事業内容
テックファームホールディングス㈱は、1991年創業・2008年上場の独立系ITグループ持株会社(東証グロース)。連結子会社6社を擁し、主力の「ICTソリューション事業」では業務・基幹システムの受託開発・運用保守をワンストップで提供。
顧客はサプライズクルー(売上高1,532百万円)・マイナビ(961百万円)など多業種の大手企業に及ぶ。第二の柱として「クロスボーダー流通プラットフォーム事業」を展開し、シンガポール直営店舗・ECサイトを通じて日本の農産品・食品等の海外輸出を支援。
AI・XR・ドローン等の先端技術研究にも積極投資し、産業イノベーション領域への事業拡大を志向している。
ビジネスモデル
売上高の約92%を占めるICTソリューション事業は、社内エンジニアの高稼働率と大型案件の継続受注により安定収益を確保する受託開発型モデル。2025年6月期のセグメント利益率は21.3%に達した。
クロスボーダー流通プラットフォーム事業は現在強化フェーズにあり、シンガポール拠点のリアル店舗・EC・デジタルマーケティングを組み合わせた自社サービス型モデルで収益構造の変革を目指す。M&AやEBITDAを経営指標に据え、事業規模拡大と収益多様化を並行推進している。
企業の強み
2025年6月期のICTソリューション事業は売上高6,197百万円(前年同期比30.1%増)、セグメント利益1,320百万円(同67.3%増)と過去最高を更新。期末受注残高は3,021百万円(前年同期比148.8%)と高水準を維持しており、次期以降の売上貢献が見込まれる安定した受注基盤を有する。
主要顧客の㈱サプライズクルーへの販売高は1,532百万円(総販売実績の22.8%)、㈱マイナビへは961百万円(同14.3%)と、大型顧客との継続的な取引関係が業績を牽引。受注高7,188百万円(前年同期比133.7%増)は、顧客との関係深化による案件拡大を示している。
1991年創業以来、独立系ソフトウエア会社として多業種でICT知見を蓄積。ISO/IEC27001・プライバシーマーク等の情報セキュリティ認証を保有し、顧客の機密情報を扱う基幹システム開発における信頼性を担保。2025年6月期の営業利益率は11.2%(前年同期4.7%)と大幅改善を実現した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高は5,177百万円(前年同期比4.5%増)と堅調に拡大し、ICTソリューション事業は過去最高を更新。一方、営業利益は494百万円(同23.4%減)、経常利益522百万円(同20.7%減)、親会社株主帰属四半期純利益317百万円(同20.8%減)と利益面は大幅に悪化。
売上原価が3,621百万円(前年同期3,267百万円)と増加し、売上総利益率が低下したことが主因。外部要因として「2025年の崖」対応需要や生成AI投資活発化という追い風が売上を支える一方、エンジニア給与水準見直しや教育投資等の戦略的コスト増が利益を圧迫している。
過去5期の推移では2025年6月期に売上高6,706百万円・営業利益750百万円と急回復したが、2026年6月期は利益水準が前期を下回る見通し(通期予想営業利益600百万円、同19.9%減)。
成長戦略
ICT事業のAI活用深化と大型案件拡大、クロスボーダー事業の黒字化・多国展開でグループ成長を目指す
大型案件獲得方針を継続し、金融・官公庁・流通等の多業種で受注残高を積み上げる。2025年6月期末受注残高3,021百万円の高水準を維持しており、既存顧客との関係深化と新規顧客開拓を並行して推進している。
開発プロセスへのAIエージェント導入による開発期間短縮と、AI活用を前提とした開発基盤の標準化・スケール化を推進。生成AIなどの研究開発・技術検証も継続実施し、顧客向けAI活用案件の提案拡大につなげる。
エンジニアの給与水準見直しとプロジェクトマネジメント能力・専門スキル向上を目的とした体系的な教育投資を実施中。短期的には利益を圧迫するが、中長期的な人材競争力と顧客支援力の向上を目指す。
案件規模・採算を重視した顧客ポートフォリオ再構築を進め、地方公共団体・地域商社・金融機関等と連携した提案型案件へシフト。㈱ディーエムエスとの業務提携で物流とプロモーションを融合した高付加価値サービスを構築し、シンガポール以外への多国展開も視野に入れる。
最終更新: 2026年7月17日

