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株式会社アイル

3854東証プライム情報通信業

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株式会社アイル3854

事業内容

株式会社アイルは1991年創業、東証プライム上場の中堅・中小企業向けITソリューション企業。主力の基幹業務パッケージ「アラジンオフィス・シリーズ」を核とするシステムソリューション事業(2025期販売高16,989百万円)と、複数ネットショップ一元管理クラウドサービス「CROSS MALL」等を提供するWebソリューション事業(同2,306百万円)の2事業を展開。

鋼材・ねじ・ファッション・食品・医療機器等の業種別バリエーションを充実させ、「リアル(基幹システム)」と「Web(ECサービス)」を複合提案する独自の「CROSS-OVER」戦略を基本方針とする。大阪・東京・名古屋・福岡・仙台に拠点を持ち、全国の中堅・中小企業を顧客基盤とする。

ビジネスモデル

顧客企業に対し、基幹業務パッケージ「アラジンオフィス」の導入・カスタマイズによるイニシャル収益と、導入後の月額保守会費・クラウドサービス利用料(CROSS MALL・CROSS POINT)によるストック収益を組み合わせる。営業とSEを同一組織に配置する製販一体体制により案件精度と利益率を向上。

「リアル」と「Web」の製品群を複合提案するCROSS-OVER戦略で競合差別化と顧客単価向上を実現し、2025期売上高営業利益率25.0%を達成している。

企業の強み

2021期売上高13,204百万円・営業利益1,830百万円から2025期には売上高19,295百万円・営業利益4,819百万円へ拡大。売上高営業利益率は25.0%に達し、会社目標の30%に向けて着実に改善。

製販一体体制によるプロジェクトマネジメント強化とアフターサポート工数削減が利益体質強化に寄与している。

2025期末の資産合計15,769百万円に対し純資産合計11,287百万円、自己資本比率71.6%と財務健全性が高い。現金及び現金同等物は7,402百万円(前期比739百万円増)を保有し、運転資金・設備資金は原則自己資金で賄う無借金経営を維持。

営業CFは3,366百万円と潤沢なキャッシュ創出力を持つ。

「アラジンオフィス・シリーズ」は鋼材・ねじ・ファッション・食品・医療機器等の業種別バリエーションを展開し、業種ごとに開発・営業・サポート人員をプロジェクト化。豊富な業種別導入事例を蓄積し、パートナー企業との連携も活用することで2025期の受注高は19,323百万円(前期比9.5%増)と堅調に推移している。

エンヴァリスの着眼点

2026年7月期第3四半期累計の売上高15,543百万円は通期予想20,700百万円の75.1%、営業利益4,241百万円は通期予想5,500百万円の77.1%に達する。過去の季節性を踏まえると第4四半期単独での達成が必要な残余は売上高5,157百万円・営業利益1,259百万円であり、前期第4四半期実績(売上高5,197百万円・営業利益1,354百万円)と比較すると通期予想は保守的な水準にとどまる可能性がある。

業績予想の修正有無を引き続き注視する必要がある。

当第3四半期累計の売上原価は前年同期比5.0%増の6,639百万円にとどまり、売上高増加率10.2%を大幅に下回ったことで売上総利益率は57.3%(前年同期55.1%)へ改善。一方、販売費及び一般管理費は前年同期比8.2%増の4,664百万円と増加しており、人件費上昇と研究開発費(累計122百万円、前年同期比87.7%増)の拡大が続く。

外部要因として市場環境における人材獲得競争の激化が人件費上昇圧力を高めており、利益率のさらなる改善には生産性向上施策の成果が鍵となる。

市場環境として、国内DX投資需要の拡大は同社の主力顧客層である中堅・中小企業にも波及しており、受注実績の堅調推移を支える外部追い風となっている。一方、当四半期においても半導体不足によるハードウェア納品遅延が発生しており、ハード機器等売上高は前年同期比14.3%減の1,812百万円と減少。

中堅大手市場へのシフトは個社最適ソリューションニーズへの対応力が問われ、開発リソースの配分と採算管理が今後の焦点となる。

成長戦略

CROSS-OVER戦略深耕・AI活用・中堅大手シフトで高収益体質を確立

営業とSEを同一組織に配置する製販一体体制を継続強化。見積精度向上・プロジェクトマネジメント強化・納品品質改善によりアフターサポート工数を削減し、利益率の構造的改善を図る。当第3四半期累計で売上高営業利益率27.3%を達成し、効果が数値に表れている。

CROSS MALLの月額利用料値上げ・中堅大手市場へのアプローチ強化、CROSS POINTの対象業種拡大による新規顧客獲得継続、アラジンオフィスの保守契約積み上げにより、安定収益基盤を拡大。当第3四半期累計ストック型収益は6,883百万円と前年同期比12.3%増加。

設計・検証プロセスの迅速化、ドキュメント作成・コード補完の自動化等AIを活用した開発支援を推進。中堅企業へのターゲットシフトに伴う個社最適ソリューションニーズへの迅速対応と生産性向上を目指す。現在取り組みを並行推進中。

開発期間の短縮・他社技術の積極的な取込み・連携強化・拡張性確保を目的に、システム基盤をマイクロサービスアーキテクチャーへ転換中。ソフトウエア仮勘定が前期末77百万円から276百万円へ増加しており、開発投資が進捗していることが確認できる。

島根県松江市の研究開発拠点を中心に、将来の市場競争力向上に向けた研究開発活動を強化。当第3四半期累計の研究開発費は122百万円(前年同期65百万円比87.7%増)と大幅に拡大しており、投資フェーズにある。

2025年9月に株式付与ESOP信託を導入し、社員の中長期的な業績向上・企業価値増大への貢献意識を高めるインセンティブプランを整備。当第3四半期末時点でESOP信託口保有株式29,700株(帳簿価額87百万円)。人材確保・定着に向けた自社固有の施策として機能。

最終更新: 2026年7月17日