事業内容
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社は、2016年に内閣府SIPプロジェクトを起源として設立された、高精度3次元地図データ(HDマップ)の生成・販売を主事業とする企業。国内では日系自動車メーカー10社の共通仕様に基づくHDマップを整備し、海外では北米・欧州・韓国・中東の26か国で150万km超のカバレッジを保有する。
主要顧客はトヨタ、日産、本田、General Motors Companyなど国内外の大手自動車メーカーで、量産車36車種への搭載実績を持つ。自動車向けオートモーティブビジネスに加え、高精度3次元点群データを活用したViewer・Guidance商品や政府プロジェクト受注による3Dデータビジネスも展開し、デジタル社会の共通インフラ構築を目指している。
2025年3月に東京証券取引所グロース市場に上場。
ビジネスモデル
収益はプロジェクト型とライセンス型の2類型に大別される。プロジェクト型は自動車メーカーや政府機関からのHDマップ整備・更新受注で、原価+マージン方式の変動費中心の構造。
ライセンス型は量産車への搭載台数に応じたライセンスフィー・メンテナンスフィーで、整備済みデータの更新費用が主な固定費となり限界利益率が高い。2025年3月期のライセンス型売上高は1,171百万円と全体の約16%にとどまるが、搭載台数増加に伴い高収益化が期待される構造を持つ。
企業の強み
国内は日系自動車メーカー10社の共同出資により設立された経緯を持ち、共通仕様HDマップを一元供給。海外ではGeneral Motors CompanyのSuper Cruise™開発当初からのパートナーとして2025年3月期に3,211百万円の売上を計上。
公表済み・未公表を含め量産車36車種への搭載実績を有する。
2025年3月末時点で日本国内33,000km(高速・自動車専用道路)、北米1,200,000km、欧州255,000km、韓国20,000kmのHDマップ整備を完了。自動車メーカーの求めるカバレッジ要件を充足しており、新規参入者が短期間で追随困難な先行優位性を形成している。
Multi-GNSS対応受信機・高性能IMU・高密度LiDARを搭載したMMS(モービル・マッピング・システム)により、衛星測位良好時に絶対精度10cm以内・相対精度1cm以内のデータ収集が可能。衛星測位・計測・図化・統合の各プロセスで専門技術者が品質管理を担い、自動運転レベル2+以上に対応した精度を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2027年3月期1Qは売上高1,147百万円(前年同期比21.3%減)、調整後EBITDA△667百万円(前年同期24百万円)、営業損失999百万円、親会社株主帰属四半期純損失980百万円(前年同期285百万円損失)と大幅悪化。国内セグメントは前年大型案件の反動で売上62.2%減・損失400百万円、海外セグメントも北米新規整備完了に伴うプロジェクト型売上減で損失602百万円に拡大。
一方、通期予想(売上高7,000百万円、前期比23.1%増、調整後EBITDA50百万円)は修正なしを維持しており、下期の大幅な業績回復が前提となっている。自己資本比率は66.2%から60.1%に低下し、純資産は883百万円減少した。
成長戦略
ライセンス型比率向上・3Dデータ事業化・測量M&Aの三軸で黒字化を目指す
AI用途向け法人ライセンス拡大により、1Qはライセンス型売上645百万円(前年同期比10.0%増)と伸長し比率上昇。限界利益率の高い収益構造への転換を推進。
2026年4月に株式会社リカノスを子会社化し、測量・空間情報分野の事業基盤とネットワークを強化。今後も関連事業会社のグループ化を推進する方針。
物流施設・インフラ管理・不動産開発等における高精度3次元データ利活用を推進し、自動車依存からの事業ポートフォリオ多角化を図る。
最終更新: 2026年8月7日

