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イチカワ株式会社

3513東証スタンダード繊維製品

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イチカワ株式会社3513

事業内容

イチカワ株式会社は1918年創業、1951年東証上場の抄紙用具専業メーカーである。主力製品は製紙工程で使用される抄紙用フエルト・抄紙用ベルト(シュープレス用ベルト等)で、国内唯一の製造拠点(柏・岩間工場)から世界各地に供給する。

連結子会社7社を通じ北米・欧州・中国・タイに販売拠点を展開し、2026年3月期の海外売上高比率は63.4%に達する。主要顧客は国内外の製紙・板紙メーカーであり、衛生用紙向けベルトを中心に品質面での国際的評価を背景にグローバルシェア拡大を推進している。

工業用フエルト事業も手掛けるが、売上高の大部分は抄紙用具関連事業が占める。

ビジネスモデル

製造機能を日本(柏・岩間工場)に集約し、海外子会社(北米・欧州・中国・タイ)が各地域で販売する垂直分業モデルを採用する。日本セグメントが海外子会社へ製品を内部供給(2026年3月期内部売上高4,073百万円、前期比24.7%増)し、各地域子会社が現地顧客へ販売することで為替差益も取り込む構造となっている。

衛生用紙向けベルト等の高付加価値製品の拡販と生産効率化を両輪に、営業利益率10.6%(2026年3月期)を実現している。

企業の強み

製造機能を日本に集約し、シュープレス用ベルトは1988年に米国へ初輸出して以来、品質面で世界的評価を獲得している。2026年3月期にベルト新生産設備が稼働し生産能力を向上。

日本セグメントの営業利益は2,964百万円(前期比8.8%増)と高収益を維持しており、製造拠点集約による技術・品質管理の優位性が収益基盤を支えている。

1984年の米国現地法人設立を皮切りに、2001年欧州、2005年中国、2018年タイと段階的に販売拠点を構築。2026年3月期の海外売上高は9,376百万円(前期比11.1%増)、海外売上高比率63.4%に達する。

北米・欧州・中国・タイの全拠点で増収を達成しており、長年かけて構築した販売網が競合他社の短期模倣を困難にしている。

2026年3月期末の純資産は24,070百万円、総資産32,078百万円に対し負債は8,008百万円にとどまる。投資有価証券は前期比1,574百万円増加し財務資産が充実。

営業CFは1,862百万円を確保し、設備投資1,981百万円を自己資金で賄いながら配当351百万円・自己株取得483百万円を実施できる財務体力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高14,791百万円(前期比6.1%増)、営業利益1,570百万円(同46.3%増)、親会社株主帰属当期純利益1,173百万円(同50.0%増)と過去最高水準の利益を達成。しかし2027年3月期予想は売上高14,700百万円(前期比0.6%減)、営業利益1,300百万円(同17.2%減)と減収減益を見込む。

中東情勢を背景とした原燃料コスト増と、為替前提(1USD=150円、1EUR=175円)の保守的設定が主因とみられ、実績との乖離幅が注目点となる。

国内抄紙用フエルトは紙のデジタル化による構造的需要縮小が続く中、衛生用紙向けベルトが北米・欧州・中国・タイで販売数量を拡大し、グループ全体の増収・増益を牽引した。2026年3月期に稼働したベルト新生産設備(有形・無形固定資産増加額1,981百万円)の稼働率向上と投資回収の進捗が、今後の収益力を左右する重要な観察点となる。

外部売上高の約43%を海外セグメントが占め、円安局面では為替換算効果が業績を押し上げる一方、円高転換時には逆風となる。2027年3月期予想の前提為替レートは1USD=150円・1EUR=175円と設定されているが、米国関税政策や中東情勢の長期化による原燃料価格高騰も重なり、業績の振れ幅は大きい。

また、タイ子会社(ICHIKAWA ASIA CO., LTD.)の解散・清算が決議されており、連結財務諸表への影響は現在精査中である点も留意が必要。

成長戦略

NE-27でグローバル成長・収益力向上・事業基盤強化の3本柱を推進

品質面で世界的評価を受ける衛生用紙向けベルトを戦略製品と位置づけ、北米・欧州・中国・タイ全地域で拡販を推進。2026年3月期に新生産設備が稼働し生産能力が向上、2027年3月期はこの設備を最大限活用して生産効率化と供給拡大を図る。

北米・欧州・中国・タイの販売拠点を通じた抄紙用フエルト・ベルトの拡販を継続。中国では一部顧客商流を子会社販売に移管し現地対応力を強化。タイ子会社(IAC)は解散・清算し、現地代理店ネットワークを活用した東南アジア・インド市場での拡販体制へ移行する。

工業用フエルト販売子会社イチカワテクノファブリクスを2026年6月1日付で吸収合併し、「IK VISION2030」に基づく工業用事業の業績拡大と経営資源の集中・効率化を図る。連結財務諸表への影響は軽微とされており、事業運営の簡素化が主目的。

抄紙用フエルトの生産体制最適化を継続しつつ、ベルト生産設備の見直しにより高付加価値製品へのリソースシフトを推進。中東情勢を背景とした原燃料価格高騰に対し、生産効率化によるコスト吸収を図る。2027年3月期の業績予想では原燃料コスト増を主要リスクとして明示している。

最終更新: 2026年7月19日