株式会社ユビキタスAI logo

株式会社ユビキタスAI

3858東証スタンダード情報通信業

株式会社ユビキタスAI logo
株式会社ユビキタスAI3858

事業内容

株式会社ユビキタスAIは、IoT・車載・産業機器向けの組込みソフトウェアを自社開発するとともに、海外製ソフトウェアの輸入販売・テクニカルサポート、受託開発エンジニアリング、統計・数値データ解析ソフトウェアの販売を展開する。連結子会社の株式会社グレープシステム(組込みソフト・プリンタ関連)および株式会社ライトストーン(科学技術系ソフトウェア販売)を含む3社体制で、主要顧客は電子・電気機器メーカーの企画・開発・設計部門から大学・政府系研究機関まで幅広い。

2023年以降のM&Aによりグループ規模を急拡大し、売上高は3,924百万円(2026年3月期)に達する。

ビジネスモデル

自社開発製品(QuickBoot・セキュリティ・データベース等)はロイヤルティ型ライセンスで継続収入を獲得し、海外製ソフトウェア(BIOS・Bluetooth等)の輸入販売・テクニカルサポートで安定的な流通収益を得る。受託開発は既存顧客からの継続案件が中心で、データコンテンツ「YOMI」のライセンス収入も加わる。

アナリシスソフトウェア事業では大学・研究機関向けパッケージソフト販売が安定収益源となっており、4領域の組み合わせで収益を分散している。

企業の強み

特許技術に基づく高速起動ソフトウェア「Ubiquitous QuickBoot」は2023年3月期時点で累計出荷数7,000万本を突破しており、デンソーテン等の車載機器メーカーへの採用実績を持つ。ロイヤルティ型ライセンスモデルにより、採用機器の出荷に連動した継続収入を生み出す構造が確立されている。

自社製品開発(ソフトウェアプロダクト領域)、海外製品輸入販売(ディストリビューション領域)、受託開発(サービス領域)、データ解析ソフト販売(アナリシスソフトウェア事業)の4領域を保有し、特定事業への過度な依存を回避している。2026年3月期の各領域売上構成比はそれぞれ19.7%・32.5%・24.1%・23.7%と分散している。

NIST標準化のFIPS 203・204・205への実装・検証を完了し、標準化作業中のFALCON・HQCについても暫定仕様に基づく実装・検証を完了している。また、Arm Cortex-Mベース32bitマイコンへの耐量子暗号搭載に目途を得ており、低価格IoT製品への展開可能性を示している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は子会社グレープシステムののれん減損137百万円を含む減損損失219百万円を特別損失に計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は519百万円に拡大した。繰延税金資産の取り崩し(法人税等調整額64百万円の損)も重なり、純資産は2,396百万円から1,911百万円へ485百万円減少。

自己資本比率も69.4%から51.7%へ低下しており、財務基盤の劣化は明確である。

会社側の2027年3月期業績予想は売上高3,950百万円(前期比0.7%増)、営業損失200百万円、経常損失250百万円、当期純損失400百万円と、実質的に赤字継続を見込む。先行投資継続を前提とした計画であり、賃金・コスト上昇による収益性改善の遅れも認識されている。

ソフトウェア事業のセグメント損失244百万円の解消時期が見通せず、黒字転換の具体的な時期は不明確である。

2026年3月期より4セグメントを2セグメントに再編し、中期経営計画(2026-2028年)に基づく製品ポートフォリオ見直し・技術開発・営業力強化・人材ポートフォリオ最適化を推進している。外部環境として米国関税措置・地政学リスク・国内コスト上昇圧力が逆風となっており、受託開発単価の価格改定交渉も収益改善に時間を要する状況。

2028年3月期売上高50億円以上・CAGR10%目標の達成にはM&A実行力と構造改革の成果が不可欠であり、進捗の継続的な検証が求められる。

成長戦略

オーガニック年5%成長と連続的M&Aを組み合わせ、2028年3月期に売上高50億円以上・CAGR10%を目指す

従来の4セグメントを「ソフトウェア事業」「アナリシスソフトウェア事業」の2セグメントに統合し、顧客のソフトウェアニーズへの全方位的支援を可能とするビジネスモデルへ変革。組織体制の統合と経営管理体制の見直しにより意思決定の迅速化を図る。

高速起動製品の他製品への横展開、自動車・IoT機器向けセキュリティ関連分野への拡販、BIOS製品需要の取り込み等を推進。人材ポートフォリオの最適化も並行して実施し、受託開発単価の価格改定交渉を進めているが、収益性改善には時間を要する状況。

中期経営計画(2026-2028年)においてインオーガニック成長を明示。製品ラインアップ強化・顧客基盤拡大を目的とした連続的M&Aを志向しているが、2026年3月期はグレープシステムののれん減損を計上しており、M&A効果の実現には課題が残る。

2027年3月期においても先行投資を継続する前提で業績予想を策定。長期借入金1,000百万円の実行により手元流動性を1,995百万円に拡大し、投資余力を確保。ただし2027年3月期も営業損失200百万円・純損失400百万円を見込んでおり、投資回収の時期は不透明。

最終更新: 2026年7月19日