事業内容
株式会社イルグルムは2001年創業(旧㈱ロックオン)、2019年に現社名へ変更。国内有数のシェアを誇る広告効果測定SaaS「アドエビス」を主力とするマーケティングAI事業と、EC構築オープンプラットフォーム「EC-CUBE」を核とするコマースAI事業の2セグメントで事業展開する。
主要顧客はインターネット広告を活用する国内企業・EC事業者で、インターネット広告市場(2024年:前年比109.6%成長)およびEC市場(2024年BtoC-EC:26.1兆円)の継続拡大を追い風に、データとテクノロジーを活用したマーケティング支援を提供している。東京証券取引所スタンダード市場上場(2025年8月に市場変更)。
ビジネスモデル
マーケティングAI事業では「アドエビス」のSaaSサブスクリプション収益を主軸とし、「Growth Step Program」「CAPiCO」による契約件数拡大とクロスセルで収益を積み上げる。コマースAI事業では「EC-CUBE」をフリーミアムで提供し、連携決済事業者からの手数料収入を得るエコシステムを構築しつつ、大規模EC構築の受注案件(2025年9月期受注高928百万円)とルビー・グループ㈱によるEC運用支援・フルフィルメントサービスで売上を拡大する垂直統合モデルを志向している。
企業の強み
2004年販売開始の「アドエビス」は国内有数のシェアを誇る広告効果測定プラットフォーム。2025年9月期においても売上高が前期比2.2%増と伸長し、契約件数は前連結会計年度末から増加。長期にわたる顧客基盤と蓄積データが参入障壁を形成している。
日本発のEC構築オープンソース「EC-CUBE」を基盤に、大規模EC構築案件の受注獲得に注力。2025年9月期の受注高は928百万円(前期比124.8%増)、期末受注残高は486百万円(前期末比335.9%増)と高水準を維持しており、次期以降の売上貢献が見込まれる。
2025年9月期末の自己資本比率は51.8%、現金及び現金同等物残高は1,462百万円(前期比10.3%増)。借入金残高は679百万円(前期比28.1%減)と着実に圧縮しており、M&Aや先端技術投資に向けた財務的余力を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期2,958百万円から2025期4,935百万円へ5期連続増収を達成。2026年9月期中間期は2,886百万円(前年同期比21.2%増)と加速しており、通期予想5,950百万円(前期比20.6%増)は過去最高水準を更新する見込み。
利益面では2025期に最終赤字(△142百万円)に転落したが、2026年9月期中間期は営業利益285百万円(前年同期比299.8%増)、親会社株主帰属中間純利益203百万円(同658.7%増)と急回復した。シルバーエッグ社の連結寄与(コマースAI事業が前年同期比48.9%増収・黒字転換)と両セグメントの経費削減が主因。
外部要因として国内インターネット広告費の継続成長(2025年前年比110.8%)およびEC市場拡大(2024年前年比105.1%)が業績を下支えしている。通期営業利益予想320百万円は前回予想から60百万円上方修正済み。
成長戦略
VISION2027:AIを軸に2事業を拡大し連結売上高100億円・ROE10%超を目指す
広告効果測定「アドエビス」を核に、キャンペーンマネージャー・アドレポ等の周辺SaaSとのクロスセルを強化し、2027年9月期までに過去最高契約件数の更新を目指す。AIエージェント搭載による製品差別化で顧客単価の向上も図る。
2026年1月連結子会社化のシルバーエッグ・テクノロジー㈱との事業ノウハウ・アセット相互活用を推進。AIレコメンド技術をEC構築・運用支援に統合し、顧客の課題解決を統合的に支援することで提供価値を向上させる。2026年4月に追加株式取得(353百万円)を実施し完全子会社化に向けた取り組みを加速。
「アドエビスキャンペーンマネージャー」に搭載した課題発見・施策立案AIエージェントのβ版を正式版へ改良・拡充し、要因分析・レポーティング・効果検証エージェントを順次展開。AIと人が協働する次世代マーケティング基盤の実現を目指す。
高アクセス対応インフラ・モール型EC・多言語対応等をパッケージ化した「EC-CUBE Enterprise」により大規模EC案件の獲得を推進。受注残高409百万円(前年同期末比109.5%増)を下期売上に転換し、コマースAI事業の収益安定化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

