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セーレン株式会社

3569東証プライム繊維製品

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セーレン株式会社3569

事業内容

セーレン株式会社は1923年創業の福井発の繊維メーカーで、現在は当社・連結子会社26社・関連会社1社で構成されるグループを形成する。主力の車輌資材事業(連結売上高の約67%)では自動車シート材・エアバッグを国内外13拠点で製造・販売し、トヨタ・ホンダ等国内主要自動車メーカーのほか北米・アジア・欧州の自動車メーカーを顧客に持つ。

ハイファッション・エレクトロニクス・環境生活資材・メディカルの4セグメントも展開し、独自デジタル生産システム「Viscotecs®」や繊維技術から派生した半導体・宇宙関連素材など高付加価値領域への多角化を進めている。2026年3月期の連結売上高は171,765百万円と過去最高を更新した。

ビジネスモデル

原糸製造から縫製・加工・販売までの「一貫生産体制」と、独自デジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」を組み合わせ、小ロット・短納期・在庫レスの製造を実現する。車輌資材では国内外の自動車メーカーへの直接供給でBtoB収益を確保しつつ、エレクトロニクス・メディカル等の高利益率セグメントで収益ポートフォリオを多様化。

研究開発費5,920百万円(2026年3月期)を継続投入し、技術優位を維持することで価格競争を回避する高付加価値モデルを志向している。

企業の強み

「Viscotecs®」は企画・製造・販売の流通一貫機能と一貫生産体制を融合した自社開発システムで、小ロット・短納期・在庫レスを実現する。衣料・車輌内装・非繊維素材への加飾など複数領域に横展開しており、競合が短期間で模倣困難な技術的参入障壁を形成している。

米国・メキシコ・ブラジル・タイ・インドネシア・インド・中国・ハンガリーに製造・販売拠点を持ち、主要自動車生産国をほぼ網羅する。2026年3月期の車輌資材売上高は115,258百万円・営業利益率14.1%を達成しており、グローバル分散生産体制が収益安定に寄与している。

エレクトロニクスセグメントでは防塵衣用導電糸「ベルトロン」、ワイピングクロス「ザヴィーナ」、シリコンウェーハ酸化膜加工、人工衛星製造など繊維技術派生の高付加価値製品を展開。2026年3月期の同セグメント営業利益率は23.1%と全セグメント最高水準を記録し、研究開発費849百万円を継続投入している。

エンヴァリスの着眼点

車輌資材セグメントが連結売上高の約67%・営業利益の約78%を占める高依存構造は変わらない。2027年3月期予想では経常利益が前期比4.1%減・当期純利益が3.8%減と減益見通しであり、米国の通商政策(関税)や地政学リスクが北米・メキシコ拠点の収益に与える影響が最大の下振れリスクとして意識される。

外部要因として円安水準の継続が海外事業の円換算収益を下支えしている側面もあり、為替動向の変化にも留意が必要。

エレクトロニクスセグメントは2026年3月期に売上高前期比21.9%増・営業利益67.2%増と突出した成長を示した。市場環境として生成AIデータセンター投資拡大・半導体需要回復・宇宙関連市場の拡大が追い風となっているが、自社固有の技術優位(ベルトロン・ザヴィーナ等)が差別化を支えている点は評価できる。

一方、ゲーム機・モバイル端末向け商材の需要変動リスクや、人工衛星売上の一時的寄与の有無など、成長の持続性を見極める必要がある。

2027年3月期会社予想は売上高190,300百万円(前期比10.8%増)と増収を見込む一方、経常利益21,100百万円(前期比4.1%減)・当期純利益15,000百万円(同3.8%減)と減益見通し。2026年1月に連結化したNBセーレン㈱の通期寄与が売上増に貢献する見込みだが、企業結合に係る特定勘定4,491百万円の計上や統合コスト、米国関税政策の不確実性が利益を圧迫する可能性がある。

統合シナジーの早期顕在化と各セグメントの収益性改善が株価評価の分岐点となろう。

成長戦略

IT化・非衣料非繊維化・グローバル化・企業体質改革の4軸で高付加価値事業を拡大

独自デジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」のさらなるレベルアップに加え、AIやロボットを活用した生産工場のスマートファクトリー化を推進。小ロット・短納期・在庫レスの差別化製造モデルを深化させ、ハイファッション事業の収益性改善と新規顧客開拓を目指す。

繊維技術から派生した応用化学・機械工学・ITを活用し、半導体(シリコンウェーハ成膜加工・防塵衣用導電糸)・宇宙(人工衛星部材)・医療等の成長分野への事業拡大を推進。エレクトロニクスセグメントが2026年3月期に前期比67.2%増益を達成し、戦略の有効性が実証されつつある。

米国関税政策等の国際市場環境変化に柔軟・迅速に対応しつつ、メキシコ・アジア拠点での新規車種立上げや受注拡大を推進。最適地生産・最適地仕入によるグループ経営強化と新興国市場での収益拡大を目指す。2026年3月期の海外車輌資材事業は増収・増益を達成した。

2026年1月にNBセーレン㈱を連結子会社化し、産業資材向け繊維・不織布・貼付材向け短繊維・包装フィルム原料販売等の事業領域を取得。連結範囲の変更を伴う子会社株式取得支出7,539百万円を投下。

2027年3月期は通期寄与による売上増が見込まれるが、統合コスト・企業結合に係る特定勘定4,491百万円の影響も残る。

最終更新: 2026年7月19日