事業内容
株式会社ブイキューブは「Evenな社会の実現」をミッションに掲げ、リモートコミュニケーションDXを軸とした3事業を展開する東証プライム上場企業。エンタープライズDX事業ではWeb会議・Zoom代理販売等を企業・官公庁向けに提供、イベントDX事業ではウェビナー配信・バーチャル株主総会等のSaaS+サービスを国内外で展開、サードプレイスDX事業では防音型個室ブース「テレキューブ」を企業・公共空間向けに販売・運営する。
国内連結子会社1社・海外連結子会社6社を含む計11社体制で、シンガポール・タイ・米国等にも事業基盤を持つ。主要顧客は国内外の大企業・官公庁・製薬業界・製造業等であり、テレワーク定着とハイブリッドワーク普及を事業機会として捉えている。
ビジネスモデル
エンタープライズDX事業は月額定額制のクラウドSaaSを中心に収益逓増型モデルを採用。イベントDX事業はSaaS+運用支援サービスのスポット・定額複合型。
サードプレイスDX事業はテレキューブの販売型とサブスクリプション型(月額定額レンタル)の2形態を展開し、幅広い顧客層を取り込む。設備投資はソフトウエア償却額と同水準を目安に管理し、財務健全性の維持を図る方針を掲げている。
企業の強み
2024年12月期末時点でテレキューブの累計設置台数は32,144台に達し、公共向けは前年同期比17.1%増の1,206台に拡大。企業向け販売型・サブスクリプション型の2形態展開により幅広い顧客層を獲得しており、サードプレイスDX事業のセグメント利益率は28.3%(746,632千円÷2,641,265千円)と高水準を維持している。
エンタープライズDX事業のハイブリッドワーク事業(V-CUBEミーティング・Zoom代理販売)は2024年12月期に前年同期比5.2%増の1,846,502千円を計上。テレワーク定着により需要が底堅く推移しており、販売価格値上げ・仕入価格低減施策によりセグメント利益率は16.0%から16.4%へ改善した。
2024年6月にプロフェッショナルワーク事業をテクノホライゾン株式会社へ譲渡し、売却収入661,384千円を確保。事業ポートフォリオの最適化を実行し、成長領域(生成AI活用・AI×ロボティクス・ハイブリッドイベント)への経営資源集中を進めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021年12月期の11,494百万円から2025年12月期の9,859百万円へ5期連続で減少(前期比5.8%減)。営業損失は前期の237百万円から1,683百万円へ大幅に拡大した。
主因はTENのNASDAQ上場に伴う株式報酬費用727百万円および不明支出金損失808百万円の計上。特別損失では減損損失1,994百万円も計上し、親会社株主帰属の当期純損失は3,697百万円に達した。
純資産は前期の23百万円から△1,107百万円へ転落し債務超過となった。外部要因として、米国通商政策の不透明感・為替変動がグループ間ローンの為替差損97百万円を生じさせた一方、国内ではDX投資加速が国内事業の底支えとなった。
2026年12月期業績予想は未定。
成長戦略
TEN切り離し・スポンサー選定による非公開化と国内事業の収益構造改革
グループ業績悪化の主因であるTENの株式売却および貸付金回収によりグループから切り離し、国内事業への負の影響を遮断する。TENの切り離しが完了すれば、イベントDX事業の損失構造が大幅に改善する見込み。
株式会社日本革新投資(J-INC)とのスポンサー基本契約を2026年3月31日に締結。J-INCが設立するSPCへの第三者割当増資・株式併合により純資産の抜本的改善と有利子負債圧縮を図り、上場廃止後の事業再建体制を構築する。
減損を契機とした更なる固定費削減と収益拡大施策を実行し、国内イベントDX事業の早期収益改善を図る。ハイブリッドイベント需要の成長を取り込みつつ、製薬業界講演会市場の底打ちによる需要回復も期待する。
テレキューブ株式会社の事業を2026年2月1日付で当社へ事業譲渡し、同社を解散・清算(2026年6月30日清算結了予定)。組織運営の効率化と意思決定の迅速化を図り、サードプレイスDX事業の収益基盤をさらに強化する。
財務制限条項に抵触している借入金について、全取引金融機関に対しTEN切り離しおよび資本増強を通じた有利子負債削減計画を説明し、期限の利益の喪失猶予および継続的支援について協議を継続する。
最終更新: 2026年7月17日

