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株式会社山王

3441東証スタンダード金属製品

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株式会社山王3441

事業内容

株式会社山王は1958年創業の精密加工メーカーで、コネクタ・スイッチ等の電子部品向けに精密プレス加工、貴金属表面処理加工(金・パラジウムニッケル・錫めっき)、インサート成形加工の3工程を一貫して提供する。国内は神奈川・福島の複数拠点、海外はフィリピン子会社SPMCを擁し、車載・通信・産業機器・パソコン・スマートフォン等の幅広い用途に対応。

主要顧客はJAE Philippines Inc.(売上高比率20.7%)、株式会社鈴木(同10.9%)等のコネクタメーカー。東証スタンダード市場上場。

2024年11月には射出成形技術を持つ明王化成を子会社化し、加工領域を拡充した。

ビジネスモデル

顧客であるコネクタメーカーから精密プレス加工・表面処理加工・インサート成形加工を一括受注し、金型設計・製作から量産納品まで一貫対応することで高付加価値を実現する。1,000分の1ミリレベルの寸法管理や精密部分金めっき等の高難度技術を武器に差別化を図り、国内複数拠点体制で車載・通信・産業機器向けに安定供給する。

主材料のシアン化金カリウムは現金購入でコスト管理を徹底し、設備投資は金融機関借入で賄う。

企業の強み

精密プレス加工(材料厚0.05mm・ピッチ0.25mmまで対応)、貴金属表面処理加工(精密部分金めっき・パラジウムニッケル合金めっき等)、インサート成形加工を自社完結で提供。一貫受注体制により品質・価格・納期の総合対応力を持ち、顧客の工程集約ニーズに応える。

国内は東北事業部・鈴川技術センター・秦野プレス技術センター等の複数拠点、海外はフィリピンSPMCを展開。2025年7月期の設備投資総額は809百万円(国内600百万円、SPMC209百万円)で、東北事業部の新ライン建設を中心に生産能力を積極増強している。

2017年に金属複合水素透過膜特許を取得。東京科学大学・産業技術総合研究所との共同研究契約を締結し、既存の貴金属めっき技術を応用した低コスト・高透過量の水素透過膜の事業化開発を推進。カーボンニュートラル関連の新規事業領域として位置づけている。

エンヴァリスの着眼点

2026年7月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高11,050百万円・営業利益1,582百万円・親会社株主帰属純利益1,460百万円は、通期予想(売上高13,000百万円・営業利益1,400百万円・純利益1,280百万円)に対し、営業利益・純利益ともに既に通期予想を超過している。第4四半期単独で赤字にならない限り通期予想の大幅超過が確実視されるが、会社側は業績予想を据え置いており、予想の保守性と上方修正の可能性が投資家の注目点となる。

2026年7月期第1四半期より有形固定資産(リース資産除く)の減価償却方法を定率法から定額法に変更しており、当第3四半期連結累計期間の営業利益・経常利益・税金等調整前純利益はそれぞれ112百万円増加している。この会計方針変更は監査法人の強調事項にも記載されており、実態的な収益力を評価する際には変更影響を除いたベースでの比較分析が求められる。

外部要因として、AI・データセンター関連需要という追い風が続く間は影響が見えにくい点にも留意が必要。

2026年7月期第3四半期末の原材料及び貯蔵品は3,045百万円と前期末比931百万円増加し、短期借入金も3,650百万円(前期末比550百万円増)に拡大している。旺盛な受注に対応した先行調達と見られるが、外部要因として貴金属等原材料価格の高止まりや為替変動(フィリピンペソ・米ドル)が収益を圧迫するリスクがある。

自己資本比率は57.2%(前期末52.6%)と改善しているものの、運転資本の膨張と借入依存度の動向は継続的なモニタリングが必要。

成長戦略

先端製品分野への受注拡大・一貫加工体制深化・設備投資継続で持続的成長を目指す

自動車用ADAS関連、半導体関連、AIサーバー関連、スマートフォン等の先端製品分野を中心とした成長領域への受注拡大を継続推進。2026年7月期第3四半期累計で売上高11,050百万円(前年同期比+42.4%)と顕著な成果を上げており、戦略の有効性が確認されている。

2025年11月14日取締役会決議、2026年2月1日効力発生で完全子会社の株式会社明王化成を吸収合併。金属部品と樹脂のインサート成形技術を統合し、経営資源の集約・業務効率化・一貫加工体制の深化によるビジネス拡大と競争力強化を図る。

めっきの新ラインを稼働させ、生産能力の増強および品質安定性の向上を実現。旺盛な受注需要に対応する供給体制を整備するとともに、微細めっき技術の高度化を促進し、高付加価値製品への対応力を強化する。

製造工程の自動化・効率化を継続的に取り組み、生産性向上と競争力強化を推進。金型製造技術の高度化も並行して促進し、原材料価格等コスト増加分の適切な価格転嫁と合わせて収益基盤の強化を図る。

最終更新: 2026年7月17日