株式会社トーエル logo

株式会社トーエル

3361東証スタンダード小売業

株式会社トーエル logo
株式会社トーエル3361

事業内容

株式会社トーエルは1963年創業のLPガス小売・卸売を基幹とするライフライン企業。エネルギー事業(LPガス販売・保安管理・関連機器販売)とウォーター事業(国産「アルピナ」「信濃湧水」・ハワイ産「Pure Hawaiian」の製造・宅配販売)の2セグメントを展開する。

関東圏に顧客基盤を集中させ、独自の物流システム「TASKシステム」を通じて24時間365日対応の宅配サービスを提供。連結子会社5社・関連会社2社で構成され、東京証券取引所スタンダード市場に上場。

2025年4月期の連結売上高は27,388百万円。

ビジネスモデル

LPガス・ボトルウォーターを自社配送員が顧客の軒先まで届ける宅配ビジネスモデル。関東圏への供給密度集中により物流コストを低減し、競合より安価な価格設定を実現。

「TOELLライフラインパッケージ」(ガス・ウォーター・電気・光回線の4事業セット)で顧客単価と解約障壁を高める。売掛金は月末締め翌月末回収と回収サイクルが短く、設備投資・運転資金は営業CFで自己調達する低レバレッジ経営を維持。

企業の強み

1989年構築の「TASKシステム」は特定エリアへの高密度配送を実現し、24時間365日対応の保安・配送・緊急出動を一体運営。関東圏への顧客集中戦略と組み合わせることで配送効率を高め、業界平均より安価な販売価格を維持しながら利益を確保している。

エネルギー事業とウォーター事業を「TOELLライフラインパッケージ」として束ね、既存顧客の取引拡大と新規顧客開拓を同時に推進。自社配送員が対面チャネルとして機能し、ガス・水・電気・光回線の4事業をセット提案することで顧客の囲い込みと解約抑制を図っている。

2025年4月期末の純資産合計は20,537百万円、営業CF2,542百万円を設備投資・運転資金に充当し外部借入に依存しない経営を継続。有利子負債は長期借入金残高が僅少で、突発的資金需要には取引銀行との当座借越枠で対応。自己株式取得1,258百万円を実施しながらも財務健全性を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年4月期の親会社株主帰属当期純利益は1,612百万円(前期比91.6%増)と大幅増益だが、前期に計上された創業者功労金995百万円(特別損失)の剥落が主因。これを除いた実力ベースでは、営業利益は1,982百万円(前期比2.4%増)にとどまり、売上高は27,039百万円(同1.3%減)と微減収。

本業の収益改善は緩やかであり、純利益の大幅増を額面通りに評価することには注意が必要。

2027年4月期の会社予想は売上高29,460百万円(前期比9.0%増)と増収を見込む一方、営業利益1,910百万円(同3.6%減)、経常利益2,130百万円(同13.3%減)、純利益1,310百万円(同18.8%減)と全利益段階で減益予想。広告宣伝費増加・設備投資に伴う減価償却費増加・物流コスト上昇等のコスト増が利益を圧迫する見通しであり、増収減益構造への転換が懸念点。

外部要因として米国関税政策や中東情勢に起因する資源価格高騰リスクも残存する。

ウォーター事業は2026年4月期に売上高6,759百万円(前期比0.2%増)と微増収を確保したものの、セグメント利益(管理部門経費配賦前)は1,219百万円(同9.0%減)と大幅減益。人件費・物流コスト上昇、部材高騰、新規顧客獲得のための広告宣伝費増加が利益を圧迫した。

次期予想でも利益は1,203百万円(同1.3%減)とさらなる減益を見込んでおり、ボトルウォーター市場の拡大という外部追い風があるにもかかわらず、コスト構造の改善が収益性向上の鍵となっている。

成長戦略

物流密度向上と4事業パッケージ拡販で関東圏の顧客基盤を拡大

大型タンクローリーの取得により物流密度を向上させ、独自物流システムによるコスト削減を深化。業界平均を下回る低廉な価格での販売を維持しながら、卸・総合管理取引の獲得拡大を推進する。2026年4月期に減価償却費増加として先行投資コストが発生しており、次期以降の効率化効果が注目される。

ガス・水・電気・通信を束ねたパッケージ商品のセット割キャンペーンを強化し、顧客単価向上と解約抑制を図る。2026年4月期においてエネルギー事業の顧客件数増加に寄与しており、ウォーター事業との連携による相互送客も継続中。

「高品質な天然原水」と「競争力のある価格」をキーワードに多種多様な広告媒体を活用し、アルピナ・Pure Hawaiian・信濃湧水の3ブランドの認知度向上を図る。直販部門での顧客開拓が進んでいるが、広告宣伝費増加がコスト負担となっており、次期も利益は微減見込み。

電源自立型GHP(ガスヒートポンプ)エアコンやLPガス非常用発電機の提案を強化し、災害時の電力確保ニーズを取り込む。LPガスの復旧性の高さを訴求することで、都市ガスや電力との差別化を図り、新規顧客開拓および既存顧客の設備更新需要を獲得する。

最終更新: 2026年7月17日