フラー株式会社
387A・東証グロース・情報通信業
フラー株式会社
387A・東証グロース・情報通信業
事業内容
フラー株式会社は、国内大手企業を主要顧客として、事業開発コンサルティング・UI/UXデザイン・システム開発・データ分析を一気通貫で提供する「デジタルパートナー事業」を単一セグメントで営む。売上高の88.0%が上場企業またはグループ売上高1,000億円以上の大手企業向けであり、96.6%が直接取引。
エンジニア・デザイナー・データサイエンティスト・ディレクターからなるクリエイティブ人材(社員の約8割)が「ワンチーム」で顧客に伴走する。独自のアプリ分析サービス「App Ape」も保有し、2025年7月に東京証券取引所グロース市場へ上場した。
ビジネスモデル
売上高の約94.5%をクライアントワーク(スマートフォンアプリ開発等の業務受託)が占め、残約5.5%をアプリ分析サービス「App Ape」が構成する。クライアントワークは顧客ごとに専任チームを編成し、企画から開発・運用まで内部リソースを中心に一気通貫で提供する長期継続型の受託モデル。
直接取引比率96.6%により高い収益性を維持しつつ、顧客との共同事例PRがブランディングと新規受注獲得に直結する好循環を形成している。
企業の強み
2025年6月期の売上高のうち88.0%が上場企業またはグループ売上高1,000億円以上の大手企業向けであり、96.6%がエンドユーザーとの直接取引。住友商事(売上高比16.1%)など大口顧客との直接関係を構築しており、中間マージンを排除した高収益構造と顧客との深い協業関係を実現している。
事業開発コンサルティング・UI/UXデザイン・iOS/Androidアプリ開発・Webフロントエンド・サーバーサイド・クラウドインフラ運用・事業グロース支援を主に内部リソースで一気通貫提供。複数ベンダー起用時に生じる進捗遅延・コスト増・品質低下を回避できる点が他のシステム開発会社やデザイン会社との明確な差別化要素となっている。
創業以来運営するアプリ分析サービス「App Ape」により、スマートフォンアプリ市場のMAU・利用時間等の利用動向データを蓄積。このデータ・ノウハウを新規提案活動や事業企画・開発に広く活用しており、同業他社との差別化に貢献。
2025年6月期の研究開発費8,734千円をApp Apeのシステム開発に充当し継続強化している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2025年6月期は売上高2,009百万円・営業利益190百万円・当期利益197百万円と黒字転換を達成した。しかし2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)では売上高1,428百万円(前年同期比0.5%減)と横ばいにとどまる一方、クリエイティブ人材の積極採用・AI活用ツール費増加により売上原価が拡大し売上総利益率が42.5%→34.9%へ低下。
上場関連費用・営業人件費増加等で販管費も増加し、営業利益は41百万円(前年同期比77.6%減)に急落した。経常利益は補助金収入57百万円(一過性)で88百万円を確保したが、実力ベースの収益力は大幅に低下している。
通期予想は売上高2,056百万円・営業利益55百万円・当期純利益113百万円で変更なし。財政状態は自己資本比率66.6%(前期末53.9%)と改善し、財務健全性は維持されている。
成長戦略
人材採用拡大・稼働率回復・新規案件積み上げによる売上拡大と収益率改善
エンジニア・デザイナー等クリエイティブ人材の採用を継続的に強化し、受注キャパシティを拡大する。採用費・労務費の先行投資が現時点では収益を圧迫しているが、稼働率向上により中長期的な売上拡大につなげる方針。
上期に大型案件一段落で低下した稼働率について、第3四半期時点で複数の新規開発案件に着手し回復傾向にある。下期以降の売上反映が通期予想達成の鍵となる。
株式会社ヤプリ・電通グループ各社との営業連携により、自社営業力を補完する販売ルートを確保。大手企業顧客へのアクセス強化と案件獲得の安定化を図る。
新潟拠点を活用した地方クリエイティブ人材の採用により、首都圏に比べ採用競争が緩やかな環境での人材確保を推進。新潟県からの立地促進給付金(一過性)も活用済み。
AI活用推進のためのツール費用を積極投資し、開発プロセスへの生成AI導入を推進。現時点ではコスト増要因となっているが、中長期的な生産性向上・競争力強化を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

