事業内容
株式会社ドリコムは2001年創業、東京証券取引所グロース市場上場のインターネットエンターテインメント企業。主力のゲーム事業ではスマートフォン・PC向けIPゲームの企画・開発・運用を行い、Apple、Google、バンダイナムコエンターテインメントを主要顧客とする。
2026年3月期の連結売上高17,548百万円のうちゲーム事業が95.7%を占める。コンテンツ事業では「DREノベルス」「DREコミックス」を軸とした出版・アニメ・マーチャンダイジング事業を展開し、自社IPの創出・育成・収益化を目指す投資先行フェーズにある。
当社及び子会社2社(株式会社ドリアップ等)で構成される。
ビジネスモデル
ゲーム事業では、ユーザーへの無料提供とアイテム課金を組み合わせたF2Pモデルを採用。自社単独配信、IPパートナーへの開発報酬受領、パートナーとの収益共有(レベニューシェア)の3形態で収益を獲得する。
コンテンツ事業では書籍・電子書籍の出版販売、アニメIP展開、グッズ販売により収益化を図る。ゲーム事業の安定収益をコンテンツ事業のIP創出投資に再投資する循環モデルを志向している。
企業の強み
2024年10月リリースの自社配信タイトル『Wizardry Variants Daphne』が1周年を経ても好調に推移し、2026年3月期のゲーム事業売上高を前期比40.9%増の16,797百万円に押し上げた。自社配信形態により収益の取り込み率が高く、セグメント利益1,277百万円(前期比30.8%増)に貢献した。
2026年3月期の主要顧客はApple,Inc.(売上比27.0%)、Google LLC(同25.0%)、バンダイナムコエンターテインメント(同15.3%)の3社で構成される。前期にバンダイナムコ依存度が24.7%から15.3%へ低下する一方、Apple・Googleの比率が上昇し、プラットフォーム分散が進んでいる。
2023年秋に開始した「DREコミックス」はシリーズ累計40万部超の人気作品を複数輩出し、電子版コミックスを中心にコンテンツ事業売上高を前期比9.5%増の853百万円に拡大した。出版・アニメ・MD事業を通じた自社IP資産の積み上げが進んでおり、将来のメディアミックス展開の基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期10,528百万円→2023期10,800百万円→2024期9,779百万円と一時減少後、2025期12,655百万円・2026期17,548百万円と2期連続で大幅増収。2026期の増収は『Wizardry Variants Daphne』の好調と自社配信タイトル拡大が主因。
一方、営業利益は2023期2,281百万円をピークに低下が続き、2026期は408百万円と低水準。当期純利益は2025期の赤字1,036百万円から213百万円へ回復したが、子会社株式売却益2,570百万円という一過性要因に依存しており、実力ベースの収益改善は限定的。
自己資本比率は42.0%(前期34.6%)に改善し、現金及び現金同等物も6,375百万円(前期3,929百万円)へ増加した。
成長戦略
ゲーム事業の収益基盤強化と自社IP育成によるグローバルIPプロデュース企業への変革
2027年3月期は引き続き運用を行うゲームタイトル9本の売上維持を基本方針とし、不採算タイトルの赤字幅縮小および運用費・広告宣伝費等の適正化により利益率改善を目指す。子会社2社売却後の収益剥落を既存タイトルの効率化で補う計画。
売り切り型PC・コンソールゲームタイトルの展開を通じてゲーム事業においてもIPを創出・育成することを目的とする。ただし、2026年3月期にソフトウエア仮勘定の大規模減損を実施しており、収益性見通しを保守的に見直した上での継続取り組みとなる。
「DREコミックス」「DREノベルス」から輩出した累計40万部超の人気作品を軸に、アニメ事業・MD事業への展開を進め、IPの収益化を加速する。2027年3月期も費用先行が継続する見込みだが、出版・アニメ・MD事業の進展による売上増加を目指す。
インターネットサービスの知見と先進的なテクノロジーを活用した新たなサービス開発を推進。AIの活用などを含む新規事業領域への投資を継続し、事業化に向けた試行を重ねる。2026年6月に「事業計画及び成長可能性に関する事項」の公表を予定。
2026年5月12日取締役会決議により、上限1,524,000株・取得価額総額500百万円の自己株式取得を決定(取得期間2026年5月13日〜2027年5月12日)。また2027年3月期は1株当たり5円の期末配当(配当性向23.8%)を初めて予想しており、財務基盤安定化を背景とした株主還元方針への転換を示す。
最終更新: 2026年7月19日

