事業内容
ダイニック株式会社は1919年創業の老舗素材メーカーで、印刷情報関連(熱転写リボン・フィルムコーティング・有機EL用水分除去シート等)、住生活環境関連(カーペット・壁装材・産業用ターポリン等)、包材関連(食品蓋材・医療用エンボス加工フィルム等)の3事業を中核とする。国内製造拠点に加え、香港・米国・英国・チェコ・シンガポール・インドネシア・中国に子会社を展開し、グローバルに製品を供給する。
主要顧客は食品・飲料・医療・金融・自動車・住宅など多岐にわたり、特定顧客への売上依存(連結売上高の10%超の顧客なし)が生じない分散型の顧客基盤を有する。2026年3月期の連結売上高は44,227百万円。
ビジネスモデル
事業部技術部門と開発技術センターが連携して機能性素材を開発・製造し、国内外の販売網を通じて多業種顧客に供給する。原材料価格高騰に対しては継続的な販売価格転嫁と原価低減活動で採算性を維持する。
海外子会社(12カ国・地域)を活用した輸出販売により円安メリットも享受する構造で、売上高経常利益率5%以上・ROE向上を経営指標に掲げる。
企業の強み
熱転写リボン(TTR)は食品包材用途で国内・海外向けともに堅調に推移し、2026年3月期の印刷情報関連事業売上高22,393百万円(前年度比0.7%増)を牽引した。海外販売網(香港・米国・英国・チェコ・シンガポール等)を活用した多地域展開が競合との差別化要因となっている。
水分除去シート「HGS」は極めて高い吸湿能力により有機ELなど水分を嫌う電子デバイスに採用され、海外市場で高く評価されている。シートタイプに加えペーストタイプ(硬化タイプ)の開発により受注が増加しており、アルミ電解コンデンサー導電層用水系塗料の販売も好調に推移している。
医療用パップ剤用エンボス加工フィルムは海外向け受注が好調に推移し、2026年3月期の包材関連事業売上高7,991百万円(前年度比4.0%増)・営業利益425百万円(前年度比4.5%増)に貢献した。顧客との協業による海外市場への販促体制が構築されており、継続的な受注拡大が見込まれる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期38,946百万円から2026年3月期44,227百万円へ5期連続増収。営業利益は2023年3月期755百万円を底に回復し、2026年3月期は2,304百万円(前年度比7.9%増)と過去5期で最高水準。
外部要因として原材料・燃料価格高騰に対する継続的な販売価格転嫁と円安効果が利益改善に寄与。自己資本比率は48.3%(前年度43.5%)に改善し、ROEは8.8%(同5.2%)へ大幅向上。
次期(2027年3月期)は売上高46,300百万円・営業利益2,700百万円を予想するが、特別利益剥落により当期純利益は1,960百万円と減少見込み。
成長戦略
新中期計画SOLID FOUNDATION2029で選択と集中・採算改善・企業価値向上を推進
食品包材用途の熱転写リボンは国内・海外向けともに堅調推移。フィルムコーティング製品は自動販売機向け環境対応素材の好調と新規用途開発を継続し、印刷情報関連事業の収益基盤を強化する。2026年3月期セグメント売上高22,393百万円・営業利益率10.2%を達成済み。
医療用パップ剤向けエンボス加工フィルムの海外受注拡大と食品蓋材・紙器の新規顧客獲得を推進。設備投資448百万円(2026年3月期)による生産能力・品質向上を継続し、セグメント売上高・利益の安定成長を図る。
壁装材の構造的低収益と産業用ターポリンの市況低迷に対し、新中期計画「SOLID FOUNDATION2029」(2026年4月開始)において不採算分野の見直しと高付加価値品比率向上を推進。展示会用カーペット・住宅用床吸音材等の堅調分野に経営資源を集中する。
2026年3月期において営業利益達成率100.2%、経常利益達成率102.4%、ROE達成率145.8%を記録し、最終年度目標を概ね達成。2026年4月から新中期計画SOLID FOUNDATION2029を始動し、販売強化・採算改善・開発強化・非財務項目への取り組みを一層強固にする。
最終更新: 2026年7月19日

