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株式会社パピレス

3641東証スタンダード情報通信業

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株式会社パピレス3641

事業内容

株式会社パピレスは1995年創業の電子書籍販売専業企業で、スマートフォン・タブレット・PC向けに電子書籍をネットワーク配信する「電子書籍事業」と、グローバルIP創出を目指す「IP制作事業」の2セグメントを展開する。主力サービス「Renta!」は会員数1,000万人を突破し、コミックを中心にノベル・実用書等を幅広く取り扱う。

国内に加え、英語版・中国語繁体字版Renta!の直営サイト運営や海外取次会社アルド・エージェンシー・グローバルを通じた多言語展開も行う。

セガサミーホールディングスとの合弁会社JadeComiXによるWebtoonオリジナルIP創出も推進中。東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

出版社・著者等からコンテンツを調達し、「Renta!」等の自社プラットフォームを通じてユーザーに販売・レンタル形式で提供する。売上高に連動して著作権利用料が発生する変動費構造を持ち、仕入実績は当期7,033百万円(売上高比約47.7%)。

広告宣伝費・販促費が主要な固定的コストとなる。海外直営サイトや取次販売による収益多様化も図る。

企業の強み

「Renta!」の会員数は1,000万人を突破しており、TVCM・SNS・クーポン配布・大手出版社との特別キャンペーン等の継続的な集客施策が顧客基盤の形成に寄与している。30周年を迎えた老舗ブランドとしての認知度と、累計販売冊数200万冊超のオリジナル人気作品群が顧客の囲い込みに機能している。

「spRash!」「タテコミ」「アニコミ」等の自社オリジナルレーベル・次世代フォーマットを展開し、他社との差別化を図る。『聖女なのに』は累計販売冊数200万冊超を達成し、アニコミ化・TV放送・サブスク配信へと展開。代替困難なオリジナルIPの蓄積が競争優位の源泉となっている。

当期末の現金及び現金同等物は8,927百万円、自己資本比率は67.1%と財務健全性が高い。重要な設備投資を必要としないビジネスモデルのため、総資産13,333百万円の大部分が流動資産で構成され、内部資金のみで運転資金・投資資金を賄う。先行投資局面においても財務的な安定性を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高は14,740百万円(前期比6.5%減)と5期連続の減収となった。ただし営業利益は127百万円と前期の営業損失309百万円から黒字転換を果たした。

販売費及び一般管理費が7,867百万円から6,709百万円へ大幅圧縮されたことが主因であり、売上減少を費用削減でカバーした構図である。外部要因として、個人情報保護法改正に伴うターゲティング広告規制強化による広告効率低下と販促効果の弱まりが市場全体の成長減速を招いており、同社の売上回復を阻む構造的逆風となっている。

2026年3月期の経常利益は481百万円と大幅改善したが、麹町税務署による税務調査の結果、2023年3月期から2025年3月期分の過年度法人税等230百万円を一括計上した。これにより法人税等合計が598百万円に膨らみ、親会社株主に帰属する当期純損失は4百万円となった。

税務調査に起因する一時的費用が収益の実態を歪めており、投資家は経常利益ベースの改善と最終損益の乖離を峻別して評価する必要がある。

IP制作事業のセグメント損失は前期の142百万円から281百万円へ拡大し、売上高はゼロにとどまった。JadeComiXによる「ZETooN」第一弾ラインアップは2025年12月に配信開始したばかりで収益化は未定である。

また、2027年3月期の業績予想では売上高15,328百万円(前期比4.0%増)・営業利益334百万円(同162.4%増)と増収増益を見込む一方、経常利益は391百万円(同18.7%減)と減少を予想しており、営業外収益(為替差益284百万円等)の剥落が示唆される。先行投資継続と収益化の見通しに不確実性が残る。

成長戦略

次世代コンテンツ・海外展開・グローバルIP創出の三軸で収益構造転換を目指す

TVCM・動画・SNS等の多様な広告媒体を組み合わせた集客施策と、クーポン・ポイント還元等の販促施策を継続展開。会員数1,000万人突破を記念した特設企画やパピレスサービス開始30周年記念キャンペーンを実施し、一般顧客層へのさらなる拡大を図る。

5G端末向け縦スクロールコミック「タテコミ」の拡充と、マンガにモーション・音声を付加した「アニコミ」の制作体制強化を継続。累計200万冊超の人気作『聖女なのに』のアニコミ化・TV放送・サブスク配信を実現。縦型ショート動画・ショートドラマ等の新フォーマット展開で若年層獲得を狙う。

英語版・中国語繁体字版Renta!の直営サイトにおける集客・サイト改良・コンテンツ拡充を推進。

海外取次会社AAGを通じた英語・中国語・韓国語コンテンツの取次販売で販路拡大。中国語簡体字圏・韓国市場も視野に入れた海外向けサービス強化を計画。

「Anime NYC 2025」出展等で現地ブランディングを強化。

セガサミーホールディングスとの合弁JadeComiXが運営するWebtoonレーベル「ZETooN」にて2025年12月にオリジナル新作4タイトルの独占先行配信を開始。出版・映像・ゲーム等へのIPメディアミックス展開による収益多様化を目指す。当期セグメント損失は281百万円で先行投資段階が継続。

次世代コンテンツの開発・制作を担う完全子会社ネオアルドを2026年4月1日付で吸収合併。経営資源の最適化と業務効率の向上を実現し、次世代コンテンツ開発機能の内製化により持続的成長体制を強化する。共通支配下の取引として会計処理予定。

最終更新: 2026年7月19日