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東レ株式会社

3402東証プライム繊維製品

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東レ株式会社3402

事業内容

東レ株式会社は1926年創業の総合先端素材メーカーで、子会社269社・関連会社等39社を含む308社のグループを擁する。繊維事業(ナイロン・ポリエステル・アクリル等)、機能化成品事業(樹脂・フィルム・電子情報材料)、炭素繊維複合材料事業、環境・エンジニアリング事業(水処理膜・総合エンジニアリング)、ライフサイエンス事業(医薬品・医療機器)の5セグメントを展開。

衣料・自動車・航空宇宙・半導体・水インフラ等の多様な産業を顧客基盤とし、2026年3月期の売上収益は2,585,077百万円に達する。

ビジネスモデル

有機合成化学・高分子化学・バイオテクノロジー・ナノテクノロジーをコア技術として、重合・製糸・製膜等の要素技術を深化させ、各セグメントで先端材料を創出・事業化する。グローバルなサプライチェーン一貫型事業体制を構築し、「戦略的プライシング」(価格是正・高付加価値品への転換)を通じて収益性を改善。

研究開発費759億円(2026年3月期)を継続投入し、特許出願(国内1,314件・海外2,388件)を通じて技術優位を維持する。

企業の強み

1971年に炭素繊維トレカ®の生産を開始して以来、50年超の研究開発・データ蓄積を有する。世界最高性能・最高品質のレギュラートウとコスト競争力の強いラージトウをグローバルに供給できる体制を擁し、ボーイング社との炭素繊維複合材料供給契約(2028年12月末まで)を締結するなど、世界有力企業との長期的信頼関係を構築している。

1980年にRO膜エレメント ロメンブラ®の生産を開始し、40年超の実績を持つ。環境・エンジニアリング事業の売上収益266,898百万円・事業利益率8.9%を達成し、中東向け逆浸透膜を中心に堅調な需要を獲得。

水処理貢献量は2013年度比3.1倍に拡大しており、海水淡水化No.1ポジションの維持を中期戦略に明記している。

当連結会計年度の研究開発費総額は759億円(うち当社分536億円)で、国内特許出願1,314件・海外2,388件を記録。AI半導体向け超薄膜半導体後工程材料、CFRP向けリサイクル新技術、200℃超対応圧電ポリマー等の新素材を継続的に創出しており、有機合成化学・高分子化学・ナノテクノロジー等の複合技術基盤が競合の模倣を困難にしている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は97,221百万円(前期比23.7%減)と大幅に落ち込んだ一方、事業利益は141,913百万円(同0.6%減)とほぼ横ばいを維持した。差異の主因は韓国子会社のバッテリーセパレータフィルム事業でEV市場低迷を受けて計上した減損損失25,072百万円を含む合計33,796百万円の減損損失。

EV市場の回復時期が不透明な中、同事業の追加減損リスクは引き続き注視が必要である。

2026年3月期の持分法による投資損益は21,528百万円(前期は△2,351百万円)と大幅に改善し、親会社帰属当期利益79,521百万円(前期比2.1%増)の維持に貢献した。ただし、この改善が一時的要因によるものか構造的なものかは開示情報からは判断困難であり、次期以降の持続性には不確実性が残る。

外部要因として中国経済の低迷や地政学リスクも持分法投資先の業績に影響しうる。

2027年3月期の業績予想は売上収益2,830,000百万円(前期比9.5%増)、事業利益160,000百万円(同12.7%増)、親会社帰属当期利益90,000百万円(同13.2%増)と成長を見込む。為替前提は150円/ドル。

ただし、米国の通商政策転換・関税措置の影響、中東情勢の緊迫化に伴う原材料価格高騰・供給制約、中国経済の低迷継続が下振れリスクとして明示されており、予想達成には外部環境の安定が前提条件となる。

成長戦略

IGNITION 2028のもと成長領域拡大・構造改革・資本効率改善を推進

AP-G 2025から新中期経営課題IGNITION 2028へ移行し、成長領域での事業拡大と構造改革の推進による増益を目指す。2027年3月期は事業利益160,000百万円(前期比12.7%増)を予想し、不確実性に備えた事業運営を実行する方針。

高付加価値品へのシフトと価格是正を継続し、各セグメントの事業利益率向上を図る。繊維事業では衣料・産業用途ともに堅調に推移し、事業利益率6.5%(68,041百万円/1,052,446百万円)を達成。引き続き全セグメントで展開中。

中東向け逆浸透膜・国内プラント建設事業が堅調に推移し、2026年3月期売上収益266,898百万円(前期比12.8%増)、事業利益28,824百万円(同11.2%増)を達成。IGNITION 2028における重点成長領域として位置づけ、さらなる拡大を推進する。

2026年3月期に自己株式取得111,697百万円を実施し、発行済株式数を1,631百万株から1,504百万株へ削減。年間配当は18円から20円へ増配(配当性向37.8%)。2027年3月期は26円(うち記念配当3円)を予想し、配当性向42.1%を見込む。

航空宇宙用途は順調に回復しているが、一般産業用途(圧力容器・風力発電翼)が調整局面にあり、2026年3月期事業利益は17,640百万円(前期比21.7%減)と苦戦。水素タンク・UAM等の新規用途開拓と航空宇宙回復による収益改善を引き続き目指す。

最終更新: 2026年7月19日