事業内容
株式会社ADR120Sは、東京証券取引所スタンダード市場上場の再生医療専業グループ(連結子会社8社)。中核子会社ADRセラピューティクス㈱が、医療機器「セルーション遠心分離器」および高度管理医療機器クラスⅢ「セルセラピーキット」を国内医療機関へ販売する。
患者自身の皮下脂肪から脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)を数時間で採取・移植する特許技術を保有し、培養不要・拒絶反応回避という差別化を実現。男性腹圧性尿失禁治療では2022年2月に厚生労働省製造販売承認を取得済みで、保険収載申請を推進中。
従来のリアルアセット事業は2025年5月の最後の不動産譲渡をもって清算を完了し、現在はメディカル事業に経営資源を集中している。
ビジネスモデル
ADRセラピューティクス㈱が医療機関に対してセルーション遠心分離器およびセルセラピーキットを販売することで機器・消耗品収益を得る。並行して、サイトリ・セルセラピー㈱・共生会・アニマルセラピー㈱が自由診療分野で細胞治療サービスを提供し、サービス収益を積み上げる。
主力製品は海外輸入から国産品へ移行中であり、コスト低減と安定調達を図りながら収益構造の改善を目指している。
企業の強み
セルーション遠心分離器は2012年に医療機器認可、セルセラピーキットは2018年に高度管理医療機器クラスⅢ認可を取得。男性腹圧性尿失禁治療では2022年2月に製造販売承認を取得しており、規制上の参入障壁が高い再生医療領域で先行した承認実績を有する。
患者自身の皮下脂肪からADRCsを数時間で採取し、細胞培養なしにその日のうちに治療を完結できる特許技術を保有。拒絶反応リスクを回避しつつ、脂肪組織に自然に存在する全幹細胞を人工操作なしで分離できる点が競合技術との差別化要因となっている。
セルセラピーキットは2026年2月より国産品の販売を開始済み。セルーション遠心分離器も製品開発完了済みで2026年8月の本格販売を予定しており、海外輸入依存から脱却した国内製造体制の構築が完了している。これにより安定的な調達・品質向上・コスト低減の実現が見込まれる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の2,145百万円をピークに急減し、2026年3月期は51百万円(前期比58.3%減)と過去最低水準を更新した。主因はセルーション遠心分離器国産品の販売時期が2026年8月に変更されたことによる売上計上の先送りであり、需要消滅ではないと会社側は説明している。
営業損失は906百万円(前期806百万円)と拡大。一方、特別利益として債務免除益400百万円・新株予約権戻入益212百万円等614百万円を計上したことで、当期純損失は397百万円(前期2,140百万円)と大幅に縮小した。
貸借対照表上は不動産(信託受益権)の譲渡により総資産が3,537百万円から368百万円へ急減し、長期借入金も全額返済された。自己資本比率は6.0%と依然低水準。
成長戦略
国産医療機器の本格販売とNeocella新事業で2027年3月期の黒字転換を目指す
製品開発は完了済みで量産体制への最終調整段階にある。世界的な半導体供給制約への対応と品質確保を優先した結果、販売開始時期を2026年8月に設定。本格販売により2027年3月期の売上高大幅回復(予想750百万円)の主要ドライバーとなる見込み。
2026年2月より国産品の販売を開始済み。海外輸入から国産品への移行により、安定的な調達・品質向上・コスト低減を実現。既存および新規取引先への販売拡大を積極的に推進する。
2022年2月に厚生労働省の製造販売承認を取得済み。保険収載が実現すれば患者の治療費負担が軽減され、セルーション遠心分離器・セルセラピーキットの需要が構造的に拡大する。現在、保険収載に向けた手続きを継続中。
2025年9月30日付で公表した高濃度エクソソーム成分含有液事業(Neocella、旧称CrymEX)について、2026年3月期に開発費用を計上し事業基盤を整備。今後は追加的な開発投資を伴わず、製品供給および協力機関との連携を通じた売上創出フェーズへ移行する見込み。
スポーツ医療・関節・運動器疾患等の医療ニーズへの展開も図る。
不動産(信託受益権)の譲渡収入2,944百万円で長期借入金を全額返済。HGキャピタルから4億円の債権放棄(2026年3月27日付)と5億円を上限とするコミットメントラインの維持を確保し、2027年3月期の事業展開に必要な資金基盤を整備した。
最終更新: 2026年7月19日

