事業内容
株式会社稲葉製作所は1950年創業の金属加工メーカーで、「鋼製物置」と「オフィス家具」の2事業を展開する。鋼製物置事業では「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」のCMで知られる物置・ガレージ・倉庫を製造・販売し、国内トップシェアを誇る。
オフィス家具事業では机・椅子・壁面収納庫等を製造・販売し、OEM受注も手掛ける。2025年7月期の連結売上高は41,905百万円で、鋼製物置が約70%、オフィス家具が約30%を占める。
代理店・販売店を通じた間接販売を主軸とし、全国22カ所の配送センターネットワークで短納期対応を実現している。最大取引先のユアサ商事株式会社向け売上が総売上の28.7%を占める。
ビジネスモデル
高炉メーカーから直接搬入するコイル・アルミ素材の加工から最終検品まで同一敷地内で完結する一貫生産体制(内製比率90%超)により、品質管理とコスト削減を両立する。製品は代理店・販売店を通じて販売され、全国22カ所の配送センターが迅速な納品を支える。
鋼製物置は見込生産、オフィス家具の一部はOEM受注生産を採用。延べ9万人以上が参加する勉強会を通じた代理店との関係強化が販売力の源泉となっている。
企業の強み
「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」のCM認知度を背景に、1975年の物置生産開始以来50年にわたり市場トップシェアを維持。2025年7月期の鋼製物置売上高は29,218百万円で全社売上の約70%を占め、安定した収益基盤を形成している。
高炉メーカーから直接搬入するコイル・アルミ素材の加工から最終検品まで一貫して内製化(内製比率90%超)。加工専用機械・ライン・塗装設備も自社設計・製作し、JIS規格を上回る独自試験を実施。コスト削減と高品質保持を同時に実現している。
2025年7月期末時点で借入金残高ゼロ、現金及び現金同等物16,047百万円を保有。自己資本比率は74.0%(前期比2.0ポイント増)、債務償還年数0.3年と財務健全性は極めて高い。設備投資2,270百万円を全額自己資金で賄う財務体力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は37,800〜42,414百万円のレンジで推移。2025年7月期は41,906百万円と前期比微減となり、営業利益は1,865百万円(前期3,065百万円から39.2%減)と大幅に落ち込んだ。
2026年7月期第3四半期累計(9カ月)では売上高31,451百万円(前年同期比0.6%減)と横ばいながら、営業利益1,665百万円(同8.9%増)・経常利益1,986百万円(同11.8%増)・四半期純利益1,397百万円(同15.1%増)と利益面で明確な回復を示している。外部要因として物価上昇による個人消費の伸び悩みが鋼製物置需要を圧迫する一方、オフィス移転需要の旺盛さがオフィス家具事業を牽引。
価格改定と採算管理徹底により売上総利益率が改善しており、通期予想(売上高42,850百万円・営業利益2,460百万円)は修正なく維持されている。
成長戦略
生産体制最適化と製品ラインアップ拡充による収益力回復と持続的成長
富岡工場への物置生産移管を2026年7月完了予定で進行中。建設仮勘定が前期末比1,394百万円増加しており投資は佳境。完了後は生産効率化とコスト低減による収益力改善が期待される。
自然災害リスクへの備えが重視される中、指定建築材料を使用した中型・倉庫製品等の販売が堅調に推移。2026年7月期第3四半期累計でも企業・自治体向け防災対策需要への対応が継続している。
オープンオフィス化・人材確保を目的としたオフィス移転・改装需要を背景に、積極的な提案営業を展開。2026年7月期第3四半期累計でセグメント利益が前年同期比111.2%増と急拡大しており、施策の効果が顕在化している。
株式会社共進(群馬県・北関東配送センター運営)が株式会社カトウ産業(新潟県・新潟配送センター運営)を2025年8月1日付で吸収合併。事業運営の合理化・営業力強化・経営効率化を目的とし、当期に抱合せ株式消滅差益69百万円を計上。
2026年3月取締役会決議に基づき上限200,000株・337,600千円の自己株式取得を進め、第3四半期累計で175,000株取得済。年間配当は前期42円から44円へ増配予定。1株当たり当期純利益予想は118.09円。
最終更新: 2026年7月17日

