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北越コーポレーション株式会社

3865東証プライムパルプ・紙

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北越コーポレーション株式会社3865

事業内容

北越コーポレーションは1907年創業の総合製紙企業で、当社・子会社22社・関連会社6社で構成される。主力の紙パルプ事業(連結売上高の約90.8%)では、国内新潟・紀州・関東工場での洋紙・板紙・機能材製造に加え、カナダAlberta-Pacific Forest Industries Inc.による市販パルプ、フランスBernard Dumas S.A.S.による機能材を展開。

パッケージング・紙加工事業では液体容器・紙器等を製造し、その他に木材・建設・物流事業を擁する。主要顧客は新生紙パルプ商事(売上高比率12.2%)等の紙商社を通じた国内外の印刷・食品・電子部品メーカー等。

ビジネスモデル

自社パルプ(カナダ)から紙・板紙・機能材まで一貫生産し、国内販売と輸出(海外売上高比率34.4%)の両輪で収益を得る。洋紙・板紙は価格改定と品種シフトで採算を維持し、機能材(チップキャリアテープ原紙・RO膜支持体等)は高付加価値品として利益率を補完。

パッケージング事業は内製化投資で外注費を削減し収益性を改善。大王製紙との業務提携(2年目で30億円超の収益改善効果)がコスト構造を補強する。

企業の強み

新潟工場は国内最大規模の基幹工場として高効率操業を実現。洋紙・板紙・段ボール原紙を同一拠点で生産し、2020年に6号機を段ボール原紙抄紙機に改造するなど設備転換を機動的に実施。2026年3月期の設備投資総額は19,465百万円に上り、生産性向上と競争力強化を継続的に推進している。

Alberta-Pacific Forest Industries Inc.(カナダ)を完全子会社として保有し、市販パルプを自社生産。2026年3月期のパルプ生産高は1,454,880トン(前年比97.6%)。

原料の一部を内製化することで外部市況変動への依存を低減し、グループ内での原料融通を可能にする垂直統合型の事業構造を有する。

2025年のCDPスコアでフォレスト・水セキュリティ両分野で最高評価「A」、気候変動で「A-」を取得し、全分野で最上位のリーダーシップレベルを獲得。2050年CO2排出実質ゼロを目標に掲げ、モーダルシフト推進やCCS事業(紙パルプ業界唯一の参画)を進めており、環境対応が顧客・取引先からの支持獲得に寄与している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は7,539百万円(前期19,727百万円)と61.8%減少し、営業利益率は2.6%まで低下した。外部要因として世界的なパルプ市況の軟化と国内洋紙内需の構造的減退が重なったが、紙パルプ事業セグメント利益が18,251百万円から5,963百万円へ67.3%減少した事実は、主力事業の市況感応度の高さを改めて示している。

2027年3月期予想でも営業利益3,000百万円(前期比60.2%減)とさらなる悪化を見込んでおり、収益回復の道筋は不透明である。

当期は大王製紙株式の一部譲渡(ToSTNeT-3応募)により持分法適用範囲から除外し、関係会社株式が63,555百万円から3,583百万円へ急減。これに伴い利益剰余金が29,032百万円減少し、純資産は265,870百万円から252,747百万円へ13,122百万円減少した。

自己株式取得(10,986百万円支出)も重なり株主資本合計は229,228百万円から206,939百万円へ低下。財務基盤の安定性は維持されているものの、大王製紙との関係解消が中長期の戦略的オプションに与える影響を注視する必要がある。

2027年3月期の業績予想は売上高305,000百万円(前期比6.0%増)の一方、営業利益3,000百万円(前期比60.2%減)、経常利益4,000百万円(同64.5%減)、当期純利益5,000百万円(同31.5%減)と厳しい見通し。特に第2四半期累計では営業損失1,000百万円を見込む。

外部要因として中東情勢緊迫化による原燃料価格高騰、国内紙需要の減退継続が下押し要因。年間配当26円を維持する方針だが、配当性向は82.6%に達する見込みであり、利益水準が回復しない場合の配当政策の持続可能性が問われる局面にある。

成長戦略

輸出販売強化・高付加価値品拡販・パルプ価格回復を軸に収益基盤の再構築を図る

国内洋紙需要の構造的減退を補完するため、輸出販売を継続強化。2026年3月期は輸出市況の軟化により販売数量・価格ともに苦戦したが、2027年3月期予想では売上高305,000百万円(前期比6.0%増)の主要ドライバーとして位置付けている。

高級白板紙(トレーディングカード用途)・段ボール原紙(薄物強化芯)・機能材(チップキャリアテープ原紙・タック関連加工原紙)の拡販と価格改定を実施。2026年3月期は板紙・機能材が増収となり、洋紙・パルプ市況悪化を部分的に相殺した。

2026年3月期は海外市場におけるパルプ価格下落・販売数量減少により紙パルプ事業が大幅減益。2027年3月期予想ではパルプ販売価格の回復・増販効果が業績を下支えする見通しとして明示されているが、外部市況に依存する不確実性が高い。

液体容器の価格改定および販売数量増加により2026年3月期は売上高17,437百万円(前期比4.7%増)・営業利益558百万円(同144%増)と増収増益を達成。グループ内の白板紙事業との連携を活かした一貫生産体制の強化を継続する。

2026年3月期の有形固定資産取得支出は16,690百万円。機械装置及び運搬具の純額が63,696百万円から70,563百万円へ増加し、生産設備の更新・増強を継続実施。2027年3月期も原燃料コスト上昇が見込まれる中、生産効率改善による収益性維持が課題となる。

最終更新: 2026年7月19日