事業内容
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は1992年12月に日本初の商用ISPとして設立され、以来「技術のIIJ」として法人・官公庁を主要顧客とするネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業を展開する。インターネット接続・アウトソーシング・WANサービス・クラウドコンピューティング・セキュリティ・モバイル(MVNO/フルMVNO)等を複合的に提供し、約16,000社の法人顧客基盤を有する。
連結子会社18社・持分法適用関連会社6社を擁し、米国・欧州・アジアにも現地法人12社を展開。㈱トラストネットワークスによるATM運営事業も手掛ける。
売上高の99%超をネットワークサービス及びSI事業が占める。
ビジネスモデル
IIJの収益構造は、ネットワークサービス(売上高178,738百万円)とシステムインテグレーション(163,639百万円)の二本柱で構成される。SI案件では設計・構築後に月額の運用保守契約へ移行するストック型モデルを採用し、2026年3月期のシステム運用保守売上は前期比16.0%増の95,768百万円に達した。
月額ストック売上全体も前期比12.0%増と積み上がり、安定的な収益基盤を形成している。ATM運営事業はATM利用手数料収入による補完的ストック収益を提供する。
企業の強み
2026年3月期末時点で官公庁を含む法人顧客数は約16,000社。期間総額10億円以上の複数年大型サービスインテグレーション案件の獲得が恒常化し、2026年3月期は19件・獲得総額約620億円(前期15件・約450億円)と拡大。
受注残高は前期末比37.7%増の158,910百万円に達し、将来収益の可視性が高い。
2018年に国内初のフルMVNOサービスを開始し、独自のSIMプラットフォームを保有。法人IoT等用途向け直接提供回線数は2026年3月期末3,573,098件(前期末比397,077件増)、MVNOプラットフォームサービスも1,365,657件と拡大。
フルMVNO基盤は競合が短期間で模倣困難な自社固有インフラであり、IoT需要取り込みの差別化要因となっている。
アウトソーシングサービス売上高は2026年3月期67,622百万円(前期比14.3%増)と全ネットワークサービス区分で最高成長率を記録。セキュリティ関連サービスが牽引しており、24時間365日のセキュリティオペレーションセンター運営やSASE提供等、技術蓄積に裏付けられた高付加価値サービスが顧客の継続利用を促している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022期226,335百万円→2026期345,395百万円と5期で52.6%拡大。営業利益は2022期23,547百万円→2026期34,835百万円(+47.9%)。
2025期に鈍化した利益成長は2026期に営業利益+15.7%・当期利益+21.3%と加速。SI売上総利益率改善(VMware価格転嫁完了)、退職金制度改定に伴う一時利益1,169百万円、ファンド評価益1,760百万円も寄与。
ROEは15.0%→16.2%に改善。外部環境として企業のDX推進・クラウド活用・セキュリティ投資需要の継続拡大が追い風として機能している。
営業CFは50,460百万円(前期28,528百万円)と大幅改善。
成長戦略
月額ストック積み上げ・大型SI案件獲得・DC増強で2027年3月期売上3,850億円を目指す
期間総額10億円以上の複数年大型案件獲得を恒常化。2026年3月期は19件・約620億円を獲得(前期15件・約450億円)。海外GPU構築案件(約120億円)も獲得。SI受注残高158,910百万円を背景に、システム運用保守売上(前期比16.0%増)の継続拡大を図る。
松江データセンター新棟の運用開始、白井データセンター3期棟の建設着手により中長期的な設備収容能力を確保。2027年3月期は恒常的支出に加え白井DC3期棟建設等で約180億円の追加設備投資を予定。インターネットトラフィック増加・クラウド需要拡大に対応する。
サイバーセキュリティ対策支援等の新サービス投入によりアウトソーシングサービス売上高を拡大(2026年3月期67,622百万円、前期比14.3%増)。法人IoT向けモバイルサービスの契約数拡大(3,573,098件)とAI活用需要への対応を継続強化する。
ソニーセミコンダクタソリューションズとの合弁によるセンサー事業会社㈱センシフィアを設立(スマート農業向け土壌水分計測)。㈱ディーカレットDCPのトークン化預金・銀行間決済高度化プロジェクトが金融庁FinTech実証実験支援案件に採択。中長期的な収益源の多様化を図る。
最終更新: 2026年7月19日

