事業内容
株式会社串カツ田中ホールディングスは、1998年創業・2008年に串カツ田中1号店を開業した外食持株会社。主力の「串カツ田中」は2025年11月期末時点で全国357店舗(直営188店・FC169店)を展開し、大阪伝統の串カツ文化を全国に普及させることを長期目標に掲げる。
飲食事業に加え、手作りお惣菜の冷蔵宅配サブスク「つくりおき.jp」を手がけるハウスミール事業、グループ店舗の内装工事を内製化する内装工事事業、「天のめし」等の新業態を育成する国内その他セグメントを擁し、多角的な収益基盤の構築を進めている。主要顧客層は家族連れから会社員・インバウンド客まで幅広く、客単価約2,900円の大衆価格帯で高い来店頻度を実現している。
ビジネスモデル
串カツ田中セグメントでは直営店売上(13,219百万円)・FC向け商品売上(3,301百万円)・ロイヤリティ収入(611百万円)の三層構造で収益を確保。内装工事事業(株式会社ジーティーデザイン)が新規出店の内装を内製化することでコストを抑制しつつ外部受注も獲得。
ハウスミール事業はサブスクリプション形式で安定受注を確保。各事業が相互にシナジーを生む垂直統合型モデルを志向している。
企業の強み
2025年11月期の串カツ田中既存店売上高は全12ヶ月で前年同月比を上回り、通期平均113.1%を達成。客数も同113.1%と増加が主因であり、「無限ニンニクホルモン串」等の新定番商品投入やSNS・メディア活用による認知拡大が集客を牽引した。
連結子会社・株式会社ジーティーデザインが直営店出店の内装工事を内製化し、出店コストを低減。2025年11月期の外注実績は前期比150.1%と外部受注も好調で、グループ内需要と外部受注の両輪で売上高1,867百万円(セグメント利益102百万円)を計上した。
2024年5月に営業開始したハウスミール事業は、2025年11月期に売上高1,302百万円(前期比484.8%)を計上し、セグメント利益44百万円の黒字転換を達成。人材採用強化によるキッチン稼働率向上でフル稼働状態が定着し、サブスクリプション形式による安定受注基盤を確立した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期4,984百万円→2025期21,092百万円と5期連続増収を達成し、2026年11月期中間期は17,859百万円(前年同期比73.4%増)とピソラ連結化で加速。一方、営業利益は813百万円(同20.2%増)と増益を確保したものの、ピソラ関連ののれん償却295百万円・支払利息104百万円・取得関連費用83百万円等が経常利益以下を圧迫し、親会社帰属純利益は366百万円(同40.0%減)に落ち込んだ。
外部要因として原材料・エネルギーコストの高止まりや人件費上昇が販管費を押し上げており(販管費前年同期比202.4%増)、売上総利益率は改善(63.6%→63.6%で横ばい)しているものの、M&A後の財務コスト増加が利益構造を大きく変化させている。通期予想純利益500百万円(前期比32.8%減)は前期比減益見通しが継続する。
成長戦略
串カツ田中1,000店舗体制の構築とM&Aによる多業態展開で飲食グループの規模拡大を加速
2026年11月期中間期に8店舗を新規出店し期末352店舗に到達。「無限串」等ヒット商品による集客力を背景に出店ペースを維持。内装工事内製化によるコスト低減が出店加速を支援。1,000店舗目標に対し現状352店舗と依然大きなギャップが存在する。
2025年12月1日付でピソラを取得原価9,500百万円で完全子会社化し連結化完了。2026年11月期中間期売上高6,346百万円(計画比102.0%)、のれん償却前営業利益391百万円(計画比107.8%)と計画超過で推移。
キッズメニュー無料化・月替わりクラフトメニュー投入等で集客力強化中。のれん(暫定8,855百万円、15年均等償却)の取得原価配分が未了であり確定値に注意が必要。
「京都天ぷら天のめし」を筆頭に「富之上」「ザ・メンチ」等の新業態を展開。2026年11月期中間期に4店舗新規出店し期末12店舗。
インバウンド需要の取り込みを強化しつつ業態磨き上げを継続。国内その他セグメントは売上588百万円(前年同期比161.7%増)も営業損失64百万円と赤字継続中であり、黒字化が課題。
飲食事業への経営資源集中とポートフォリオ最適化方針のもと、株式会社Antwayとの業務提携を解消しハウスミール事業の譲渡に向けた基本合意書を2026年6月15日に締結。事業譲渡予定日は2026年11月30日。
2025年11月期の本件事業売上高は1,303百万円(連結比6.2%)。譲渡価額・譲渡先は未定。
「TANAKA」ブランドで海外展開を推進。2026年11月期中間期に1店舗新規出店し期末4店舗。「食・旅・体験をデザインするグローバル・ライフスタイルサービス企業へ」という長期目標の一環として位置づけられているが、現状は規模が小さく業績への貢献は限定的。
最終更新: 2026年7月17日

