事業内容
株式会社SHIFTは「すべてのソフトウェアにMade in Japanの品質を」を合言葉に、ソフトウェアテスト・品質保証を中核事業として展開する。連結子会社38社・持分法適用関連会社1社(2025年8月末時点)を擁し、ソフトウェアテスト関連サービス(売上構成比62.4%)、ソフトウェア開発関連サービス(同29.7%)、その他近接サービス(同7.9%)の3セグメントで構成される。
エンタープライズ向けを中心に、ゲーム・エンターテインメントから航空宇宙・防衛まで多様な業界の顧客に対し、コンサルティング・PMO、セキュリティ、カスタマーサポート、システム開発、データ分析、Web企画制作等を包括的に提供する。2005年設立、2014年上場、2022年にプライム市場へ移行。
ビジネスモデル
独自開発の「CAT検定」でIT未経験者を含む広範な人材を採用・育成し、テスト支援ツール「CAT」で業務を標準化・可視化することで高品質かつスケーラブルなサービスを提供する。顧客月額売上単価とエンジニア単価を主要KPIとして管理し、単価上昇と顧客数拡大の両輪で売上を積み上げる。
M&Aによるサービス領域・顧客基盤の拡充と、グループ内クロスセルによる既存顧客への多角的なサービス展開が収益拡大の補完的ドライバーとなっている。
企業の強み
エンタープライズ向けソフトウェアテスト市場は推定約5.5兆円(総務省・経産省「2021年情報通信業基本調査」及びIPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」より算出)。高度な業務・開発知識が必要なエンタープライズ系は参入障壁が高く、アウトソースがほとんど進んでいない。
SHIFTは独自の標準化手法と検定制度でこの市場を先行開拓している。
「CAT検定」によりIT未経験者でもソフトウェアテストの適性を客観評価できる仕組みを構築。テスト支援ツール「CAT(TD・TCM)」で進捗・問題工程をリアルタイム可視化し、属人性を排除した高生産性テスト業務を実現。
製造業コンサルティング由来の「効率化・可視化・再現可能性」の工程管理手法が競合との差別化要因となっている。
2016年以降、ALH、メソドロジック、クロノス、KINSHAを含む多数の企業をM&Aにより連結子会社化。2025年8月期には連結子会社38社体制を構築。
標準化されたPMIプロセスにより取り込んだ子会社の業績を通期化・成長軌道に乗せる仕組みを確立しており、2025年8月期の売上高は129,819百万円と5年間で約2.8倍に拡大した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期46,005百万円→2025期129,819百万円と5期連続増収を達成。2026年8月期第3四半期累計も115,848百万円(前年同期比+21.4%)と堅調。
一方、営業利益は11,383百万円(同△4.3%)、親会社株主帰属四半期純利益は3,979百万円(同△36.6%)と大幅減益。主因は①前期に戦略的抑制していた採用活動の正常化に伴う採用費増加、②大型案件獲得に向けた稼働率の一時的悪化、③持分法による投資損失3,872百万円の計上。
EBITDAは14,130百万円(同△1.2%)と相対的に底堅く、M&A投資に伴うのれん償却・顧客関連資産償却が利益を押し下げている構図が鮮明。外部要因として米国通商政策の不透明感が顧客IT投資に影響するリスクがある一方、DX需要・生成AI実装加速は引き続き追い風。
成長戦略
SHIFT3000戦略のもと営業・採用・M&A・AI関連サービスの4軸で売上高3,000億円を目指す
顧客目線での提案徹底により単体顧客月額売上単価9,121千円・月間取引顧客数2,228社を達成。大型案件獲得に向けた営業リソースの戦略的集中を継続し、プロジェクト単価(連結4,703千円)・プロジェクト数(連結2,258件)の上昇トレンドを維持する。
前期に戦略的に抑制していた採用活動を正常化し、採用費の先行投資を実施中。稼働率の一時的悪化は認識しつつも、中長期的な売上規模拡大に向けた人材基盤の整備を優先。採用費増加が当期利益を圧迫しているが、下期以降の稼働率回復が期待される。
株式会社ニッセイコムを2026年8月期第3四半期に新規連結化(のれん12,528百万円計上、短期借入金18,700百万円増加)。M&A/PMI力を活用した継続的な事業領域拡充とグループ内クロスセルにより、売上規模と顧客基盤を積み上げる。
AIテストエージェント(テスト実行期間の大幅短縮)、AIによるシステム仕様可視化等の生成AI関連サービスを次々と創出。第3四半期累計AI関連売上高は11,414百万円に達し、高収益AI案件の比率向上による利益率改善を目指す。
2026年8月期より初配当(期末4.10円)を実施予定。また2026年1月に自己株式7,900,000株(6,341百万円)を取得。株主還元と成長投資を両立する資本配分方針へ転換し、企業価値最大化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

