事業内容
eBASE株式会社は、CMS開発プラットフォーム「ミドルウェアeBASE」を基盤に、食品・日雑・住宅業界向けの商品情報管理パッケージソフト(FOODS/GOODS/HOUSING eBASE等)、商品データプールサービス「商材ebisu」、小売向け商品マスタ管理「MDM eBASE」、消費者向けスマホアプリ「e食住シリーズ」を展開するeBASE事業と、IT開発アウトソーシングを担うeBASE-PLUS事業の2セグメントで構成される。主要顧客は大手コンビニエンスストア、食品スーパー、家電量販店、ハウスメーカー等の大手小売・メーカー企業であり、東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
eBASE事業では「ミドルウェアeBASE」を基盤に、パッケージソフト販売・保守、クラウドサービス(SaaS)、商品データプールのコンテンツ販売を組み合わせた高利益率モデルを展開。eBASE-PLUS事業では四半期契約ベースのストック型IT開発アウトソーシングで安定収益を確保。
両事業が補完し合い、グループ全体でバランスのとれた収益構造を形成している。
企業の強み
創業以来蓄積したCMS開発プラットフォーム「ミドルウェアeBASE」は、食品・日雑・住宅等の多業界向けパッケージソフトを高効率で開発可能にする自社固有の技術基盤。FOODS/GOODS/HOUSING eBASE、MDM/PDM eBASE、DBP eBASE等の製品群を同一基盤上で展開し、アップセル・クロスセルによる顧客深耕を実現している。
食品・日雑・住宅等の業界横断型商品データプール「商材ebisu」は、メーカーと小売双方から商品情報を収集・正規化する独自モデル。多数決方式による商品マスタ生成(特許第7138289号)等、複数の特許を取得しており、競合が短期間で模倣困難なデータ資産と知的財産を蓄積している。
2026年3月期末の自己資本比率は90.98%、純資産合計7,368,221千円、現金及び現金同等物4,933,141千円を保有。無借金経営を維持しており、設備投資・M&A・株主還元を内部資金で賄える財務的余力を有する。
2026年4月にはKSP-SP社の株式取得契約を締結し、M&A実行能力も示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期4,352百万円→2025期5,470百万円と4期連続増収を達成したが、2026期は5,260百万円(前期比▲3.8%)と初の減収に転落。営業利益も1,432百万円(同▲17.3%)、当期純利益1,027百万円(同▲17.9%)と大幅減益。
営業利益率は31.7%→27.2%へ低下。主因はeBASE事業における日雑業界向け大型MDM eBASEカスタマイズ案件の負荷増大による人的リソース逼迫で、利益率の高いパッケージソフト売上が333百万円(前期545百万円)へ急減した。
eBASE-PLUS事業は計画通り進捗し安定収益を維持。外部環境として物価高・人件費上昇による販管費増(給料及び手当657百万円、前期比+68百万円)も利益率低下に寄与した。
2027年3月期は売上高5,400百万円・営業利益1,540百万円への回復を会社予想として開示している。
成長戦略
KSP-SP子会社化・価格改定・MDM eBASE本番稼働で収益構造の立て直しと新事業創出を図る
「商材ebisu」の商品詳細データとKSP-SPのPOSデータを統合・連携させ、メーカー・卸・小売向けの「AI時代のマーケティング事業」を展開。取得原価480百万円、議決権74.8%取得予定(100%取得を目指す)。M&A関連費用・広告費は2027年3月期予想に織り込み済み。
創業以来価格を据え置いてきたパッケージソフト等について、物価高騰を背景に2026年4月より価格改定を実施。利益率の高いパッケージソフト売上が2026年3月期に333百万円へ急減した中、価格改定効果による単価上昇で収益構造の改善を図る。
大手家電量販店での「MDM eBASE」本番稼働を2026年4月開始予定に向けて運用環境整備を完了。大手コンビニエンスストアからはファストフード厨房向けレシピ管理「FOODS eBASE」改修・構築と「MDM eBASE」基幹連携システム構築フェーズへの移行・教育フェーズを受注済み。
本番稼働後の保守・追加開発案件の創出が期待される。
改善型ソリューション「DBP eBASE」を先行導入させ、自ずとOMO実現の改革型「e食住なび」に結び付く普及戦略に転換。株式会社マキヤでのLINEミニアプリ活用PoC(2026年4月開始)、穴吹工務店での「e住なび」・「HOUSING eBASE Cloud」採用等、複数企業での具体的導入が進展。
ただし想定より大幅な普及遅延が続いており、引き続き進捗を注視する必要がある。
商品データの品質・精度を向上させるAI支援機能を「商材ebisu」および「FOODS/GOODS/HOUSING eBASE」に実装し、商品情報登録・管理業務の効率化を訴求。また2026年1月施行の中小受託取引適正化法に対応した製造委託取引管理システム「eB-for 取適法」を新たに開発・リリースし、法令対応需要を取り込む。
最終更新: 2026年7月19日

