事業内容
株式会社朝日ネットは1990年設立の独立系ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)で、「ASAHIネット」ブランドのもと個人・法人向けにFTTH・モバイル等のインターネット接続サービスを提供する。加えて、NTT東西のフレッツ網と直接接続しIPv6接続を他電気通信事業者へ卸提供するVNE「v6 コネクト」、および大学向けクラウド型教育支援サービス「manaba」を自社開発・運営する。
東京証券取引所プライム市場上場。売上高の約90%をインターネット接続サービスが占め、残余をインターネット関連サービス(manaba等)が構成する。
主要顧客は個人会員・法人・電気通信事業者・大学等教育機関と多岐にわたる。
ビジネスモデル
収益の根幹はFTTH・モバイル接続の月額会員料金によるストック型収入で、2026年3月末FTTH契約数514千IDが安定的な収益基盤を形成する。これに加え、VNE「v6 コネクト」は提携VNO事業者のトラフィック量に応じた従量課金で売上高2,415百万円を計上し、トラフィック増加が直接増収に連動する構造を持つ。
教育支援「manaba」は契約ID数に応じた課金体系で、全学導入校への継続課金が収益を支える。無借金・自己資本比率90.3%の財務基盤のもと、営業CFを設備投資・配当原資とする。
企業の強み
第三者機関「RBB TODAY ブロードバンドアワード」において「プロバイダ部門 総合満足度第1位」を12年連続・通算15回受賞。平均退会率は2026年3月期0.61%と業界最低水準を維持し、高品質な通信環境とサポート体制が顧客の継続利用を促進している。
2026年3月期末の自己資本比率は90.3%、負債合計は1,406百万円にとどまり、実質無借金経営を維持。営業CFは1,914百万円を確保し、設備投資2,941百万円および配当659百万円を自己資金で賄う財務的自立性を有する。
ROEは目標10%以上に対し過去5年で9.9%〜13.7%の範囲で推移している。
NTT東西のフレッツ網(NGN)と直接接続するネイティブ方式IPv6接続を自社バックボーンで運用し、ISP会員向けおよびVNE「v6 コネクト」として10社の提携VNO事業者へ卸提供。自社技術によるバックボーン運用が通信品質と通信費の適正管理を両立させ、競合他社が短期間で模倣困難なネットワーク基盤を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期11,577百万円から2026年3月期13,517百万円へ5期連続増収。ただし2026年3月期の営業利益は1,791百万円と2025年3月期2,345百万円から553百万円(23.6%)減少し、2022年3月期水準を下回った。
減益要因は①FTTH契約数増加に伴う回線仕入増、②基幹システム更改による減価償却費(1,268百万円、前期974百万円)・業務委託費増、③原材料費高騰・賃金上昇、④プロモーション費用増加の4点が重なったもの。2027年3月期は営業利益1,800百万円(前期比0.5%増)と微増回復を予想するが、設備投資2,500百万円を予定しており減価償却費の増加が続く見込み。
現金及び現金同等物は期末2,474百万円と前期4,161百万円から大幅減少した。
成長戦略
ISP・VNE・manabaの3事業強化と次世代通信対応・料金体系見直しで持続成長を目指す
NTTチャネル・Webチャネルでの会員獲得強化、マンション全戸加入プランの拡充、光コラボレーションモデル「AsahiNet 光」の個人・法人向け施策強化により、2026年3月末FTTH契約数514千IDからの継続増加を目指す。2027年2月には一部FTTH接続サービスの料金体系見直しを実施予定。
NTT東日本が2026年3月より提供開始した上り下り最大概ね25Gbpsの「フレッツ 光25G」への対応を開始。最大10Gbpsの「フレッツ 光クロス」に加え超高速通信ラインナップを拡充し、増大するトラフィック環境下での通信品質維持と顧客満足度向上を図る。
提携VNO事業者の事業拡大支援に向けた提供価格の最適化とネットワーク維持コストの見直しを継続。IPv6ネットワーク構成の一部見直しにより費用増加を抑えながらトラフィック処理量を拡大する取り組みを推進。2026年3月期売上高2,415百万円(前期比11.8%増)と高成長を維持。
2025年3月期から2年間を重点開発期間とした大規模開発を継続中。2026年3月末に第3弾として約50の新機能をリリース。学習履歴・イベントログデータを活用した行動分析の共同研究を推進し、AI活用・コンサルティングを統合した学生支援ソリューションとして2027年3月期末までのサービス開発を目指す。
前事業年度から取り組む基幹システム更改の一部を2026年3月期にリリース。当期は減価償却費・業務委託費増加として収益を圧迫しているが、更改完了後の業務効率化・コスト構造改善が中期的な収益性回復の前提となる。2027年3月期の設備投資は2,500百万円を予定。
最終更新: 2026年7月19日

