株式会社力の源ホールディングス logo

株式会社力の源ホールディングス

3561東証プライム小売業

株式会社力の源ホールディングス logo
株式会社力の源ホールディングス3561

事業内容

株式会社力の源ホールディングスは、1985年創業の博多ラーメン専門店「一風堂」を中核ブランドとし、国内173店舗・海外16カ国144店舗の合計317店舗を展開するグローバル飲食持株会社である。国内では「一風堂」「RAMEN EXPRESS」「因幡うどん」「名島亭」等の複数ブランドを直営・暖簾分け(ライセンス)形態で運営し、海外では「IPPUDO」ブランドを直営およびライセンスパートナー経由で展開する。

さらに麺・スープ等の製造販売・EC事業を担う商品販売事業を有し、食材の生産から流通・販売までを一貫して手がける垂直統合型の事業モデルを志向している。主要顧客は国内外の一般消費者であり、インバウンド需要も重要な集客源となっている。

ビジネスモデル

収益は①直営店舗での飲食売上(国内・海外)、②暖簾分け・ライセンス契約先からのロイヤリティ収入(国内23店舗・海外複数国)、③麺・スープ等の製造卸・EC販売による商品販売収入の三層で構成される。直営店が売上の大半を占める一方、ライセンス事業は固定費を抑えた資産軽量型の収益源として機能する。

商品販売事業は利益率12.7%と最も高く、グループ全体の収益性を補完している。

企業の強み

1985年創業の「一風堂」は41年の歴史を持ち、国内143店舗・海外131店舗(IPPUDO)を展開する。世界16カ国・地域への直営・ライセンス展開を実現しており、中国・香港、マレーシア、タイ、フィリピン等の主要アジア市場でライセンスパートナーとの長期契約(5〜10年)を締結済みである。

この蓄積されたブランド認知と国際展開ノウハウは競合が短期間で模倣困難な固有資産である。

社内独立支援制度(暖簾分け)は2010年にスタートし、2026年3月末時点で国内23店舗がライセンス形態で運営されている。元従業員が店主となる仕組みにより、グループの直接投資を抑えながらブランド展開を加速できる。

ロイヤリティ収入は売上高連動型であり、固定費負担なく収益を積み上げられる構造が国内事業の収益安定性に寄与している。

商品販売事業のセグメント利益率は12.7%(2026年3月期)と三事業中最高水準である。国内B2B営業強化に加え、アメリカ・台湾・韓国等の量販店向け新規取引を開始し海外販路を拡大した。

自社ECサイトでの定期便制度導入による継続購買促進、コンビニ・食品メーカーとのコラボ商品展開など、複数チャネルを通じた販路多角化が利益率の維持・向上を支えている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高36,261百万円(前期比6.1%増)と6期連続増収を達成した一方、営業利益は2,325百万円(前期比17.3%減)と2期連続で減少し、営業利益率は6.4%まで低下した。2024年3月期のピーク(10.4%)から4.0ポイント悪化しており、原材料・人件費・物流費の上昇が利益を圧迫している。

2027年3月期予想では営業利益率6.5%への小幅回復を見込むが、抜本的な収益性改善には至っていない。

海外店舗運営事業のセグメント利益は870百万円(前期比22.6%減)と大幅に悪化し、利益率は6.0%にとどまる。世界的なインフレによる原材料・人件費・家賃コストの上昇に加え、異常気象・治安悪化による来店客数減少、新規出店遅延によるコスト増が重なった。

外部要因として円安・地政学リスクも継続しており、シフト調整・原材料見直し等のコスト削減効果が本格的に顕在化するかが2027年3月期の焦点となる。

国内店舗運営事業は売上高17,417百万円(前期比12.0%増)と堅調に推移し、M&Aによる楓・奏ブランド取得や新規出店(純増17店舗)が寄与した。配当は2026年3月期に1株当たり20円(前期比2円増)、2027年3月期予想は創業40周年記念特別配当2円を含む24円(配当性向40.3%)と5期連続増配を予定しており、株主還元姿勢は明確である。

ROEは16.1%と前期(17.6%)から低下しており、利益成長による改善が求められる。

成長戦略

国内出店加速・海外コスト改善・商品販売拡大・M&Aによる多角的成長

従来の人口密集地・商業施設に加え、都心部近郊の中商圏・ロードサイドへの出店を積極化。2026年3月期に一風堂12店舗・因幡うどん1店舗を出店し国内173店舗へ拡大。2026年4月より9店舗で現場力推進ブロックを創設し、チャーハン自動調理器等DX施策と組み合わせて収益性向上を図る。

2025年9月にスペイン初出店、2027年3月期にはドイツ出店を計画。アメリカ中西部エリアのライセンスによる新規出店も推進。既存市場ではシフト調整・原材料見直し等のコスト削減を継続し、効果の顕在化を図る。2026年3月期は海外144店舗(前期末比4店舗増)。

2025年10月にインドネシアでハラル業態「Ramen Mania」を新規出店。イスラム圏の巨大市場を取り込む新規ブランド戦略として、インドネシアを起点に展開国の拡大を検討している。食の多様性への対応と新規市場開拓を同時に実現する施策。

2026年3月期にアメリカ・台湾・韓国等の大型量販店向けに新規取引を開始し、海外販路を拡大。プラントベース白丸・赤丸乾麺タイプの需要が見込める市場への展開を継続。国内では一風堂関連商品のB2B営業強化と自社ECサイトの拡充を推進。

2026年3月期に楓ブランド6店舗・奏ブランド2店舗をM&Aにより取得し、国内事業の規模拡大と多様化を図った。因幡うどん・名島亭の出店エリア拡大も検討しており、「一風堂」以外のブランドによる新商圏開拓を継続する方針。

最終更新: 2026年7月19日