上昇し、販売構成の柔軟な調整を実施した。
働き手の減少・人材確保難を背景に人的資本への投資を継続。従業員給料及び賞与は336百万円(前期比+3.3%)と増加しており、環境負荷低減への取組とあわせてサステナブルな企業経営の実現を中長期的な経営方針として掲げている。
最終更新: 2026年7月17日

