事業内容
株式会社山王は1958年創業の精密加工メーカーで、コネクタ・スイッチ等の電子部品向けに精密プレス加工、貴金属表面処理加工(金・パラジウムニッケル・錫めっき)、インサート成形加工の3工程を一貫して提供する。国内は神奈川・福島の複数拠点、海外はフィリピン子会社SPMCを擁し、車載・通信・産業機器・パソコン・スマートフォン等の幅広い用途に対応。
主要顧客はJAE Philippines Inc.(売上高比率20.7%)、株式会社鈴木(同10.9%)等のコネクタメーカー。東証スタンダード市場上場。
2024年11月には射出成形技術を持つ明王化成を子会社化し、加工領域を拡充した。
ビジネスモデル
顧客であるコネクタメーカーから精密プレス加工・表面処理加工・インサート成形加工を一括受注し、金型設計・製作から量産納品まで一貫対応することで高付加価値を実現する。1,000分の1ミリレベルの寸法管理や精密部分金めっき等の高難度技術を武器に差別化を図り、国内複数拠点体制で車載・通信・産業機器向けに安定供給する。
主材料のシアン化金カリウムは現金購入でコスト管理を徹底し、設備投資は金融機関借入で賄う。
企業の強み
精密プレス加工(材料厚0.05mm・ピッチ0.25mmまで対応)、貴金属表面処理加工(精密部分金めっき・パラジウムニッケル合金めっき等)、インサート成形加工を自社完結で提供。一貫受注体制により品質・価格・納期の総合対応力を持ち、顧客の工程集約ニーズに応える。
国内は東北事業部・鈴川技術センター・秦野プレス技術センター等の複数拠点、海外はフィリピンSPMCを展開。2025年7月期の設備投資総額は809百万円(国内600百万円、SPMC209百万円)で、東北事業部の新ライン建設を中心に生産能力を積極増強している。
2017年に金属複合水素透過膜特許を取得。東京科学大学・産業技術総合研究所との共同研究契約を締結し、既存の貴金属めっき技術を応用した低コスト・高透過量の水素透過膜の事業化開発を推進。カーボンニュートラル関連の新規事業領域として位置づけている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2021期8,052百万円→2023期9,563百万円→2024期8,802百万円と一時減速したが、2025期10,830百万円で急回復。2026年7月期は第3四半期累計(9ヶ月)で既に11,050百万円(前年同期比+42.4%)に達し、通期予想13,000百万円に対する進捗率は85%。
営業利益は累計1,582百万円(前年同期比+111.1%)と通期予想1,400百万円を既に超過。外部要因として生成AI・データセンター関連需要を背景とした産業機器向け分野の拡大基調、自動車ADAS関連の堅調な需要が業績を牽引。
包括利益は1,759百万円(前年同期比+274.7%)と為替換算調整勘定(+233百万円)も寄与。自己資本比率は57.2%に改善し、1株当たり純資産は1,942円(前期末1,562円)に上昇した。
成長戦略
先端製品分野への受注拡大・一貫加工体制深化・設備投資継続で持続的成長を目指す
自動車用ADAS関連、半導体関連、AIサーバー関連、スマートフォン等の先端製品分野を中心とした成長領域への受注拡大を継続推進。2026年7月期第3四半期累計で売上高11,050百万円(前年同期比+42.4%)と顕著な成果を上げており、戦略の有効性が確認されている。
2025年11月14日取締役会決議、2026年2月1日効力発生で完全子会社の株式会社明王化成を吸収合併。金属部品と樹脂のインサート成形技術を統合し、経営資源の集約・業務効率化・一貫加工体制の深化によるビジネス拡大と競争力強化を図る。
めっきの新ラインを稼働させ、生産能力の増強および品質安定性の向上を実現。旺盛な受注需要に対応する供給体制を整備するとともに、微細めっき技術の高度化を促進し、高付加価値製品への対応力を強化する。
製造工程の自動化・効率化を継続的に取り組み、生産性向上と競争力強化を推進。金型製造技術の高度化も並行して促進し、原材料価格等コスト増加分の適切な価格転嫁と合わせて収益基盤の強化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

