事業内容
三重交通グループホールディングスは、三重県を主要地盤として運輸・不動産・流通・レジャー・サービスの4セグメントを展開する持株会社である。連結子会社23社・関連会社3社を含むグループ全体で、乗合バス・貸切バス・タクシーなどの旅客輸送から、マンション分譲・賃貸ビル・不動産管理、石油製品・自動車販売、ビジネスホテル・旅館・ロープウエイ・旅行業まで多様な事業を手掛ける。
主要顧客は三重県・東海地区の一般消費者・法人・観光客であり、インバウンド需要の取込みにも注力している。東京・名古屋両証券取引所に上場し、2025年度の連結営業収益は110,261百万円に達する。
ビジネスモデル
運輸セグメントが地域インフラとして安定的な旅客収入を確保する一方、不動産セグメントが賃貸・分譲・管理の多層的収益で高利益率(営業利益率17.2%)を稼ぐ成長エンジンとして機能する。流通セグメントは石油・自動車・生活用品販売で規模を確保し、レジャー・サービスセグメントは観光需要・インバウンドを取り込む。
4セグメントが相互に顧客・施設・資金を融通し合い、キャッシュ・マネジメント・システムによるグループ内資金集中管理で財務効率を高める構造である。
企業の強み
不動産セグメントの2025年度営業収益は38,795百万円、営業利益は6,678百万円で営業利益率は17.2%に達し、グループ全体の営業利益の68%超を占める。「四日市三交ビル」(2025年8月開業)の稼働寄与や分譲マンションの1戸当たり販売価格上昇、建築事業の受注残高2,503百万円積み上げなど、複数の収益源が同時に拡大している。
運輸・不動産・流通・レジャー・サービスの4セグメントが異なる景気感応度を持ち、特定事業の不振を他セグメントが補完する構造を有する。2025年度は全4セグメントが増収を達成し、運輸セグメントの営業利益は前期比139.6%増と大幅改善するなど、ポートフォリオ効果が実績として確認されている。
三重交通を中核に乗合バス・貸切バス・タクシーを運営し、2024年12月の乗合バス運賃改定により旅客運送収入が前期比10.7%増の11,685百万円に拡大した。路線効率化(実働走行キロ前期比3.3%削減)と単価上昇を同時に実現しており、コスト構造改善と収益向上を両立する運営実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は営業収益110,260百万円(前期比+6.2%)、営業利益9,756百万円(+15.9%)、経常利益9,674百万円(+13.6%)、親会社株主帰属当期純利益6,250百万円(+3.2%)と全指標で増加。運輸セグメントは乗合バス運賃改定(2024年12月)の通期寄与と万博関連貸切バス需要により営業利益が前期比139.6%増と急回復。
不動産セグメントは四日市三交ビル開業効果とマンション販売単価上昇で安定成長。外部要因として万博需要・インバウンド拡大・不動産市況上昇が追い風となった。
一方、特別損失に事業整理損失引当金567百万円(ハンズ名古屋店閉店関連)を計上し、純利益の伸びは+3.2%にとどまった。2027期は万博特需剥落等により各利益段階で減益予想。
成長戦略
不動産開発継続・運輸収益構造改善・レジャー施設高付加価値化による持続的成長
2025年8月開業の「四日市三交ビル」に続き、隣接地で「四日市三交ビルANNEX」の開発に着手。三重県内の旗艦ビル群として賃貸事業のストック収益を継続的に積み上げ、不動産セグメントの安定収益基盤をさらに強化する。
2026年3月期のマンション分譲は295戸(持分換算後206.1戸)を販売し、1戸当たり販売価格の上昇により営業収益9,068百万円(前期比+3.2%)を達成。2027期はマンション販売増加を主要な増収ドライバーとして計画しており、分譲事業の資産回転型ビジネスを継続推進する。
2024年12月実施の乗合バス運賃改定が通期寄与し、乗合バス旅客運送収入は11,685百万円(前期比+10.7%)に拡大。タクシー乗務員の充足進展により稼働率が改善し、運輸セグメント営業利益は1,240百万円と急回復。引き続き人材確保と路線効率化によるコスト構造改善を推進する。
旅館事業での客室改装による顧客満足度向上と宿泊総消費単価の上昇を実現。ビジネスホテル事業では万博・インバウンド需要を取り込み客室料金・稼働率が上昇し、ビジネスホテル事業営業収益は7,535百万円(前期比+12.6%)。施設修繕投資を継続しながら収益力向上を図る。
流通セグメントの生活用品販売事業において「ハンズ名古屋店」の閉店を決定し、事業整理損失引当金567百万円を2026年3月期に計上。2027年3月期の営業利益減益要因の一つとなるが、不採算事業の整理による収益構造の健全化を図る。
最終更新: 2026年7月19日

