事業内容
旭化成グループは1931年創業の100年超の歴史を持つ総合化学・素材企業。医薬・医療機器・ライフサイエンスを束ねるヘルスケア、戸建・集合住宅から海外住宅まで展開する住宅、電子材料・自動車内装材・化学品等を手掛けるマテリアルの3セグメントで構成される。
346社の関係会社を擁し、売上高3,074,505百万円(2026年3月期)を誇る。国内外の多様な産業・顧客層に製品・サービスを提供し、「Diversity × Specialty」を経営の特長として掲げる。
ビジネスモデル
マテリアル領域では独自素材・電子材料の販売、住宅領域では建築請負・賃貸管理・建材販売、ヘルスケア領域では医薬品・医療機器・ライフサイエンスサービスの提供が主な収益源。M&Aによる事業拡大(Veloxis、Calliditas、ZOLL Medical等)と自社技術のライセンス・製品化を組み合わせ、各領域で高付加価値・高収益(Specialty)を追求する。
事業ポートフォリオの継続的な転換により収益構造の高度化を図る。
企業の強み
1931年創業以来、繊維・化学・住宅・医薬・医療機器と事業領域を拡張し続け、現在346社のグループ企業を擁する。ヘルスケア・住宅・マテリアルの3セグメントが相互補完的に機能し、2026年3月期の売上高3,074,505百万円・営業利益231,200百万円を達成。
単一事業リスクを分散しつつ安定的な収益基盤を維持している。
2012年ZOLL Medical買収でクリティカルケア事業に参入、2020年Veloxis買収で米国医薬市場を獲得、2024年Calliditas買収でIgA腎症治療薬TarpeyoTMを取得と、過去5年で300億円以上規模のM&Aを7件実施。買収案件の収益化が進み、ヘルスケアセグメントの営業利益は83,452百万円(2026年3月期)に達している。
感光性ポリイミド「パイメルTM」やプリント配線板用ガラスクロス等、最先端半導体パッケージ向け高機能材料を展開。AIサーバー・ハイエンドスマホ向け需要を背景にエレクトロニクス事業が増益を達成。マテリアルズ・インフォマティクス(MI)活用や独自データ駆動型研究インフラにより開発競争力を強化している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期2,461,317百万円から2026期3,074,505百万円へ5期で25%増加。営業利益は2023期に128,352百万円まで落ち込んだ後、2025期211,921百万円、2026期231,200百万円と2期連続で大幅増益を達成。
2026期の営業利益率は7.5%(前期7.0%)、ROE8.0%(同7.4%)、自己資本比率50.5%(同46.3%)と財務体質も改善。外部要因として円安が為替換算調整勘定を124,431百万円押し上げ純資産増加に寄与。
次期(2027年3月期)は売上高3,254,000百万円(+5.8%)、営業利益248,000百万円(+7.3%)を予想。
成長戦略
ヘルスケアM&A収益化・マテリアル構造転換・高付加価値特化で2027年度営業利益270,000百万円・ROIC6%・ROE9%を目指す
Calliditas(IgA腎症治療剤Tarpeyo)の販売量拡大、LifeVest®新規患者数増加、除細動器新製品の販売牽引に加え、2026年4月取得のAicuris(重症感染症開発パイプライン)を移植・腎領域の既存営業基盤と統合し、医薬事業の持続的成長基盤を確立する。次期ヘルスケアセグメントは売上高7,490億円・営業利益900億円を予想。
水島製造所の誘導品事業再構築(スチレンモノマー・ポリエチレン等の2030年度を目途とした生産終了、アクリロニトリル供給体制の再編)により固定費を削減し、電子材料・エンジニアリング樹脂等の高付加価値製品に経営資源を集中。次期マテリアルセグメントは売上高1兆3,010億円・営業利益810億円(当期比増益)を予想。
血液浄化事業(旭化成メディカル)、診断薬事業(ナガセダイアグノスティクス)、鉛蓄電池用セパレータ事業(Daramic)の売却を2025年4月〜12月に完了。旭化成アドバンスと帝人フロンティアの経営統合(2026年10月予定)も進行中。
売却収入を成長領域への投資原資として活用し、グループ全体の収益性向上を図る。
建築請負事業における物件の大型化・高付加価値化による平均単価上昇、賃貸管理事業の管理戸数拡大、建材事業の価格転嫁進捗を継続。豪州事業は請負・建売住宅の数量増加で増益見込み。
北米事業は住宅需要の緩やかな回復を背景に数量増加を想定。次期住宅セグメントは売上高1兆1,730億円・営業利益1,013億円を予想。
最終更新: 2026年7月19日

