事業内容
トリドールホールディングスは、国内最大規模の本格讃岐うどん専門チェーン「丸亀製麺」を中核に、「ラー麺ずんどう屋」「コナズ珈琲」等9業態を国内で展開するとともに、香港の「Tam Jai」、英国の「FRANCO MANCA」「THE REAL GREEK」、欧米の「WOK TO WALK」など多様なブランドを海外で展開するグローバル外食グループである。2026年3月末時点で国内外合計2,102店舗を運営し、売上収益278,715百万円の約37%を海外事業が占める。
直営・フランチャイズ・合弁等の多様な事業形態を組み合わせ、日本・アジア・欧米・中東など幅広い地域に展開している。
ビジネスモデル
丸亀製麺はセントラルキッチンを持たず全店に製麺機を設置し、粉から打ち立て・茹でたてのうどんを提供する「手づくり・できたて」モデルを採用。この非効率に見える製法が顧客の感動体験を生み、ブランド差別化と価格決定力を支える。
国内は主に直営、海外はフランチャイズ・合弁・直営を組み合わせ、ローカルパートナーとの協業で出店コストと事業リスクを分散しながら収益を拡大する構造である。
企業の強み
丸亀製麺セグメントは2026年3月期に売上収益137,193百万円・事業利益21,955百万円・事業利益率16.0%を達成し、いずれも過去最高を更新した。全店配置の麺職人制度と「手づくり・できたて」の製法が競合との差別化を維持し、原材料費等の増加を増収で吸収できる収益構造を実証している。
国内では丸亀製麺以外に9業態を展開し、国内その他セグメントの売上収益は39,626百万円(前期比11.9%増)と過去最高を更新。ラー麺ずんどう屋は計110店舗、コナズ珈琲は新ブランド「KNOWS COFFEE」を展開するなど、複数業態が並行して成長しており、単一業態依存リスクを構造的に低減している。
海外事業セグメントは2026年3月期に売上収益101,895百万円と前期比2.7%減となった一方、事業利益は5,285百万円と前期比109.4%増の過去最高を達成。英国MARUGAME UDONのフランチャイズ化による黒字化、Tam Jai・WOK TO WALKの完全子会社化、MC GROUP PTE. LTD.の売却等、不採算事業の整理と収益性重視のポートフォリオ再編を実行した実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は278,715百万円(前期比3.9%増)と5期連続増収・過去最高を更新したが、成長率は前期15.6%から大幅に鈍化。事業利益は21,460百万円(前期比17.9%増)と過去最高。
一方、減損損失は11,408百万円(前期8,066百万円)に拡大し、営業利益10,578百万円・親会社帰属当期利益2,311百万円にとどまる。外部要因として物価上昇による消費意欲の減速・原材料費・人件費の上昇が国内事業のコスト圧力となった。
海外では英国外食市場の厳しい経済環境がFulham Shoreの収益回復を遅らせている。調整後EBITDAは52,461百万円(前期比5.7%増)と実態的な収益力は改善傾向にある。
成長戦略
国内丸亀製麺の深化と海外事業の選択集中で収益性と成長性を両立
ハピカンキャプテン育成・店舗への権限移譲推進、ハイブリッド戦術(ブランディング×商品プロモーション)、季節限定商品・コラボキャンペーンによる来店動機創出。2027年3月期は売上収益146,000百万円・事業利益23,000百万円を計画。
2026年3月期は36店舗出店(期末887店舗)。2027年3月期は45店舗出店・10店舗閉店で期末922店舗を計画。国内外食市場での規模拡大と新商圏開拓を推進。
ラー麺ずんどう屋(計110店舗)・コナズ珈琲・新ブランドKNOWS COFFEE等の出店継続。2027年3月期は売上収益43,000百万円(前期比8.5%増)・事業利益4,400百万円(前期比6.0%増)を計画。
Tam Jai完全子会社化・WOK TO WALK完全子会社化・MC GROUP売却等を完了。Fulham Shore(英国)の事業再構築に着手(2026年4月・5月開示)。資本効率を軸に収益性と成長性を両立し、2027年3月期は事業利益5,600百万円(前期比6.0%増)を計画。
配当性向20%以上・調整後配当性向2%下限・前期以上の配当を基本方針とする累進配当を実施。2026年3月期11円(前期比1円増配)、2027年3月期12円を予定。
最終更新: 2026年7月19日

