事業内容
日創グループ株式会社は、2025年6月に持株会社体制へ移行した福岡発のものづくり企業グループ。金属加工(太陽電池アレイ支持架台・金属サンドイッチパネル等)、化成品(下水道マンホール耐震性継手・止水テープ・車両向け樹脂製品等)、建設(内外装パネル工事・太陽光発電設備工事)、タイル(湿式・乾式タイル)の4報告セグメントを中核に、木材加工・EC販売・WEBサービス等も手掛ける。
連結子会社13社・非連結子会社3社・関連会社2社で構成され、建設・エネルギー・インフラ・住宅・輸送機械など幅広い産業を顧客基盤とする。2016年以降、積極的なM&Aにより事業領域を継続拡大中。
ビジネスモデル
各事業会社が製品の企画・設計・製造から販売・施工まで一貫して担い、グループ間の内部取引(セグメント間売上消去額1,201百万円)を通じた垂直統合シナジーを発揮する。持株会社がグループ横断的な営業戦略・製造原価低減・M&A推進を統括し、買収した事業会社のPMIを通じて収益貢献を加速させる構造。
M&A投資枠50億円(第4次中期経営計画)を活用した外部成長と、先行投資枠10億円による内部成長を組み合わせる。
企業の強み
2016年の吾嬬ゴム工業取得を皮切りに、2023年にニッタイ工業・ワタナベテクノス・天神製作所、2024年に大鳳・フォームテックス、2025年に泉製作所と連続的にM&Aを実行。売上高は2021期7,535百万円から2025期23,037百万円へ約3.1倍に拡大しており、M&Aが主要な成長ドライバーとして機能している。
建設事業の売上高は前年同期比108.5%増の6,796百万円、セグメント利益は同177.2%増の753百万円と急拡大。株式会社大林組向け売上高が3,168百万円(全社比13.8%)に達しており、大手ゼネコンとの取引関係が収益基盤の安定性を支えている。
金属加工事業の受注残高は3,160百万円(前年同期比14.2%増)、受注高は8,395百万円(同8.3%増)と積み上がりが続く。セグメント利益1,097百万円は外部顧客売上高8,002百万円に対する利益率が約13.7%と高水準を維持しており、グループ最大の収益源となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期7,535百万円から2025期23,037百万円へM&A主導で約3倍に拡大してきたが、2026年8月期は通期予想20,500百万円(前期比11.0%減)と初の減収見通し。第3四半期累計では建設事業が前期大型案件集中の反動で売上高1,864百万円(前年同期比69.0%減)と急減し、全体の売上高・利益を大きく押し下げた。
EBITDAは1,269百万円(同36.0%減)と減価償却・のれん償却の増加(減価償却費540百万円、のれん償却額214百万円)も利益圧迫要因となっている。化成品事業はM&A寄与で増収増益を確保したものの、建設事業の落ち込みとライフスタイル事業の赤字拡大を補うには至らなかった。
通期営業利益予想300百万円に対し第3四半期累計で514百万円を計上しており、第4四半期は赤字となる計算で、業績の下振れリスクが残存する。
成長戦略
M&A投資枠50億円と持株会社体制で事業ポートフォリオを拡充し中期成長を目指す
M&A投資枠50億円を活用し、金属・化成品・ライフスタイル等の周辺領域で事業を取り込む。2026年8月期にB SLASH HOLDINGS(マンション開発・分譲・リノベーション)を子会社化し、ライフスタイル事業を拡充。
一方で株式会社ダイリツを1,800百万円で売却し、ポートフォリオの能動的な組み替えも実施。
B SLASH HOLDINGSはみなし取得日2026年5月31日のため第4四半期以降に損益寄与開始。カナエテ株式会社は新規事業立ち上げフェーズの先行投資段階にあり、認知度向上・顧客獲得・販売基盤構築を推進中。
ライフスタイル事業の受注残高は1,339百万円(前年同期比75.2%増)と積み上がっており、収益化への布石は打たれている。
データセンター関連案件の好調推移を背景に受注残高2,154百万円(前年同期比12.2%増)を積み上げ。太陽電池アレイ支持架台・金属サンドイッチパネルの減少を補う形で需要の多様化を推進。グループ間連携による受注確保と製造原価低減を継続的に推進する。
大鳳株式会社・株式会社泉製作所の連結化による売上規模の急拡大(前年同期比88.8%増)が定着しつつある。受注高3,725百万円(同104.2%増)・受注残高382百万円(同84.9%増)と受注基盤も拡大。
インフラ耐震化需要を背景とした下水道マンホール耐震性継手等の安定需要を取り込みながら、さらなるM&Aによる事業拡大を志向する。
2026年6月に株式会社ダイリツ(空調用ダンパー製造)の全株式を空研工業株式会社に1,800百万円で譲渡。グループの今後のさらなる発展を見据えた事業ポートフォリオの再考の一環であり、売却資金はM&A投資枠の補充や財務健全性の維持に活用される見込み。譲渡損益は現時点で未確定。
最終更新: 2026年7月17日

