事業内容
株式会社IGポートは、㈱プロダクション・アイジー、㈱ウィットスタジオ、㈱マッグガーデン等を傘下に持つアニメーション・コンテンツ企業グループ。1987年創業のプロダクション・アイジーを実質的な起源とし、2005年にジャスダック上場、2007年に持株会社体制へ移行。
劇場・テレビ・配信向けアニメーション制作(映像制作事業)を基盤に、コミック出版(出版事業)、二次利用収益(版権事業)、キャラクター商品販売(商品販売事業)の4事業を展開。主要顧客はNetflix Studios,LLC(2025年5月期売上高2,040百万円、構成比14.0%)、東宝㈱(同1,501百万円、10.3%)等の国内外大手。
「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」「怪獣8号」「進撃の巨人」等の人気IPを保有・活用する。
ビジネスモデル
出版事業でコミック原作を創出し、映像制作事業でアニメ化、版権事業で二次利用収益(印税・収益分配金・ライセンス料)を回収、商品販売事業でキャラクター商品を卸販売・直販するという垂直統合型の収益循環モデルを構築。版権事業は売上高3,956百万円に対し営業利益1,934百万円(営業利益率48.9%)と高収益。
映像制作事業は受注残高21,116百万円(前期比10.4%増)を積み上げ、Netflix等グローバルプラットフォームからの大型受注が収益基盤を支える。
企業の強み
2025年5月期の版権事業は売上高3,956百万円、営業利益1,934百万円、営業利益率48.9%を達成。「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」「怪獣8号」「進撃の巨人」等の複数シリーズIPが継続的な二次利用収益を生み出し、米国向け売上高は前期1,667百万円から4,999百万円へ大幅拡大。
版権事業がグループ全体の収益を下支えする構造が確立されている。
2025年5月期末の映像制作事業受注残高は21,116百万円(前期比10.4%増)。TV・配信・ビデオ用アニメが18,553百万円(同13.3%増)と主力。
Netflix Studios,LLCが主要顧客第1位(売上高2,040百万円)となり、「THE ONE PIECE」「Star Wars Visions」等グローバル配信向け大型案件が積み上がっており、中期的な売上の可視性が高い。
㈱マッグガーデンによるコミック原作創出から、㈱プロダクション・アイジー・㈱ウィットスタジオによるアニメ制作、版権事業での二次利用収益回収、商品販売事業でのキャラクター商品展開まで一貫したバリューチェーンを保有。2025年5月期に商品販売事業が独立セグメントに昇格し、売上高870百万円・営業利益377百万円を計上。
中国・上海への直販店舗開設で海外展開も開始した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年5月期11,872百万円から2026年5月期14,064百万円へ5期累計で18%増加したが、2026年5月期は前期比3.7%減の減収に転じた。営業利益は2025年5月期1,426百万円から2026年5月期766百万円へ46.3%減、当期純利益は828百万円から669百万円へ19.1%減。
版権事業の大型タイトル反動減(売上高43.5%減)と映像制作事業の損失拡大(1,102百万円→1,342百万円)が主因。外部要因として物価高騰・人件費上昇が制作コストを押し上げた。
営業CFは前期の▲1,859百万円から+1,083百万円へ改善し、現金残高は6,124百万円へ増加。2027年5月期は更なる減益(営業利益579百万円)を会社は見込む。
成長戦略
自社IP創出→マルチメディア化→シリーズ化→海外直販の4段階好循環戦略
「劇場版ハイキュー!! VS 小さな巨人」「怪獣8号完結編」「THE ONE PIECE」「YAIBA2期」「LONA」等を次期に制作・納品し、版権収益の回復を図る。前期の大型タイトル反動減を補う収益源として期待される。
紙月刊誌「コミックガーデン」を2026年3月号で休刊し、ウェブ雑誌MAGCOMI・MAGKANへ移行。オリジナル作品ラインナップを強化しコミック・プラットフォームとしての価値向上を図る。ヒットの兆しがある作品の増加とアニメ化予定作品の存在が版権事業との好循環を促進する。
店舗開設許諾金の剥落を自社商品卸売り強化と国内外販路拡大で補い、段階的に収益を拡大する戦略。上海I.G & WIT Anime Studio Storeへの卸売りは外部環境変化で想定を下回ったが、国内外の販路多様化を継続推進する。
サンリオを割当先とする第三者割当による自己株式売却(収入1,626百万円)を実施し資本業務提携を締結。サンリオIPとのコンテンツ連携・グローバル展開の可能性を開く。財務基盤強化(自己資本比率65.9%)にも寄与した。
Netflix・LUCASFILM等グローバルプラットフォームとの取引を深化させ、日本市場で培ったメディアミックスを海外に展開する。2026年5月期の米国向け売上高は2,219百万円(前期4,999百万円から減少)であり、大型タイトルの納品時期に依存する構造の平準化が課題。
最終更新: 2026年7月17日

