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日本フエルト株式会社

3512東証スタンダード繊維製品

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日本フエルト株式会社3512

事業内容

日本フエルト株式会社は1917年創業の抄紙用フェルト専業メーカーで、東証スタンダード市場上場。当社グループは日本フエルト本体と子会社5社(東山フエルト、ニップ縫整、台湾惠爾得股份有限公司、日惠得造紙器材(上海)貿易有限公司、NFノンウーブン)で構成される。

主力のフェルト事業では紙・パルプ用フェルト・抄紙用ワイヤー・工業用フェルト等を製造販売し、国内製紙会社を主要顧客とする。不動産賃貸事業では本社ビル等の保有資産を活用し安定収益を確保している。

2026年3月期の連結売上高は9,398百万円。

ビジネスモデル

主力のフェルト事業は、製紙工程で消耗する抄紙用フェルト・ワイヤーを継続的に供給するストック型に近いビジネスモデルで、国内高シェアを背景に安定受注を確保する。国外は台湾・中国・インドネシア等の子会社・販売拠点を通じてアジア市場に展開。

不動産賃貸事業は本社ビルの満床稼働を中心に年間625百万円の売上・359百万円の営業利益を安定的に計上し、フェルト事業の変動リスクを補完する。

企業の強み

国内では新聞紙・上質紙・印刷用紙の生産縮小が続く厳しい市場環境下においても、高シェアを維持し続けている。板紙・家庭紙マシン向けに積極的な営業活動・品質改良を展開し、シームフェルトの耐久性向上など競合他社が模倣困難な製品技術を蓄積している。

1968年設立の台湾惠爾得股份有限公司(台湾唯一の抄紙用フェルト生産拠点)、2011年設立の上海貿易法人を含む海外拠点網を保有。2026年3月期の国外売上高は1,812百万円(前期比7.2%増)と増収に転じており、アジア市場での販売拡大を実績として示している。

本社ビルは満床状態が継続し、高齢者施設・賃貸マンション・学生寮等多様な用途への賃貸によりリスク分散を図っている。2026年3月期の不動産賃貸事業の営業利益率は約57.4%(359百万円÷625百万円)と高水準で、フェルト事業の収益変動を補完する安定収益源として機能している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は443百万円と前期比121.2%増を達成したが、その主因は売上増ではなく販管費・売上原価の削減によるものである。売上高は2023年3月期の10,400百万円をピークに4期連続で減少しており、国内紙パルプ市場の構造的縮小が続く中、トップライン回復の道筋は依然不透明。

2027年3月期予想では営業利益250百万円と前期比43.6%減を見込んでおり、コスト削減効果の一巡後の収益持続性に注目が必要。

2026年3月期の包括利益は2,857百万円と前期比198.2%増を記録したが、その大部分はその他有価証券評価差額金の増加(1,966百万円)によるものであり、本業の稼ぎを大きく上回る。時価ベースの自己資本比率は33.8%から53.6%へ急上昇しており、外部要因として株式市場の上昇が資産価値を押し上げた。

一方、本業の営業キャッシュフローは692百万円と前期の1,063百万円から減少しており、本業の現金創出力の低下には注意が必要。

2026年3月期は中国・インドネシア等アジア向け紙パルプ用フェルトの販売に持ち直しの動きが見られ、国外売上高は前期比7.2%増の1,812百万円となった。外部要因としてアジア市場の需要回復が追い風となった面がある。

しかし2027年3月期の連結業績予想は売上高9,400百万円(横ばい)、営業利益250百万円(前期比43.6%減)、経常利益600百万円(同19.7%減)と大幅な減益を見込んでおり、2026年3月期の利益水準が持続可能かどうかについて慎重な見方が必要。

成長戦略

アジア拡販・国内シェアアップ・高付加価値製品展開の三軸で収益基盤を強化

中国・インドネシア等で2026年3月期に持ち直しの動きが確認され、国外売上高は前期比7.2%増の1,812百万円を達成。需要が伸びているインドを含むアジア全域での積極的な販売活動を継続し、アジア売上比率(2026年3月期19.8%)のさらなる拡大を目指す。

国内紙パルプ市場の縮小基調が続く中、底堅い需要が見込まれる家庭紙マシン・板紙マシン向けフェルトに注力し、顧客の多様なニーズへの積極的な提案活動を通じて国内シェアの一層の拡大と売上確保を図る。

新織機など最先端設備の導入により品質向上と生産体制を強化。バルメットテクノロジーズ社製品を加えた豊富な品揃えにより顧客の幅広い要望に対応し、ワイヤー製品の拡販体制を整備済み。

国内では着実に実績を積み重ねているシュープレス用ベルトについて、海外への拡販に向けた取り組みを一層強化する方針。国内実績の蓄積を海外展開の足がかりとする。

工業用その他製品(2026年3月期売上高1,393百万円、前期比6.7%減)の立て直しに向け、防塵マスク用フィルター等の高付加価値製品に注力し、当社の強みを発揮できる製品ラインの拡充を図る。

2026年3月期に販管費を前期比348百万円削減し営業利益を前期比121.2%増に改善した実績を踏まえ、引き続き生産性向上の取り組みを推進し、安定的な利益を確保できる強固な収益構造の構築を目指す。

最終更新: 2026年7月19日