事業内容
デジタルハーツホールディングスは「SAVE the DIGITAL WORLD」を企業ミッションに掲げ、連結子会社22社・持分法適用会社4社を擁する純粋持株会社(2026年3月期末)。コンソール・モバイルゲーム向けデバッグ・ローカライズを主軸とするDHグループ事業(売上高23,131百万円)と、エンタープライズシステム向けQA・セキュリティテストを担うAGESTグループ事業(売上高15,995百万円)の2セグメントで構成される。
主要顧客はゲームメーカー(マリオクラブ株式会社が売上高の12.1%を占める)および国内外の企業システム開発会社。米国・カナダ・英国・中国・韓国・ベトナム等に海外拠点を持ち、グローバルにサービスを展開している。
ビジネスモデル
ゲーム向けデバッグは多数の臨時テスターを戦略的に配置したLab.(ラボ)拠点網を活用し、顧客の流動的な開発スケジュールに合わせて柔軟に人的リソースを提供する。エンタープライズ向けQAはシステムテスト・テスト自動化・セキュリティ診断等を専門エンジニアが担う。
いずれも受注から役務提供までの期間が短い案件が中心で、売上高は役務提供に連動して計上される。近年はAIテストツール「TFACT」やSBOM管理ツール「SBOM Archi」等のプロダクト型収益モデルの構築も推進している。
企業の強み
創業以来ゲームデバッグに特化し、豊富な専用テスト機材(新型ハード専用機材を含む)と全国Lab.拠点網を構築。ゲームメーカーとの強固な顧客リレーションを長期にわたり維持しており、有報では「寡占市場のなかで圧倒的なシェアを有する」と明記。
Nintendo Switch 2発売期に2桁増収を達成した実績がシェアの堅牢性を裏付ける。
独自開発のゲーム特化型AI翻訳エンジン「ella」を活用した翻訳・LQAソリューションを本格展開し、2026年3月期に翻訳・LQA案件の伸長に貢献。ゲームコンテンツの文脈・ニュアンスに対応した専用エンジンは競合が短期間で模倣困難な自社固有技術であり、グローバル案件獲得の差別化要因となっている。
ゲーム向けDHグループ事業(営業利益率約9.7%)と、エンタープライズ向けAGESTグループ事業(営業利益率約2.4%)を併せ持つことで、特定市場への依存を分散。2026年3月期はDHグループ事業の増益がAGESTグループ事業の減益を補い、グループ全体の営業利益は前期比8.1%増の2,626百万円を確保した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期29,179百万円→2023期36,518百万円と急拡大後、2024期38,790百万円・2025期39,749百万円・2026期38,929百万円と横ばい圏で推移。2026期は子会社売却による連結除外とAGESTグループ減収が響き前期比2.1%減となった。
一方、営業利益は2024期2,040百万円を底に2025期2,430百万円・2026期2,626百万円と2期連続で回復。当期純利益は2024期177百万円→2025期629百万円→2026期1,182百万円と急回復し、外部要因としてNintendo Switch 2発売という市場環境の追い風と、特別損失の縮小(投資有価証券評価損が前期1,184百万円→当期345百万円)が利益改善を後押しした。
営業CFは3,225百万円と安定的に創出されている。
成長戦略
DHグローバル展開・AGESTのAI対応・CVC投資の三軸で成長ポテンシャルを最大化
HUWIZ SOLUTIONS INC.子会社化(2025年11月)、タイ新拠点開設、米国・シンガポール企業との業務提携により、デバッグ・翻訳LQA・多言語音声収録のワンストップグローバル提供体制を構築。ゲームタイトルの世界同時発売増加を取り込み、グローバルクライアント獲得を推進する。
AIテストツール「TFACT」およびSBOM管理ツール「SBOM Archi」を2026年3月期にローンチ。エンジニア数に依存しない新収益モデルの構築とAI活用コンサルティングニーズへの対応を推進。エンジニアのリスキリング強化も並行して実施する。
2026年3月19日の取締役会でCVC部門新設を決議。年間5億円を目途に自社にはない技術・ビジネスモデル・イノベーター人材を持つ企業へ投資し、既存事業と異なる新たな市場や領域への進出を加速。2027年3月期より「CVC関連事業」を第3の報告セグメントとして追加する。
DHグループ事業においてAI協働型オペレーション基盤「HumanOps OS」を導入し、人材のエンパワーメントを推進。サービス・オペレーション・バックオフィス全般でのAI活用を積極化し、収益性向上と人材不足への対応を両立する。
最終更新: 2026年7月19日

