事業内容
パス株式会社は1990年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の持株会社。コスメ事業(株式会社マードゥレクス)では「EX:BEAUTE」ブランド化粧品を展開し、ビューティ&ウェルネス事業(株式会社ジヴァスタジオ)ではTVショッピングを中心に美容健康商品を多チャネルで販売する。
この2事業がグループ売上高の約76%を占める中核。加えて、株式会社RMDCによるヒト由来化粧品原料の製造販売・OEM(再生医療関連事業)、株式会社アルヌールによる微細藻類の培養・研究開発(サスティナブル事業)、不動産地上権・再生可能エネルギー投資(インベストメント事業)を展開。
2026年3月期にはマーケット・エクスパンション事業とAI・テクノロジー事業を廃止し、事業ポートフォリオを再編中。
ビジネスモデル
コスメ事業では自社ブランド「EX:BEAUTE」「NOWL」の商品企画・OEM製造・マルチチャネル販売(EC・モール・DtoC)でロイヤルカスタマーのLTV向上を図る。ビューティ&ウェルネス事業はTVショッピング・カタログ・Web・店頭の多チャネルで自社ブランド比率を高め粗利改善を追求。
再生医療関連事業はヒト由来化粧品原料の製造販売・OEM受託で収益を得る。インベストメント事業は不動産地上権収益と再生可能エネルギー投資が収益源。
各事業の先行投資コストが大きく、グループ全体では継続的な営業赤字が続いている。
企業の強み
「EX:BEAUTE」冷感コスメシリーズは継続的な好調推移を示し、「クールフィットカバーパウダー」等のヒット商品が安定した売上基盤を形成。2026年3月期のコスメ事業売上高は949百万円と前期比18.8%増を達成しており、ブランド認知と顧客リピートが一定程度確立されていることを示す。
2025年4月に兵庫県尼崎市に新設した細胞培養加工施設が「特定細胞加工物製造許可」を取得し本格稼働を開始。東京医科大学・落谷孝広教授との共同研究も開始しており、ヒト由来化粧品原料のOEM事業では2026年3月期売上高465百万円(前期比27.8%増)を達成した。
静岡県河津町の不動産地上権(存続期間2039年1月まで)から継続的な収益を得ており、2026年3月期のインベストメント事業は売上高40百万円・営業利益38百万円と唯一の黒字セグメント。想定月額地代合計566百万円の受給期間終了まで安定収益が見込まれる契約構造を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2,114百万円(2022期)→1,992百万円(2023期)→2,320百万円(2024期)→2,254百万円(2025期)→2,370百万円(2026期)と概ね横ばい圏で推移。一方、営業損失は2026期に774百万円と前期208百万円から大幅に拡大し、5期連続赤字の中で最大の損失を記録した。
主因は広告宣伝費・販売促進費の先行投資が売上拡大効果を大幅に下回ったコスメ事業(営業損失248百万円)、新商品発売遅延で機会損失が生じたビューティ&ウエルネス事業(営業損失82百万円)、および減損損失720百万円(再生医療・AI・テクノロジー等)の計上。2027年3月期予想は売上高2,863百万円(+20.8%)・営業損失213百万円と損失縮小を見込むが、新中期経営計画は未公表であり達成の蓋然性は現時点で検証困難。
成長戦略
不採算2事業撤退後の5セグメント体制で収益構造を抜本改革し早期黒字化を目指す
「EX:BEAUTE」冷感コスメの継続強化と新ブランド「NOWL」シリーズの育成を並行推進。メディアミックス戦略による新規顧客獲得とCRM高度化によるロイヤルカスタマー育成を組み合わせ、LTV向上を図る。
2026年3月期は広告先行投資の効果が計画を下回り営業損失が拡大したため、費用対効果の精査が急務。
尼崎市の細胞培養加工施設(特定細胞加工物製造許可取得済)の本格稼働により生産能力を拡大。東京医科大学・落谷孝広教授との共同研究でヒト由来化粧品原料の新商品開発を加速し、コスメ事業とのシナジーを創出する。当期は減損損失387百万円を計上しており、先行投資回収の見通し策定が課題。
静岡県河津町の地上権収益に加え、暗号資産の投資運用を開始(当期売上高40百万円・営業利益38百万円で唯一の黒字セグメント)。宅建取引業免許取得(2025年5月)を活用し、再生可能エネルギー施設・データセンター等の不動産投資・開発事業へ拡大を検討。
ただし木質バイオマス発電施設の取得は2026年4月に中止(後発事象)。
マーケット・エクスパンション事業(RIDO Stock)の解散(2026年3月31日)およびAI・テクノロジー事業(三和製作所の全株式譲渡)の廃止を決議し、事業ポートフォリオを5セグメントに絞り込んだ。2024年11月公表の中期経営計画は取り下げ、新中期経営計画を策定中。
キャッシュ・フロー流失の最小化施策を即時実行中。
最終更新: 2026年7月19日

