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株式会社 岡山製紙

3892東証スタンダードパルプ・紙

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株式会社 岡山製紙3892

事業内容

株式会社岡山製紙は1907年創業、岡山本社工場を唯一の生産拠点として中芯原紙・紙管原紙を主体とした板紙と美粧段ボールの製造販売を行う。板紙事業が売上高の約88%を占める中核事業であり、段ボール製造用原紙および紙管原紙を中国地方を中心に供給する。

美粧段ボール事業では青果物・食品・家電製品等の包装箱・贈答箱を受注生産する。王子ホールディングス株式会社がその他の関係会社として筆頭株主に位置し、同社グループの販売会社を通じた製品販売も行っている。

東京証券取引所スタンダード市場に上場。

ビジネスモデル

板紙事業では古紙を主原料とした中芯原紙・紙管原紙を24時間体制で見込生産し、王子ホールディングス系販売会社を含む取引先へ安定供給することで収益を確保する。美粧段ボール事業では製紙工場と加工工場を同一拠点に併設した一貫生産体制により、品質・納期管理の優位性とトータルコスト競争力を発揮しながら受注生産で付加価値を提供する。

全資金需要を自己資金で賄う無借金経営を維持している。

企業の強み

1907年創業で117年の業歴を持ち、2009年以降は王子ホールディングス株式会社が筆頭株主・その他の関係会社として資本関係を構築。同社グループの森紙販売・佐賀板紙・王子コンテナーとの販売取引により安定した販路を確保している。

岡山本社に製紙工場と加工工場を併設した一貫生産体制を構築。品質・納期管理を組織的に実施できるほか、蓄積された技術・ノウハウを活かしたトータルコスト面での優位性を発揮する。2025年5月期の設備投資額は650百万円(前期比86%増)と積極的な生産設備更新を継続している。

2025年5月期末の純資産は12,944百万円、総資産16,593百万円に対する自己資本比率は約78%。全資金需要を自己資金で賄う無借金経営を維持しており、現金及び現金同等物残高は4,466百万円を確保。財務的な安定性は高い水準にある。

エンヴァリスの着眼点

2026年5月期の営業利益率は8.4%(前期9.0%)と低下が続いており、2024年5月期の14.6%からの下落トレンドが継続している。古紙価格は安定推移したものの、労務費(従業員給料及び賞与336百万円、前期比+3.3%)や設備維持管理費用の増加が利益を圧迫した。

人手不足を背景とした人件費上昇は構造的要因であり、省エネ・自動化投資による吸収が中期的な収益防衛の鍵となる。

美粧段ボール事業は2026年5月期にセグメント利益0百万円(前期はセグメント損失44百万円)と赤字を解消した。売上高は1,398百万円(前期比+4.8%)と成長しており、価格改定の浸透が奏功した。

ただし利益貢献はゼロ水準にとどまっており、デジタル印刷製品の拡販や販売先多様化による本格的な黒字化・利益貢献が実現するかが今後の評価ポイントとなる。

2027年5月期の業績予想は売上高11,700百万円(前期比+4.3%)、営業利益750百万円(前期比△20.3%)、当期純利益630百万円(前期比△23.3%)と大幅な減益を見込む。外部要因として中東情勢による燃料・資材価格の高騰リスク、米国通商政策による景気不透明感が継続しており、国内板紙需要の回復力も不透明である。

売上増収を見込む一方で利益が大幅減少する予想構造は、コスト増加圧力の強さを示しており、予想の達成可否を慎重に見極める必要がある。

成長戦略

省エネ・設備更新によるコスト低減と美粧段ボールの価格改定・デジタル拡販で収益基盤を強化

有形固定資産取得支出779百万円(2026年5月期)を実施し、機械及び装置の純額が1,556百万円から1,881百万円へ増加。省エネ・自動制御装置の導入により電力料・燃料費の削減を継続し、製造コスト低減を図る。

青果物向けをはじめ幅広い製品で価格改定を浸透させ、2026年5月期にセグメント損失44百万円から損益均衡(0百万円)へ改善。6色インクジェットプリンターを活用したデジタル印刷製品の拡販と販売先多様化(電化製品・医薬品・飲料等)により本格的な利益貢献を目指す。

国内板紙需要が力強さに欠ける環境下で、輸出販売の活用により販売数量の下支えを図るとともに、適正価格の維持と新規取引先の開拓を推進。2026年5月期第2四半期以降に輸出比率が上昇し、販売構成の柔軟な調整を実施した。

働き手の減少・人材確保難を背景に人的資本への投資を継続。従業員給料及び賞与は336百万円(前期比+3.3%)と増加しており、環境負荷低減への取組とあわせてサステナブルな企業経営の実現を中長期的な経営方針として掲げている。

最終更新: 2026年7月17日