事業内容
三菱製紙は1898年創業の総合製紙グループで、王子ホールディングスの持分法適用会社。事業は「機能商品事業」と「紙素材事業」の2本柱で構成される。
機能商品事業では感熱紙・インクジェット用紙等の情報特殊紙に加え、水処理膜基材・蓄電デバイス用セパレータ・全熱交換素子等の機能性材料を製造・販売し、国内外に展開。紙素材事業では印刷用紙・包装用紙・市販パルプを八戸・北上工場で生産する。
連結子会社11社・関連会社8社を擁し、ドイツ・米国・中国に海外拠点を持つ。2026年3月期の連結売上高は157,455百万円。
ビジネスモデル
自社工場(高砂・京都・富士・八戸・北上)での一貫製造を基盤に、三菱王子紙販売等の販売子会社と海外拠点(ドイツ・米国・中国)を通じて国内外顧客へ製品を供給する。機能商品事業では高付加価値製品の技術差別化と海外展開で収益を確保し、紙素材事業では生産集約・コスト削減による収益改善を追求する。
研究開発費は801百万円(2026年3月期)を投じ、産業財産権761件を保有する。
企業の強み
水処理膜基材・蓄電デバイス用セパレータ・全熱交換素子・超耐熱ガラス繊維不織布等の機能性材料において独自の湿式不織布技術・塗工技術を保有。2026年3月期末時点で産業財産権761件を保有し、研究開発費801百万円を継続投下。
高砂・京都・富士の各工場に開発部門を配置し、製造と研究開発の一体運営体制を構築している。
2019年3月に王子ホールディングスを割当先とする第三者割当増資を完了し、同社の持分法適用会社となった。2007年の情報用紙事業提携以降、共同バイオマス発電(エム・ピー・エム・王子エコエネルギー)・家庭紙合弁(エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ)等の協業実績を積み上げており、販売・調達・生産面でのシナジー基盤を有する。
三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbH(ドイツ)・三菱イメージング(エム・ピー・エム)Inc.(米国)・珠海清菱浄化科技有限公司(中国)の海外拠点を保有。米国向け昇華転写品・欧州向け情報用紙・中国向けリライトメディア等の輸出販売実績があり、水処理膜基材・テープ原紙等の機能材製品の海外拡販チャネルとして機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の209,542百万円をピークに4期連続で減少し、2026年3月期は157,455百万円(前期比10.5%減)となった。営業利益は2024年3月期の5,410百万円から2026年3月期には264百万円へ急減。
2026年3月期は原燃料コスト安・ドイツ事業コストダウンの追い風があったものの、青森県東方沖地震による八戸工場の設備トラブル・大規模定期修理の回数増加・ドイツ事業の販売数量減少が重なり、紙素材事業が営業損失2,113百万円に転落したことが主因。当期純利益は政策保有株式売却益等により1,900百万円を確保した。
成長戦略
機能商品の高付加価値化・グローバル展開と紙素材の構造改革を両輪に2028年3月期売上高250,000百万円・営業利益20,000百万円を目指す
高砂工場に100億円を投資し、「成長戦略」「生産効率化」「組織基盤強化」を実施。独自の先進技術を世界へ発信するグローバル基幹工場への進化を目指す。水処理膜基材・蓄電デバイス用セパレータ・全熱交換素子等の機能性材料の拡販を加速する。
2030年度までに250億円を投資し、八戸工場を「生産革新」「脱炭素」「Well-being」を実現する次世代型サステナブル工場へ刷新。北上工場N1抄紙機停機後の高効率マシンへの生産集約と八戸・北上両工場の運営一体化を並行推進する。
水処理膜基材(工業用途・海水淡水化プラント向け欧米市場)、蓄電デバイス用セパレータ(補助電源・車載用電装・データセンター向け)、全熱交換素子(北米コンドミニアム用途)の拡販に注力。米国・ドイツ・中国の海外拠点を積極活用し、国内製造品の海外展開を推進する。
持続可能な社会への意識の高まりを背景に、晒クラフト紙・片面クラフトコート紙・バリコート等の環境配慮型包装材料の拡販を推進。大手菓子・ペットフード・調味料メーカーへの採用実績を積み上げ、成長余地の大きいアジア新興国市場の開拓を進める。
旧京都R&Dセンターを改築し、研究開発・生産・企画管理機能を集積したイノベーション拠点として整備。コアテクノロジーセンター・アドバンスドテクノロジーセンターの2センター体制で機能商品・紙素材両事業の技術深化と新規領域進出を推進する。
最終更新: 2026年7月19日

