事業内容
株式会社日本一ソフトウェアは、1993年設立の岐阜県各務原市を本拠とするゲームソフトメーカーである。PlayStation・Nintendo Switch等の家庭用ゲーム機向けソフトの開発・販売を主軸とするエンターテインメント事業(連結売上の約97%)と、連結子会社・楽しみチームが運営する岐阜県内大学学生寮事業の2セグメントで構成される。
国内向けパッケージ販売に加え、PlayStation Network・Steam・ニンテンドーeショップを通じたデジタル配信、北米・欧州・アジア向けローカライズ販売を子会社NIS America, Inc.が担う。2007年にジャスダック上場、2022年に東証スタンダード市場へ移行。
連結子会社6社を擁し、グループ全体でゲームの開発・製造・販売を一貫して手掛ける。
ビジネスモデル
自社でゲームタイトルを企画・開発し、国内パッケージ販売とデジタルプラットフォーム配信で収益を得る。海外展開はNIS America, Inc.が北米・欧州向けローカライズ・販売を担い、過去作のリピート販売も継続的な収益源となる。
その他、ライセンスアウト・受託開発・カードゲームショップ「プリニークラブ」運営も収益に寄与する。運転資金は主に自己資金で賄い、金融機関借入を最低限に抑える財務方針を採る。
企業の強み
2003年設立のNIS America, Inc.が北米・欧州向けローカライズ・販売を一手に担い、令和8年3月期においてSONY INTERACTIVE ENTERTAINMENT AMERICAへの販売が売上高の11.4%を占める。Nintendo Switch2版『Disgaea7 Complete』の北米・欧州発売など、新ハード対応も迅速に実施している。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントとの商標許諾契約(自動延長条項付き)、任天堂とのNintendo Switch向け契約(自動延長条項付き)に加え、令和7年10月にNintendo Switch2向け新規ライセンス契約を令和11年3月まで締結済み。主要プラットフォームへの安定的なアクセスを確保している。
令和8年3月期末時点で現金及び現金同等物4,183百万円を保有し、有利子負債残高1,672百万円を大幅に上回る。連続赤字局面においても自己資金を主体とした運転資金調達方針を維持しており、財務的な安定性を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期5,717百万円をピークに減少傾向が続き、令和8年3月期は3,606百万円と前期比31.9%減。営業損失は409百万円と前期274百万円から拡大し、2期連続の赤字。
エンターテインメント事業の売上高は3,486百万円(前期比33.0%減)、セグメント営業利益は38百万円(前期比81.6%減)と大幅悪化。学生寮事業は売上高121百万円(前期比24.4%増)と増収も営業損失22百万円が継続。
外部要因として円安進行が為替差益168百万円・為替換算調整勘定増加334百万円をもたらし、財務面での下支えとなった。令和9年3月期は黒字転換を予想しているが、タイトル発売計画の実現が前提となる。
成長戦略
開発力・販売力・生産性の三位一体強化と海外展開加速
令和8年3月期は国内4タイトル(『風雨来記5』『連呪』『凶乱マカイズム』『Curse Warrior』)を発売。生成AI活用によるゲーム開発効率化を推進し、開発コスト抑制と品質向上の両立を目指す。令和9年3月期は売上高4,784百万円予想の達成に向け、タイトルラインナップの充実が不可欠。
NIS America, Inc.を通じた北米・欧州・アジア向けローカライズ販売を継続。令和8年3月期はNintendo Switch2版『Disgaea7 Complete』を北米・欧州向けに発売。新ハード普及に伴うタイトル需要拡大を取り込む戦略を推進中。
PlayStation Network・ニンテンドーeショップ・Steam等を通じたデジタル配信を継続強化。パッケージ販売に依存しない安定的な収益基盤の構築を目指す。カードゲームショップ「プリニークラブ」の運営も継続し、IP関連収益の多様化を図る。
販売費及び一般管理費は令和8年3月期1,948百万円と前期2,227百万円から削減が進んでいるが、売上高の急減により営業損失は拡大。役員退職慰労引当金繰入額151百万円等の一時費用を除いた構造的なコスト削減の継続が課題。将来のIFRS適用に備えた人材育成・社内整備も推進中。
最終更新: 2026年7月19日

