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アツギ株式会社

3529・東証スタンダード・繊維製品

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アツギ株式会社3529

事業内容

アツギ株式会社は1947年創業の老舗繊維メーカーで、ストッキング・タイツ・パンティストッキング等のレッグウェアおよびインナーウェアの製造・販売を中核事業とする。国内外に連結子会社8社を擁し、中国・煙台の自社工場での生産を含むグローバルなサプライチェーンを構築している。

主要顧客はしまむら(売上高の28.5%)をはじめとする衣料専門店・EC・OEM取引先。繊維事業のほか、神奈川県海老名市を中心とした不動産賃貸・販売事業、介護用品販売・グループホーム運営・太陽光発電売電を手掛けるその他事業を展開し、グループ全体の売上高は21,469百万円(2026年3月期)。

ビジネスモデル

繊維事業では自社ブランド商品の卸売・EC販売に加え、OEM(相手先ブランド製造)による受託製造販売を展開し、売上高20,156百万円を計上する。一方、不動産事業は売上高697百万円ながら営業利益率77.2%と高収益で、グループ唯一の安定黒字セグメントとして繊維事業の損失を部分的に補填する構造となっている。

資金調達は自己資金を基本とし、必要に応じて金融機関借入を活用する。

企業の強み

1947年創業以来、ストッキング・タイツ・パンティストッキングの製造販売を継続し、国内レッグウェア市場で長年にわたるブランド認知を構築。2025年秋冬には多足組タイツブランド「Atsugi TIGHTS」をリニューアルし、全商品にサステナブル素材を採用するなど、ブランド刷新を継続的に実施している。

不動産事業は売上高697百万円に対し営業利益538百万円・営業利益率77.2%を達成し、グループ唯一の黒字セグメントとして機能する。2024年10月開始の海老名市土地賃貸が2026年3月期に通期寄与し、前年同期比9.1%増収・10.9%増益を実現した。

自己資本比率80.2%の財務基盤と合わせ、繊維事業の赤字を下支えする構造的な安定収益源となっている。

インナーウェア分野ではOEM販売・EC・衣料専門店販路が好調で、前年同期比0.9%増の9,095百万円を計上。研究開発費391百万円を投じ、「スルッと着圧」「NUDE Make(ヌードメイク)」等の機能性高付加価値商品を継続的に市場投入している。卸売チャネルへの展開拡大など販路多様化も進めている。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期1Qは売上高4,399百万円(前年同四半期比2.1%増)と微増したものの、営業損失は607百万円(前年522百万円の損失)に拡大した。会社は収益構造の改革を含む抜本的な見直しに着手しており、業績への影響を合理的に算定できないため通期業績予想を未定としている点は、投資家にとって業績の予見可能性を著しく低下させる異例の対応であり、今後の改革内容の開示が最大の注目点となる。

長引く円安基調による調達コストの高止まりに加え、原燃料価格・物流費・人件費の上昇が収益性改善を阻害している。一部商品の価格改定を実施したものの、コスト上昇を吸収できておらず、繊維事業の営業損失は730百万円(前年638百万円の損失)に拡大した。

消費者の節約志向による販売数量の伸び悩みも重なり、構造的なコスト高と需要低迷の二重の逆風が続いている。

会社は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在すると認識しつつも、政策保有株式等の資産売却を通じたキャッシュ・フロー改善、中国自社工場の自動化推進による原価低減、アセアンでの供給体制強化等の対応策により、重要な不確実性は認められないと判断している。自己資本比率80.1%という高い財務基盤が対応策実行の時間的余裕を生んでいる点は評価できるが、実効性の検証が今後の焦点となる。

成長戦略

収益構造の抜本的見直しと高付加価値化・資産活用による業績回復

2027年3月期の業績予想を未定とし、収益構造の改革を含む抜本的な見直しに着手。内容確定後に公表予定であり、改革の具体化が今後の最大のカタリストとなる。

一般医療機器として認可されたむくみ改善効果を有する段階着圧ソックス等、メディカル用途参入とヘルスケア商品拡大により単価改善を図る。

中国自社工場(煙台)にて自動化推進のための設備投資を実施中。生産体制の効率化によりコスト構造を改善し、円安下での調達コスト高を緩和する狙い。

自己資本比率80.1%の高い財務基盤を活かし、政策保有株式等の資産売却を進めることでキャッシュ・フロー改善を図り、財務面の対応策を強化する方針。

最終更新: 2026年8月2日