事業内容
デジタルグリッド株式会社は「エネルギーの民主化を実現する」をミッションに掲げ、2020年に商用ローンチした電力取引プラットフォーム「DGP(デジタルグリッドプラットフォーム)」を中核事業とする。DGPは発電家と需要家が専門知識・ライセンス不要で直接電力取引できる仕組みを提供し、AI需給管理システムにより複雑な同時同量管理を全自動化する。
主要顧客は高圧・特別高圧の法人需要家で、2025年7月期末時点の契約拠点数は4,901拠点、年間取扱電力量は約24億kWhに達する。電力PF事業(再エネ以外)、再エネPF事業(コーポレートPPA・非化石証書)、調整力事業(系統用蓄電池アグリゲーション)の3セグメントで構成され、2025年4月に東京証券取引所グロース市場に上場した。
ビジネスモデル
当社グループはDGP上の電力取引量(GMV)に応じた手数料を需要家からのみ受領する。電力調達コスト(JEPX市場価格・託送料金・再エネ賦課金等)は全て需要家が原価で負担するため、当社は市場価格変動リスクを原則として負わない。
売上原価の主体は代理店報酬費用であり、2025年7月期の売上総利益率は74.4%、営業利益率は44.4%と高水準を維持する。再エネPF事業では20年程度の長期PPA契約に基づく需給管理手数料がストック収益として積み上がる構造となっている。
企業の強み
東京大学と共同開発したAIモデルを活用した需給管理システムを完全内製化。DORAの4指標のうちデプロイ頻度・変更リードタイム・変更失敗率の3項目で最高ランク「エリートレベル」を達成(評価期間2022年8月〜2024年7月)。
高コスト体質の従来型小売電気事業者と比較して割安な手数料を実現し、電力PF事業の営業利益率は65.1%に達する。
GMV(取扱電力量)は2023年7月期第1四半期の51GWhから2025年7月期第4四半期には753GWhへと約15倍に拡大。契約拠点数も同期間で256拠点から4,901拠点へ増加した。
月次平均解約率は約2.9%(2024年8月〜2025年7月)と低水準を維持しており、顧客の継続利用が確認されている。
コーポレートPPAマッチングプラットフォーム「RE Bridge」の登録設備容量は2GW超(2025年7月末時点)、登録発電家数は100社超。FIT非化石証書代理調達「エコのはし」の累計仲介取扱量は20億kWhを突破。
再エネPF事業の契約は20年程度の長期契約が中心であり、長期ストック収益の積み上がりが見込まれる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年7月期第3四半期累計(9ヶ月)実績:売上高5,107百万円(前年同期比+6.6%)、営業利益2,448百万円(同+3.1%)、経常利益2,551百万円(同+12.2%)、四半期純利益1,872百万円(同+17.9%)。前期実績(2025年7月期:売上高6,154百万円、営業利益2,743百万円、当期純利益1,870百万円)と比較すると、9ヶ月時点で既に前期通期の純利益水準を超過。
売上高成長率は一桁台に落ち着いているが、営業外収益(容量拠出金精算益133百万円)の計上と上場関連費用の消滅により経常利益・純利益の伸び率が営業利益を上回る。外部要因として、ロシア・ウクライナ情勢長期化・中東地政学リスクを背景とした資源価格高騰が電力料金上昇を通じて需要家の電力コスト管理ニーズを高め、DGP利用拡大に寄与している。
成長戦略
電力PF深化・再エネPFストック積み上げ・調整力事業拡大による3軸成長
パートナー企業(代理店)との連携拡大、インサイドセールスチームによるカスタマーサクセス施策強化、オーダーメイド方式による価格高騰リスク抑制型電力提案を継続。当第3四半期累計売上高4,357百万円(前年同期比+2.9%)と安定成長を維持しているが、セグメント利益は微減であり、収益性維持が課題。
RE Bridgeにて第7回マッチングイベントを実施し契約容量向上に注力。エコのはしによるFIT非化石証書仲介取扱量の拡大も継続。
当第3四半期累計売上高493百万円(前年同期比+54.6%)、セグメント利益254百万円(同+113.5%増)と急成長中。契約済案件の運転開始による長期ストック収益が順次積み上がっている。
系統用蓄電池の最適運用を提供するアグリゲーションサービスを「調整力事業」として展開。前第3四半期累計のセグメント損失174百万円から当第3四半期累計でセグメント利益20百万円へ黒字転換を達成。有形固定資産が前期末比+1,169百万円増加しており、蓄電池への設備投資が進行中。
最終更新: 2026年7月17日

