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株式会社巴川コーポレーション

3878東証スタンダード化学

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株式会社巴川コーポレーション3878

事業内容

株式会社巴川コーポレーション(旧・巴川製紙所)は1914年創業の静岡発の素材メーカーで、複合機・プリンター用トナー、車載用光学フィルム・半導体実装用テープ、機能性不織布・特殊紙、セキュリティメディア(ICカード・有価証券印刷)の4事業を中核に、連結子会社14社を含むグループで事業を展開する。主要顧客は事務機器メーカー、ICメーカー、鉄道・バス会社、金融機関等と幅広く、北米・欧州・中国・アジアに販売・製造拠点を持つグローバル体制を構築している。

2026年3月期の連結売上高は35,552百万円。

ビジネスモデル

トナー・光学フィルム・機能性不織布等の高機能素材を自社製造し、事務機器メーカー・半導体関連メーカー・交通機関等の産業顧客に直接販売する製造販売モデル。中国に製造拠点、欧米・アジアに販売拠点を配置したグローバル最適供給体制を持ち、全社的な価格転嫁推進と製品ミックス改善により収益性を維持・向上させる。

研究開発費は売上高比5.19%(1,845百万円)を投じ、新製品創出による成長を追求する。

企業の強み

複合機・プリンター用トナーの独立系メーカーとして、売上・開発力・品質・原材料購買力・供給安定性でNo.1と自社評価。中国2拠点(恵州・九江)の製造子会社と欧米・アジア4拠点の販売子会社による最適供給体制を構築しており、縮小市場においても競争優位を維持できる規模と体制を有する。

車載ディスプレイ用飛散防止フィルムで高いシェアを獲得しており、2026年3月期の半導体・ディスプレイ関連事業の売上高は7,182百万円(前期比10.0%増)、セグメント営業利益率は14.5%と高収益を維持。TOPPANとの業務提携(2027年3月まで)を通じた光学フィルム関連事業の強化も図っている。

少量多品種生産への対応が必要な機能性不織布は大手製紙会社の参入が少なく、競争環境に恵まれた事業と有報に記載。2026年3月期の機能性シート事業は売上高12,283百万円(前期比9.6%増)、セグメント営業利益は前期比887.0%増の582百万円と大幅増益を達成し、技術的参入障壁の高さを実績で示している。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期の会社予想は売上高38,000百万円(前期比6.9%増)に対し、営業利益1,000百万円(同比38.2%減)、経常利益1,000百万円(同比46.0%減)、親会社株主帰属純利益450百万円(同比52.4%減)と大幅減益を見込む。積極的な設備投資に伴う減価償却費増加、処遇改善・採用強化に伴う人件費増、外部要因として中東情勢に起因する原材料・エネルギー価格上昇が利益を圧迫する構図。

増収でも利益が大きく落ち込む点は投資家にとって注視すべき要素である。

新規開発事業のセグメント営業損失は2026年3月期に941百万円(前期820百万円の損失から拡大)。iCas・GREEN CHIP関連製品や半導体製造装置向け新製品、セルロースマイクロファイバー混合樹脂等の上市に向けた開発投資が継続しており、売上高は68百万円にとどまる。

第9次中計(最終年度2029年3月期)での飛躍を目指すとしているが、収益化の具体的な時間軸・規模感は開示されておらず、先行投資負担が全社利益を圧迫し続けるリスクがある。

2026年3月期末の有利子負債残高は15,281百万円(前期末比1,260百万円増)。積極的な設備投資(有形固定資産取得3,256百万円)を長期借入金(2,787百万円調達)で賄う財務構造が続いており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は4.6年(前期7.8年から改善)、インタレスト・カバレッジ・レシオは12.4倍(前期7.9倍から改善)と改善傾向にあるものの、時価ベースの自己資本比率は14.7%(前期15.7%)と低下しており、株式市場での評価と財務レバレッジの動向を引き続き注視する必要がある。

成長戦略

半導体・機能性不織布への資源集中と新規開発事業の早期収益化でポートフォリオを転換。

車載用光学フィルム新製品の継続投入と、フレキシブル面状ヒーターの本格的な売上拡大に向けた準備を推進。2026年3月期の設備投資は1,497百万円と前期比で大幅増加し、生産能力・競争力を強化。第9次中計でも成長の主軸と位置付けられている。

特殊抄紙技術を活かした機能性不織布関連製品の販売拡大が2026年3月期に結実し、セグメント利益が前期比887%増と大幅改善。2027年3月期以降は新たな機能性不織布関連製品の立ち上げを進め、黒字体質をさらに強化する方針。

モノクロトナー市況低迷(2026年3月期セグメント利益46.6%減)に対し、事業運営効率化を推進。回復の兆しが見られる市場でのシェア拡大とカラートナーの拡販によりプロダクトミックスを改善し、収益基盤を維持する。

半導体製造装置向け新製品やセルロースマイクロファイバー混合樹脂等の上市に向けた開発を継続。2026年3月期の売上高は68百万円にとどまり損失は941百万円と拡大。第9次中計(2027年3月期~2029年3月期)での収益貢献を目指す先行投資フェーズ。

2026年4月1日の新体制発足に合わせ策定。各事業における新製品投入・新市場開拓を柱とする成長戦略を推進するとともに、将来成長を見据えた設備投資を先行。最終年度2029年3月期に売上高40,000百万円・営業利益2,000百万円の達成を目標とする。

最終更新: 2026年7月19日